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【8月18日】日本史上最悪のバス事故。飛騨川バス転落事故を振り返る

一定の雨量が観測されると通行規制がかかるのは今では当たり前です。しかし、そのきっかけにはあまりにも悲惨な事故が存在したことをあなたは知っていますか。

更新日: 2016年01月15日

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INFO-RAVENさん

飛騨川バス転落事故とは

飛騨川バス転落事故とは、1968年(昭和43年)8月18日、岐阜県加茂郡白川町の国道41号において、2台のバスが集中豪雨に伴う土砂崩れに巻き込まれ104名が死亡した事故

荒れ狂う豪雨

岐阜地方気象台は8:30に大雨洪水雷雨注意報を発令していたが、午後に入って小降りになり、17:15に注意報を解除

19:00前に放送された天気予報は、岐阜県の天気は好転し翌朝は晴れるだろうと報じた。

しかし、状況は一転する

雷を伴った雨は20時頃から18日早朝にかけ、益田郡南部、郡上郡南部、加茂郡、恵那郡の一部を中心にはげしく降った

現場近くの白川町三川小学校観測所では、17日23時からの1時間に100ミリの雨量を記録。

気象台は20:00に雷雨注意報を発令し、22:30には大雨警報に切り替えた

飛騨川は急激に増水した。

被害者

名古屋市内の主婦とその家族を中心に730人が参加、バス15台に分乗

名古屋の会社が「乗鞍雲上ファミリーパーティ」と題して募集した、北アルプス乗鞍岳観光の一行であった。

当初、ツアーは予定通りに出発したが、あまりの雨の酷さと道路状況の悪さから、主催者と運転手たちはツアーを一週間延期することに決定。全てのバスはもと来た道を戻ることにした

運の悪いことに、結果的には突破してきた行程中の最危険地帯に、わざわざ逆戻りすることとなる。

うち合計6台のバスは、左は崖下で増水している飛騨川、そして右が絶壁という道路を進んでいった

残りの八号車から十六号車は警告に応じて白川口駅前で待機し、深夜の豪雨をやり過ごして無事に朝を迎えている。

土砂崩れの発生

上麻生ダムを500メートルほど過ぎたところで落石のために道路が寸断されていた。大型車ではUターン不能の箇所だったため、一号車から五号車まで順次バックで移動を開始し、五号車が先頭になった

ところが、今度は後方で土砂崩れが発生し、1:30頃には猛烈な雷雨のなかで完全に立ち往生の状態となる

午前2時11分に高さ100メートル、幅30メートル、推定740立方メートル、ダンプカーにして250台分の大規模な土砂崩れが発生

5号車と6号車がこれの直撃を受け、2台は増水した飛騨川へあっと言う間に転落していった。

水位零作戦

転落から逃れたバスの運転手ら4人は道路上の土砂を乗り越え、対岸の下山ダム事務所に急を知らせ、事務所から上麻生発電所を通じ地元の加茂警察署に連絡された

加茂警察署に連絡が入ったのは、事故発生後3時間29分後の午前5時40分ごろであった。

事故現場の険しい環境から、乗員・乗客の安否はもちろん、車体すら発見できなかった。

事故翌日の8月19日10時30分ごろ、転落現場から約300メートル下流で、ようやく五号車がタイヤを上に無残に押しつぶされた状態で発見された。

しかし、六号車や他の行方不明者は発見できなかった。

中部電力は8月21日、社内緊急会議を開き行方不明者捜索を迅速に行うために、ダム管理上前代未聞の措置を講じる。

それは上麻生ダムと名倉ダムの放流を停止し、水の引いたわずかな時間を利用してまだ発見されていない六号車の捜索を行わせるというものであった。

上麻生ダム直下の飛騨川の水位をゼロにするということから、「水位零(ゼロ)作戦」と名付けられた

この作戦は計3回実行された。

そして六号車は転落地点から900メートル下流の川底から半分砂に埋もれ岩に引っかかった状態で見つかった

行方不明者の捜索には、9月15日までに36,683名の大規模な捜索隊を繰出し、16日から第5次捜索が1日平均250名の規模で事故発生から1ヶ月余にわたる捜索が続けられた

最終的には9名が行方不明のままとなっている。

惨劇のあとに残ったもの

収容された遺体も腕だけが発見されたりするなど損傷が激しく、DNA鑑定のない時代でもあり身元特定は困難を極め、取り違えによるトラブルまで起きた

2台のバスに乗っていた乗員・乗客107名のうち、奇跡的に生還できたのは、当時30歳だった5号車の運転手と21歳の添乗員、14歳の男子中学生のわずか3名

1969年8月18日、一周忌を迎えて事故現場近くの国道41号脇に慰霊のため「天心白菊の塔」が建立された。

この事故は多くの教訓を残し、「道路防災点検」や「雨量にもとづく事前通行規制」が制度化された

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