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【憲法改正】最高裁判事、9条の解釈変更は難しいとの見解。集団的自衛権は容認すべきか、参考まとめ

憲法改正論議をめぐり、最高裁の新しい判事に就任した前内閣法制局長官が、憲法9条を「集団的自衛権行使」を容認する形での解釈には難しいとの見解を示しました。歴史を振り返ると、戦後の日本は、解釈改憲によって自衛隊を認めてきました。集団的自衛権行使は解釈改憲で可能になりうるのでしょうか。

更新日: 2013年08月21日

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shiro05さん

集団的自衛権の行使の容認は難しい

20日付で最高裁判事に就任した前内閣法制局長官の山本庸幸氏(63)が同日、最高裁で記者会見し、憲法9条の解釈変更による集団的自衛権行使の容認について、「私自身は難しいと思っている」と述べた。

・最高裁判事がこのような政治的課題に言及するのは異例の事。

最高裁で行われた会見で山本氏は、集団的自衛権の行使を巡る政府の憲法解釈の見直しに関する議論について、「今の憲法の下で半世紀以上議論され、維持されてきた憲法解釈であり、私自身としては見直すことは難しいと思っている」

・これ以上の解釈改憲は難しいのではないかとする見解だそうだ。

実は「憲法9条改定」を促す発言?

山本氏は「見直すのであれば、憲法9条を改正することがより適切だが、最終的には国会や国民が判断することだ」と述べました。

会見で山本氏は、「地球の裏側まで行くような完全な集団的自衛権を実現するなら、憲法を改正した方が適切だ」とした。

・集団的自衛権の行使をめぐり「憲法解釈を変えるのが難しい」をいう発言があった場合、「護憲派」の意見だと思われがちだが、この方の場合は「憲法解釈を変えるなら改憲すべき」とのスタンスでこの発言を行っている点に注意すべきだろう。

これまでの歴史を振り返って:解釈改憲によって9条と自衛隊の存在との整合性を保ってきた日本政府

憲法制定当初、吉田首相は、「第9条は直接には自衛権を否定していないが、2項が一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も抛棄した」旨答弁

・自衛隊発足前は、「戦力」については限りなく不保持という政府見解だった。

1954年の自衛隊発足にともない、鳩山内閣は、「1項は独立国家に固有の自衛権までも否定する趣旨のものではなく、自衛のための必要最小限度の武力を行使することは認められている」とした。これにより、第2項が保持を禁止する「戦力」は、「近代戦争遂行能力」から「自衛のための必要最小限度を超える実力」に変更され、この政府統一見解の内容は、現在に至るまで維持されている。

・自衛隊を「自衛のための必要最小限度の武力」と表現する事で、憲法9条でいう「戦力」にはあたらないと解釈するのが今の政府見解。

・しかし、この解釈に関しても、自衛隊という存在を認めるために、多少無理のある説明をしているだけなのではないかという意見もある。

自衛隊を「自衛のための必要最小限度の武力」と現在では解釈している。そして今度は「集団的自衛権の行使」の解釈が議論になっている。

憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています。

・防衛省による現在の「集団的自衛権の行使」に関する見解。政府見解においても、自衛隊は合憲としても集団的自衛権は憲法違反とする見解だった。

現状の政府の見解は「非武装地域への海外派遣は、集団的自衛権に当たらない」とし、イラク派遣やPKOへ自衛隊を出している。
逆に、反対派は「非武装地域であろうと武器をもって海外に行くのは海外派兵にあたる。自衛隊は専守防衛のみに専念すべきだ」と述べている。

・しかし、湾岸戦争以後の自衛隊の海外派遣(PKO活動など)では、憲法で「禁じている」集団的自衛権の行使にはあたらないとの見解。ただし、この政府見解に対しては批判的な人も少なくない。

2006年に首相に就任した安倍氏はこれを「片務的」であるとして、対等な日米関係構築のために日本も集団的自衛権の行使を行えるようにすべきと提起した。

・しかし、安倍首相が最初に首相に就任したとき(第一次安倍内閣)のときには、今度は集団的自衛権の行使を行えるように問題提起した。

集団的自衛権の行使のために、またも「解釈改憲」か、それとも本当の「改憲」を行うのか

しかし実際に行使できるようにするには、憲法解釈で集団的自衛権の行使を認めた上で条約を締結もしくは改正し、行使する国や条件について別途定める必要がある。

・実際に集団的自衛権を日本が行使するためには、憲法解釈の中で集団的自衛権を認めなければならないと説明されている文章。この説明どおりなら、自衛隊の存在を解釈改憲で認めたときと同じく、集団的自衛権の行使も解釈改憲によって認める形になる。

憲法解釈の変更を重ねて自衛隊の任務をずるずる拡大した場合、かえって国内外の憲法への不信感を増長させる

・自民党の憲法改定草案を起草した中谷元・起草委員長の説明。この考えなら、自衛隊の存在を解釈改憲で認めたときとは違い、集団的自衛権を認めるなら改憲を行うべきとの立場に立つのだろう。

「憲法9条をどう読んでも集団的自衛権の行使を認める解釈は出てこない。必要があるなら憲法改正の議論をする方が筋だ」

・公明党の幹部の発言の中では、憲法9条は集団的自衛権の行使を認めると解釈できないものとして、解釈改憲ではなく憲法改正を議論するのが筋とした。この考えなら、自民党草案と同様、自衛隊の存在を解釈改憲で認めたときとは違い、集団的自衛権を認めるなら改憲を行うべきとの立場に立つのだろう。

「改憲」も「解釈改憲」も行わず、集団的自衛権は認めるべきではないとの意見も根強い

9条は強大な同盟国・米国からの過大な要請をかわす盾の役割を果たしてきた。それがなくなった時、米国の政策に際限なく振り回される恐れはないか。

・改憲による集団的自衛権は行うべきではないとの立場からの意見。

行使を容認するような憲法解釈の変更は「(歯止めを)とっぱらって実際に海外で武力の行使ができるようにすること。これまで自衛隊が海外で外国人を殺していませんし、自衛隊員の戦死者を出していません。こういう歴史を変えてしまうことを許していいのかが問われている」と強調しました。

・文字通りの改憲に対する反対だけでなく、解釈改憲による集団的自衛権は行うべきではないとの立場からの意見。集団的自衛権の行使ということになれば、日本の国の防衛ではなく同盟国の戦争に関与することになるとの懸念もある。

おわりに

・自衛隊の存在と憲法との関係も苦しい説明で解釈改憲を繰り返してきた歴史がある。自衛隊の存在すら、憲法の平和主義との整合性を説明付ける事が容易では無い中、集団的自衛権の行使を解釈改憲で認めることはもっと難しいし、だからと言って9条を安易に変えることは平和主義の理念を損ねるという懸念もあることは事実です。

・今回、最高裁判事の「集団的自衛権の行使の容認は難しい」との見解をきっかけに、憲法について(様々な意見がありますが)国民一人ひとりが改めて考えてみることも大切なのではないでしょうか。

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このまとめへのコメント1

  • y_hさん|2013.08.22

    一判事の意見が最高裁の意見でないことは明白。

    いざとなれば、「政府の裁量の範囲である。選挙によって選ばれた政府なのだから、裁判所の判断より優先する」という判決になるのは見えている。
    政府の正当性を揺るがす一票の格差問題すら、選挙無効判決が出ないのだから、憲法違反など問題になるはずもない。

    ただ単に、「憲法9条をなくしましょう。憲法を国民主権から、世襲議員主権に変更しましょう。民主主義では日本は韓国や中国になめられる。戦前のような軍事弾圧国家としての日本を取り戻しましょう」と言いたいだけだろう。

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