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イプシロンロケット、中止の原因は情報伝達0.07秒のずれ。リハーサルではどうだったの?

先日、打ち上げを中止したイプシロンロケット、8月30日にはJAXAの記者会見もあり原因が明らかになってきました。また、天候にも左右されるリハーサルの難しさも浮き彫りに。

更新日: 2013年09月02日

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下村博文文部科学相は30日の閣議後の記者会見で、新型ロケット「イプシロン」の打ち上げが中止されたのは、ロケットに搭載されたコンピューターの情報が地上管制設備に届くまでに、約0・07秒の時間差が生じたことが原因との見解を示した。

下村文部科学相の会見と同日午後、JAXAによる記者会見が行われました

8月27日の打ち上げ中止の経緯をふりかえってみましょう

打上げ20秒前に地上装置(LCS【注】)からの信号でロケットの搭載計算機(OBC)を起動。
1秒後にOBCがロケットの姿勢計算を開始した。

【注】LCS:イプシロンロケットの点検・打上げを遠隔で操作するための地上設備であり、ロケットの発射点であるM台地から約2km離れた宮原地区のイプシロン管制センター内にある。

地上装置(LCS)がある管制センターはロケットから約2km離れています。

LCSでは打上げ19秒前から姿勢データの監視を開始したが、ロール姿勢異常を検知して自動停止した。

これが8月27日の打ち上げ中止の経緯ですね。

約0.07秒の時間差と言われる、中止の原因は

地上装置による監視が、搭載計算機の姿勢計算開始より約0.07秒早かったため、地上装置が姿勢異常と判定し、自動停止した。

ロケット搭載コンピュータ(OBC)が打ち上げ20秒前に起動しロケットのロール角(機軸周り)姿勢を計算しデータを送信したところ、地上管制センター側の監視装置(LCS)はそれよりも早く姿勢の監視を始めていた。データが得られないためLCSは姿勢異常と判断

水色で書かれた部分を見ると、地上装置からの姿勢監視の方が約0.07秒早かったのが一目瞭然です。

リハーサルではなぜ問題を見つけられなかったのでしょうか

8月20、21日に実施したリハーサルでは、打上げ18秒前までのカウントダウンシーケンスを流してシステム全体の確認を実施したが

8月20日のリハーサル

8月20日に打ち上げリハーサルを行った際にも同様のことが起きていた。しかし、リハーサルでは他の設定ミスが見つかったため、このエラーが起きても打ち上げシーケンスを自動停止しない状態で行っていた

8/20のリハーサルでは、初めてロケットを搭載した状態でランチャ旋回を実施して、姿勢データを取得した。
その結果、地上装置の監視設定値が適切ではないことが判明したため、自動停止項目から除外した。

8月21日のリハーサル

8/21のリハーサルでは、監視設定値を適切に変更したが、天候不良によりランチャ旋回を行わず、カウントダウンシーケンスを模擬した。

天候不良とは、とても悔やまれますね。

リハーサルは打ち上げ本番と同一とはいかなかったようですが

リハーサル終了後に、取得データの評価により監視設定値の妥当性を確認したが、約0.07秒の微小なずれまでには思いが至らなかった。

検証はもちろん行なっていましたが、やはり実際に「動かしてみる」には敵わなかったようですね。

リハーサル段階でエラーを洗い出して対応できなかったことについて、森田プロジェクトマネージャは「計算機の時間のずれに配慮できていなかった。深く反省したい」としている。

中の皆さんは本当に大変なようです。

打ち上げ再挑戦については

今回の不具合は地上側コンピューターのプログラムの微修正で解決可能

JAXAは他部門の専門家を交えた十数人による検証チームを作り、他に問題がないか徹底的に調べる。

新たな打ち上げ日については、森田プロジェクトマネージャは9月30日までのウインドウ内に打ち上げたいとしたものの、総点検に要する日程もありまだ決定できない

9月30日までのウインドウ内って?

打上げウィンドウ(英: Launch window)は宇宙飛行において使われる用語

ある特定の打ち上げ機(ロケット、スペースシャトル等)が打ち上げられなければならない時間帯、もしくはその時間帯が存在する期間を指す。

仮にロケットが何らかの理由でこの時間帯に打ち上げられなければ、次のウィンドウを待たなくてはならない

9月30日を過ぎると、打ち上げがさらに先になる可能性も。焦りはあると思いますが、総点検も慎重に行なっていただきたいと祈るしかありませんね。

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