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飛び交う怒号。アザラシをめぐる北海道と環境省の対立が激化

北海道襟裳岬では今年初の秋サケ漁が始まったが・・・

更新日: 2018年09月03日

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INFO-RAVENさん

襟裳岬周辺のゼニガタアザラシによる漁業被害について、道議会環境生活、水産林務両委員会が合同で9月5日、えりも町のえりも岬漁港で現地調査を実施

ゼニガタアザラシとは

日本に定住する唯一のアザラシであり北海道東部の襟裳岬や大黒島・歯舞群島等に生息する

名前の由来は、黒地に白い穴あき銭のような斑紋を持つことから。

個体数の減少

1940年の日本でのゼニガタアザラシの生息数は大まかな推定で1500~4800頭であったとされている

出典『ゼニガタアザラシの生態と保護』

1970年代から1980年代にかけての生息数は約350頭と推定され、大きく減少した

出典『ゼニガタアザラシの生態と保護』

その原因は、乱獲、アザラシの上陸場の消滅、漁船や調査船による上陸の妨害、漁業の定置網に迷い込むことによる混獲、コンブ漁場確保のための岩礁爆破作業などが背景にあるという指摘がある。

環境庁(当時)が1991年に発行した『日本の絶滅のおそれのある野生生物』では危急種に指定され、1998年のレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定された

個体数の回復

2000年代になると個体数は増加傾向をみせ、2004年には約900頭の生息が確認されるようになった

出典『アザラシ類保護管理報告書』

アザラシ猟は1990年代前半以降行われておらず、岩礁爆破も作業自体が危険であるため実施されなくなった。

国際自然保護連合のレッドリストでは、ゼニガタアザラシは軽度懸念 (Least Concern)と評価されている。

「軽度懸念」とは、絶滅のおそれもなく、近い将来絶滅に瀕する見込みが低いという評価のこと。

漁業被害に頭を悩ます地元

食害は約30年前、目立つほどでなかったが、昨年の被害は前年比34%増の3900万円だった

「実際の被害はもっと大きい。アザラシがいると網に入るサケは減る。タコやアイナメも食べられている」と漁師は言う。

アザラシが魚の体の一部を食べることを地元では「トッカリ(アイヌ語でアザラシ)食い」と呼び、昔から悩みの種だった

出典毎日jp ゼニガタアザラシ:深刻な漁業被害、希少鳥獣捕獲へ−−北海道・えりも

網のサケがほぼ壊滅状態という場合も珍しくない。

当然、売り物にはならない。

個体数管理へ動き出す

環境省は昨年4月、専門家や地元関係者を集めて保護管理検討会を設置

出典毎日jp 希少アザラシ:捕獲か保護か、環境省が方針一転 北海道

2年にわたり年40頭を上限に試験捕獲し、今年度末にも一定の頭数を保ちながら捕獲する「保護管理計画」の策定を目指して動き出した

出典毎日jp 希少アザラシ:捕獲か保護か、環境省が方針一転 北海道

突然の「方針一転」

ところが12月に就任した石原環境相は、捕殺実施を目前にした今年5月上旬に“待った”をかけた

方針転換に地元の漁業者らは反発。5月14日に開かれた環境省の説明会では、「話が違うじゃないか」「我々の生活はどうなるのか」など怒号が飛び交った

皆で積み上げてきた取り組みがたった一人の人間によってつぶされ、地元の怒りは爆発。

駆除の代わりに

捕殺の代替策として環境省はアザラシが嫌う音波を発する装置を網に仕掛ける

東京農業大学の小林万里准教授(海生哺乳類学)は「アザラシは音波が苦手だが、いずれ体が傷付けられることはない、つまり死ぬことはないと学習する。被害の範囲は個体数の増加とともに広がっている。漁師とアザラシが共存するには、捕殺を実施して個体数を管理する必要がある」と指摘する。

環境省は2014年度予算の概算要求で、ゼニガタアザラシによる北海道・襟裳岬沖の漁業被害を防ぐため、生息調査や対策に約5000万円を計上した

音波の発生装置など効果が疑問視されている対策に税金が使われることに・・・

環境保全に積極的な襟裳岬の人々

襟裳岬の人々は決して「駆除」だけしか頭にないわけではない。

かつて「えりも砂漠」と呼ばれていた襟裳岬国有林でしたが、地域一体で緑化が進められ、緑化面積の増加とともに、地域の漁獲高も飛躍的に増大している

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