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「やられたら倍返しだ」――。

今週末のテレビ界一番の話題は、22日(2013年9月)放送のTBS系ドラマ「半沢直樹」(よる9時)の最終話の視聴率がどのくらいになるかだろう。スタートから1度も下げることなく上昇し続け、15日放送は35・9%を記録した。最終話は25分拡大スペシャルで、半沢(堺雅人)と大和田暁(香川照之)の対決がヤマ場を迎える。視聴率がさらに急上昇するのは必至だ。

その理由こそ、冒頭の決めセリフを言う主人公・半沢直樹という男。大手銀行の優良支店の融資課長という、いわゆる「中間管理職」。出世争いや企業の論理に振り回されながらも、銀行のトップである「頭取」を目指す。このドラマでは、ひとりのバンカー(銀行員)の痛快な生き様が話題となっている。

平均視聴率15%を目指していた

監督にあたる福澤克雄氏が視聴率について語ります。

まったくの「想定外」でした。びっくりしています。僕らは最終回で20%を取ろうとしていたのです。「半沢直樹」は、これまでのドラマ界の常識で考えると、登場人物に女性が少なく、わかりやすく視聴率を取れるキャラクターもおらず、恋愛もないという「ないないづくし」。それに銀行という“男”の世界が舞台です。セオリーどおりなら、ドラマのメインターゲットと言われる女性は「見ない」ということになりますよね。

マーケティングというものはアテにならない

当初は、12~13%から初めて、徐々に視聴率を上げて、最終回で20%。プロデューサーと「平均15%取りましょう!」と誓い合っていたくらいです。でも、いざ、フタを開けてみたら、女性が見ていた。テレビの常識がいかに適当だったか、マーケティングというものがいかにアテにならないか、ということでしょう。これまでの「●●がないから視聴者は見ない」という常識は、逆に言えば、「これだったら食いつくだろう」と視聴者に対してある種の「上から目線」じゃないですか。刑事物がヒットしたら、皆、刑事モノに殺到しているでしょう。

自分が面白いと思うものを-----

最初から“常識外れ”のドラマだったから、原作を書いた池井戸潤先生との最初の打ち合わせのときも「一生懸命作りますけど、たぶん当たらないですよ」と言っていたくらいです(笑)。ただ、僕はこのドラマを通して、半沢直樹という人間の生き方や面白さを描きたかった。半沢の人生はテレビにいちばん合っている「成り上がり」の物語。自分たちで本当に面白いと思った原作だったので、まだ書かれていない「半沢が頭取になるまで僕にやらせてください」と池井戸先生にお願いもしました(笑)。

高視聴率の要因は原作の面白さx堺雅人!?

(高視聴率の要因は?)
それは2つあります。ひとつは、原作の面白さです。もうひとつは半沢直樹を演じる堺雅人さんの演技です。これらがいい形で化学反応を起こしたのだと思います。

僕は池井戸先生の本を、直木賞を受賞した『下町ロケット』や吉川英治文学新人賞を受賞した『鉄の骨』などを含め、デビュー作からすべて読みました。ただ実は最後までこのドラマの原作である『オレたちバブル入行組』や『オレたち花のバブル組』は読めなかった。バブル入社の話で「昔はよかったぜ」という話ではないか、と勝手に思い込んでいて、あまりいいイメージがなかった。でも、実際に読んでみると、このシリーズがいちばん面白い(笑)。

「半沢直樹」は現代の「用心棒」?

とにかく余計な話を入れずに、ストレートに話がどんどん進んでいく。この作品に、昔の日本映画が持っていた「パワー」を感じたのです。だから、僕は今回のドラマ化にあたって、黒澤明監督の映画『用心棒』(1961年公開)のような作品にしたかったのです。僕の中では、「半沢直樹」は「現代版用心棒」です。
『用心棒』はテーマがなくて、とにかく「活劇」。用心棒が村にやってきて、一見して悪者がわかる村人に対し、はちゃめちゃやって、物事に片をつけて去って行く。この作品が面白くて、何回も見ながら、こういうドラマにしたいと。だから、ドラマを豪華に見せようとか、恋愛を入れようとか家族愛を描こうといった、サイドストーリーを入れることはせず、原作のように次々とテンポよく話が進むようにしました。

監督から見た「半沢直樹」の魅力とは-----

半沢直樹の魅力は、自分の信念を曲げないこと。そのくせ、「やられたらやり返す」というわりに、「悪かった」と言えば許してしまう。謝ってきた人は許す、結構“いいやつ”です。ただ、ひどいことをしてきたのに、謝らず、我を通してくるやつには“とことん”徹底的にやる。池井戸先生も頭取になるまで書くとおっしゃっているので、今から楽しみでしょうがないですね。
これまでのドラマでは、これという、似たような作品を思い出せませんが、個人的にはやはり映画『用心棒』ですかね。

高視聴率で出てきたふたつのライバルとは!?

最終話は25分拡大スペシャルで、半沢(堺雅人)と大和田暁(香川照之)の対決がヤマ場を迎える。視聴率がさらに急上昇するのは必至だ。
「『家政婦のミタ』(2011年日本テレビ系)の最終話40%を抜くのはほぼ間違いない。ミタは最終話で12%近く跳ね上がったから、それでいけば半沢はあと数%アップは間違いないんじゃないかな」(民放テレビドラマプロデューサー)
これまでで、民放連続ドラマで最も視聴率が高かったのは1983年放送のTBS系「積木くずし 親と子の200日戦争」最終話の45・3%だ。半沢がこの記録を破るには10%近い上乗せが必要だが、狙っちゃどうか。20年ぶりの記録更新である。

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