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【箱根駅伝 学連選抜】寄せ集めが「チーム」になれた!4位で終えた2008年 青学・原監督の作戦が凄い

箱根駅伝の「関東学連選抜」 タイムでは強いはずが下位に沈む年が多い中、過去に4位という好成績を残した学連選抜「チーム」がいた。青山学院大学・原監督のもと、彼らはいかにして寄せ集めから「チーム」に変わり、結果を出せたのか。示唆に富むエピソードをまとめました。

更新日: 2018年10月21日

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checimanaさん

【関東学連選抜とは】
毎年1月2日と3日に行われる箱根駅伝に出場する選抜チームで、予選会で敗れた大学から優秀なタイムの選手たちを選んで構成する、いわば「寄せ集めチーム」。
学連選抜の監督は、予選会で落選した大学のうち最上位の大学の監督が務めるのが通常。

速い選手が集まって走るのだから、学連選抜が上位でゴールしてもよいはず…しかし実際はほぼ毎年2ケタ順位に終わってしまう

79回(2003) 16位相当(オープン参加扱い)
80回(2004) 日本学連選抜で6位相当
81回(2005) 18位相当
82回(2006) 19位相当
83回(2007) 20位(この年から正式参加扱いに)
84回(2008) 4位
85回(2009) 9位
86回(2010) 16位
87回(2011) 18位
88回(2012) 17位
89回(2013) 13位

どの年の選手も頑張っているハズなのです

学連選抜の最高順位は2008年(84回大会)の4位 この年は何が違ったのか?

【監督】青山学院大・原監督
【コーチ】明治大・西監督
【主将】拓殖大・久野(4区にエントリー)

【1区】国学院大・山口(4年)
【2区】明治大・東野(3年)
【3区】明治大・石川(2年)
【4区】拓殖大・久野(4年)
【5区】上武大・福山(2年)
【6区】平成国際大・佐藤(3年)
【7区】国学院大・川邉(3年)
【8区】関東学院大・井村(4年)
【9区】立教大・中村(3年)
【10区】青山学院大・横田(4年)
【補欠】
松蔭大・鈴木(2年)
麗澤大・佐々木(2年)
青学大・先崎(3年)
平成大・藤原(4年)
慶応大・金森(4年)
拓殖大・桶本(4年)

計11大学・16名で構成

個人の戦力には恵まれている しかし…

メンバー16人の1万メートルの平均タイムは29分15秒48で、箱根出場の全20チーム中8位。1万メートル28分台の記録を持つ選手が3人。

過去に箱根駅伝を走った出場経験者が6人いる。

国学院大・山口、明治大・東野と石川、拓殖大・久野、平成国際大・佐藤と藤原の6人

〈レース前の評判〉戦力は過去最強。 しかし、毎年言われているように結束力が課題。

「強い、強い」と毎年言われながら、学連選抜が選手個人の高い実力を結果(=順位)に結びつけられていないのもまた事実。

前年2007年大会からは 学連選抜が総合で10位以内に入れば、翌年の予選会からの本選出場校が1枠増えるシステムになった。つまり母校にチャンスが増えるのだ。

選抜メンバー決定から箱根の本番まで たったの2ヶ月

選抜から駅伝本番までは約2ヶ月と短く、合同練習などの回数も2,3回程度。
練習も各自にお任せとなりがちで、監督も選手の様子を把握しづらいのがネック。

今回指揮を執る 青山学院大学・原監督:
「全員が力を出し切れば、例年のように下位に低迷するはずはないのです。では何が足りないのかと言えば、やはりチームとしての結束力、つまりはチームワークだと考えました。」

原監督と選手たちは いかにして寄せ集め集団を「チーム」にしたのか?

▼指揮官・原監督は レースの目標を「選手たちに決めさせた」

諸君は 記念のお祭り気分で走るのか?
それとも 自分の母校と同じ気持ちで走るのか?

原監督は、選手がアスリートとしてだけでなく
人間として 社会人として成長することを見据えて
「人間力」「考える力」を重視する指導者として知られている。

原監督:まず第1回目の練習会で選手それぞれに「君たちはどういう気持ちで出るのか」と尋ねてみました。「お祭りで出るのか、勝負していくのか、シードを取るのか、優勝を狙うのか」と、どこなのか確認することから始めました。

▼選手たちは自ら目標「3位」を決定 その目的が選手をつなげた

16人のメンバーをランダムに2つに分けてミーティングを重ね、意思疎通を図った。
11月下旬ではAグループが総合3位、Bグループがシード権獲得というバラバラの目標だったが、「全員の連絡先を交換して、積極的にコミュニケーションをとった」結果、最後は「総合3位」と統一した目標を掲げるまで結束力は高まった。

出典u-note.me

「3位」という目標の統一までに時間を掛けていることからも、最初はレース本番に対する選手たちの意識も様々であり、だからこそ安易な気持ちで掲げた統一目標ではないであろうことが伺える。

かけた時間の分だけチームとしての基礎が固まったのかも知れない。

チームの結束力を高めるために、選手たちで選抜チームのチーム名を決めたそうです。その名も「J・K・H SMART」

アルファベットは11の大学の頭文字を表すだけでなく、K(関東)H(箱根)からJ(日本)を目指すかっこいい(smart)ランナーになろうという意味が込められているそう。

原監督:合同練習の日は走ることよりも、選手間のコミュニケーションを図るためのミーティングに多くの時間を割きました。

(取材での)話や合宿を通して一番に感じたことは、「チームの雰囲気が良く、まとまっている」ということです。

練習後のダウン中や食事のときなど、主将の久野選手(拓大主将)を中心に選手同士が積極的にコミュニケーションを取り合い、和気藹々とした様子が見られました。

▼選手たちはチームの和を作りながら、箱根への「緊張感」もしっかり保っていた

選抜メンバー 合同練習の様子

自己ベストタイムを交換し、ライバルを作って切磋琢磨

どの選手も自分の大学で出場できなかった分、学連選抜での経験を大学のチームに持ち帰り 次のチャンスに活かすことを考えている。

(拓殖大・久野について)「ここまで育ててもらったのは川内勝弘監督(拓大)のおかげ。箱根でいい走りをして恩返しをしたい」と、母校で出場するのと同じモチベーションを保っている。

4年生の久野は 1年生から母校拓殖大学で箱根に出場し、8区を担当。それ以降 母校は予選敗退しており、久野は2年連続の学連選抜出場となった。
前年はたった1秒差で母校が本戦を逃す悔しさも。

母校の襷と選抜の襷の両方を知り、人望も厚いという彼が担った今回の学連選抜主将は、実に適任だっただろう。

「良い走りをして、川内監督(拓殖大)の練習方法をすれば結果が出てくることを後輩に証明したい」とも語っている。

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