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なぜ駆除するのか? 麻酔銃で野生動物を捕獲できない理由

熊などの野生動物が人里や市街地に出没して、最終的に殺されてしまうニュースがたびたび聞かれます。そのたびに「麻酔銃で捕まえて、山に放せばいいのに・・・」と考える人は多いです。では、なぜそうしないのでしょうか。

更新日: 2015年03月18日

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INFO-RAVENさん

「駆除ではなく、麻酔を」 意見、続々

迷って出てきたクマを射殺駆除したと報道されていました。動物愛護の観点から、麻酔を施し生息地に連れて行くなどの方法は取れなかったのでしょうか

射殺で済ませてしまう今のやり方をやめてほしいということです。なぜ、麻酔銃を使って、山へ返すというやり方ができないのですか?

市街地などに出没した野生動物が駆除されるたびに、都道府県や市町村といった行政には、こうした意見が毎回寄せられています。

麻酔銃とはそもそも何か

エアーガンのようなもので、銃口から飛び出すのは弾丸ではなく特殊な注射器

火薬式の麻酔銃も存在しますが、現在使用されている麻酔銃のほとんどはガス式です。

一見すると、とても便利な道具に見えますが、実は多くの問題を抱えています。

法律が厳しい

麻酔銃は「銃砲刀剣類所持等取締法」の規制対象で、銃砲所持許可が必要

出典『野生動物管理 理論と技術』

麻酔銃で使用される「ケタミン」は、麻薬及び向精神薬取締法に基づく規則により『麻薬』に指定されている

誰でも扱えるものではなく、麻薬研究者許可が必要になります。

経験者は限られる

野生動物を麻酔銃で捕獲した経験のある獣医師は、日本国内でわずかしかいない

出典『動物たちの反乱: 増えすぎるシカ、人里へ出るクマ』

麻酔銃を撃てる人材もそう多くはないし、地域によってはすぐに使える麻酔銃がその場にないということも・・・

たいていの獣医師はペットや飼育動物を撃った経験しかありません。人材を養成しようにもお金も時間もかかります。

値段が高い

麻酔銃用の弾丸と麻酔薬は高く、一発3000円程度

国内の銃砲店で狩猟に使用される普通の装弾を買うと一発 100円前後し、麻酔薬と比べてはるかに安く済みます。

撃つのも一苦労

麻酔銃の射程は15m~40m

出典『野生動物管理 理論と技術』

実際は風向きや地形によって、射程がもっと短くなることもある。

麻酔銃は射程が短く、すぐ近くまで近付かねばならないので、危険性が高い動物が興奮しているような時にはなかなか使いづらい

特に野生動物に麻酔する場合、人の接近自体がその個体にとって大きなストレスになる

特に大型の動物に近づくのは難しい。

効果は鈍い

麻酔銃の弾が当たったら、動物はすぐにバッタリ倒れると思っている人が多いのですが、麻酔薬は効くまで時には10分以上もかかります

当たり所によっては全く効果がないことも。

漫画やTVゲームのように「撃たれたらすぐ眠ってしまう」ということは現実ではありえません。

まわりにとって危険

撃たれると驚いて走ってしまうため、眠るまでの間、もうろうとした動物が市街地をうろつく状態は非常に危険です

場合によっては追いかけられることもあります。

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