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リンガーハット 深夜料金のナゾはなぞ

リンガーハットは深夜営業していてありがたいのだが、「22時からは深夜料金が加算される」問題ははたして問題と言えるのか?

更新日: 2013年10月28日

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july701さん

ちゃんぽんリンガーハット、深夜料金なぜかかる?「22時以降」は入店時?直接聞いてみた

この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は人気放送作家の林賢一氏が、大手外食チェーン・リンガーハットの深夜割増料金に関する疑問について迫ります。

【今回ご回答いただいた企業】
 長崎ちゃんぽんリンガーハット お客様相談室
 
 その地方でしか食べられない名産というのがある。

 例えば、私は中学・高校時代を栃木県・宇都宮市で過ごしたので、餃子にはうるさいほうだと思う。よって、宇都宮以外で販売される餃子は認めない。

 とはいえ、宇都宮駅前に並んでいる、いわゆる観光客用の餃子屋も認めていない。というのも、宇都宮で「餃子を食う」といえば、「近所の餃子屋で買って自宅で食う」ことであり、大半の宇都宮人はそうやって餃子を消費しており、「餃子屋で餃子を食べる」ということはあまりない。これは実感として感じることである。その証拠に、宇都宮郊外の餃子屋はあまり座席数が多くない。テイクアウトのお客が多いからである。

よって、東京にある餃子屋には、ほとんど足を向けない。もちろん東京にだって美味しい餃子屋はたくさんあると思うが、そこには「テイクアウト餃子を家で食べる」という宇都宮独特の餃子アウラが感じられないのだ。仕方ない。

 長崎県出身の女の子にそんな話をした後、「長崎ちゃんぽんもそんな感じで、東京にある長崎ちゃんぽんのお店は認められないでしょ?」と聞くと、即答で答えが返ってきた。

 「リンガーハット、超美味しいじゃん」

 え!? なにやら餃子を一丁前に語った自分が恥ずかしくなってしまった。地元の人が言うんだから間違いない。普通に美味しいんだろうなぁ。そしてその子は、こう続けた。

「リンガーハット、地元のちゃんぽんより美味しいよ」

 まさかの本家越えである。リンガーハットすごいな……。

 その子の偏見があるにせよ、そこまで断言するからには、バリバリの全国チェーンであるリンガーハットの長崎ちゃんぽんは、かなり忠実に地元のアウラをまとっているに違いない。

 それ以来、正直、チェーン店だと馬鹿にしていたリンガーハットにちょくちょく足を運ぶようになった。味については個人差があるだろうから省略するとして、それとは別に気になったことが。

 リンガーハットは深夜営業していてありがたいのだが、「22時からは深夜料金が加算される」問題である。

なんでリンガーハットだけが深夜料金を取るんだろう? 例えば、コンビニエンスストアは、22時以降も値段は変わらない。22時以降に値段が変わるラーメン屋なんて知らないし、牛丼屋も24時間値段は一緒である。一方、ファミレス。ここだけは22時以降にサービス料を少し取られている気がする。

 ざっと思いつく深夜営業を挙げてみたが、深夜料金を取るのはファミレスくらいだろう。なぜだかファミレスの深夜サービス料には納得感があるが(昔からの慣習だからだろうか)、リンガーハットの深夜料金には違和感を覚えるのは私だけだろうか? うーん気になる。

 そこで、長崎ちゃんぽんリンガーハット お客様相談室に直接聞いてみた。

「なんで22時以降は深夜料金がかかるんですか?」

担当者 誠に申し訳ございません。こちらの深夜料金につきましては、やはりお家賃ですとか、あとは労働基準法によりまして従業員などのお給料についても金額が深夜料金になりますので、誠に申し訳ございませんが、お客様にご負担いただいています。申し訳ございません。

--深夜料金は、どれくらいかかるのですか?

担当者 はい、申し訳ございません。お食事をなさった分のお会計から10%いただいております。

--そうなんですか。例えば、ラーメンチェーン店などでは深夜料金はかからないのに、なぜリンガーハットだけがかかるのでしょうか?

担当者 申し訳ございません。ええ、左様でございますね……。他のお店様ではないところもあるかと思うんですが、申し訳ございません……。夜10時以降は時間給の設定の違いがございまして、社内で検討させていただいた結果、特別な時間帯として取らせていただいているかたちになっております。申し訳ございません。

--以前から深夜料金は加算していたのでしょうか?

担当者 左様でございますね。申し訳ございません。

--「夜10時以降」の基準は、お店に入った時間が10時以降の場合ですか?

担当者 申し訳ございません。ご注文いただく時間帯でございまして、夜10時以降にご注文された商品に関しまして、加算させていただいております。

--例えば、夜10時以降に追加で料理を注文した場合、それだけに加算されるということですか?

担当者 申し訳ございません、左様でございます。

--1分でも過ぎたらアウトなのでしょうか?


担当者 申し訳ございません、何卒、ご了承お願いします……。

 担当の方は終始申し訳なさそうに「申し訳ございません」を連発。この短いやりとりの中に11回もの「申し訳ございません」を織り交ぜてきた。やるな。この「申し訳ございません」連発戦法はかなり有効で、こんなことを聞いてしまったこっちが申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。

 とはいえ、やはり家賃や従業員の給料の問題は完全にお店側の問題であり、納得はいかないが、いかんせんあれだけ「申し訳ございません」で押されると気持ちだって萎える。
 
 というわけで結論。

 この度は変なことを聞いてしまい、申し訳ございませんでした!
(文=酒平民 林賢一/放送作家・脚本)

・林賢一(はやし けんいち)
1979年、五反田生まれ。放送作家・脚本。学生時代から古舘プロジェクトで修業。
映画監督・入江悠と仲間たちが映画を愛する人々へ贈るメルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「新作映画のカット数を数える」という無謀な連載中。是非ご一読を。

ファミレスでの深夜料金について

ファミレスで22時以降に食事をすると10%の深夜料金が加算されます。一般的に「常識」とも言われるこの慣習ですが、理由や実施店舗など意外と曖昧なところがあります。今回は、深夜料金について幾つか解説していきたいと思います。

1.深夜料金は何故存在するのか(建前)
深夜料金を取る理由として一般的に挙げられるのは「労働基準法37条により22時以降に勤務する従業員に対しては25%の割増賃金を支払う必要がある」というものです。

深夜営業をすると従業員に対する賃金が割増になり、人件費が増加します。そのコストを深夜料金としてお客さんに負担してもらうというのが理由です。

しかし、労働基準法はあくまでも従業員に対する賃金の話であり、それを価格に転嫁するかはお店の方針次第。現に、後述のとおり深夜料金を取らないお店はあります。

また、深夜はお客さんが少ないため、人員を減らすことで人件費を抑えることも可能なはずです。

2.深夜料金は何故存在するのか(本音)
深夜料金を取る本当の理由が公に語られているソースが少ないため推測になりますが、理由は幾つかあると思います。

一番の理由は「ライバルとなる店舗や業態が少ない」ためです。
お客の立場として考えてみればわかると思いますが、夜遅くなったときに

 ●「お腹が空いたので食事したい」
 ●「友人と一緒にいてゆったり語る場所はどこか無いかな」
 ●「食材を買い忘れてスーパーも閉まっていて自炊できない」

という状況に陥ることは結構あると思います。夕方とは違って深夜時間帯にこのニーズを満たしてくれるお店というのは少ないものです。そのため、多少価格が高いとしても選択肢が少ないという状況であれば利用してしまうものです。

そこを狙ってお店は価格を上げてくる、これが深夜料金の狙いです。
「深夜にも関わらずサービスを提供する」という付加価値、とも言えます。

また、深夜というのはどうしてもお客さんが少ないため、日中と同じ価格帯で同じサービスを提供すると採算が取れなくなります。客単価を上げることにより売り上げ額を日中と同じにしたいというのも理由の一つです。

そして、深夜時間帯というのは「裕福」「金銭にこだわらない」「酒が入って判断が鈍っている」タイプのお客が多いため、深夜料金が受け入れられやすいというのもあると思います。

3.すべてのお店で実施しているのか
深夜料金というのはすべての業態、すべてのお店で実施されているものではありません。当たり前と言ってしまえばそれまでですが、飲食店に限らず記載してみると興味深いものです。

 ●ファミリーレストラン → 10%加算
 ●コンビニエンスストア → なし
 ●ネットカフェ、まんが喫茶 → なし(ナイトパックなど割引あり)
 ●牛丼チェーン店 → なし
 ●ファストフード → なし
 ●居酒屋 → 店によって10%加算、チャージなど有
 ●タクシー → 20~30%加算
 ●高速道路 → ETC割引あり

また、上に記載したものは一般的なもので、例えばファミリーレストラン「ジョイフル」では深夜料金を取らないことで有名です。

こうして見てみると、業態により事情が異なるとはいえ「深夜に料金を加算する」というのは企業の方針次第と言えます。「割引により客を呼び込む」「割増により客単価を上げる」のいずれかを選択する、企業戦略と言ってもいいかもしれません。

4.誰でも知っている常識なのか
一般的には「常識」なのかもしれませんが、大手を振って「常識」とせずに気付かれないよう価格を上乗せしている節があります。

インターネットでファミレスのメニューブックを見るとわかりますが、10%加算の旨が記載されていないファミレスも多いです。店頭のみに記載しているのでしょう。最大手のすかいらーく系列でも店舗によって掲載有無が分かれています。

そして、Wikipediaの「ファミリーレストラン」の項目には深夜料金の記載がありません。

また、ファミレスだけでなく居酒屋でも深夜料金を取るお店があるのは意外と知られていない事実かもしれません。

店舗に立ち寄って「深夜料金が取られている」とレシートを見て初めて知った人も少なくないはずです。

5.外食産業の今後
1970年代のオイルショックによる雇用の受け皿として店舗数を増やして成長したファミリーレストランですが、このような外食産業は1997年をピークに売上高が減少しているというデータがあります。

それに対して成長しているのは、店舗で購入して家で食べる「中食産業」。2000年の大店法(大規模小売店舗立地法)改定に伴って大手スーパーの商店街参入、深夜営業も容易になったことで「深夜料金もなく食事ができる環境」が整ってきたことで、外食産業はさらなるピンチを迎えたと言ってもいいでしょう。

ライバル店が多くなればなるほど価格競争になるもので、競合する業態の増えた深夜時間帯に価格を吊り上げる「深夜料金」は見直される時期に来ているのかもしれません。

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