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ハートを撃ち抜く日本人アートデザイン!【Takahiro Hida / hi-dutch】まとめ

独自の視覚表現を求め、平面、映像、立体など様々な表現に対し、色々な立場で製作に関わる活動を続けている。パーソナルな作品としては近年、サーフボードリペアの技術と視覚表現を合わせた、木材、毛糸、FRP樹脂を使った作品を精力的に発表を続ける

更新日: 2013年11月07日

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face1000さん

Takahiro Hida / hi-dutch

独自の視覚表現を求め、平面、映像、立体など様々な表現に対し、色々な立場で製作に関わる活動を続けている

物づくりを始めるようになったのはいつ頃からですか?

hi-dutch:小さい頃から絵は描いていました。でも、だんだん絵よりも体を動かすことのほうが面白くなってきて、しばらく絵は描いていなかったんです。20代の頃は、サーフショップで働いていたんですけど、自分がこれから先やりたいことなどを真剣に考えるようになり、27歳のときにお店をやめたんですね。そしてまず、自分ができることからやってみようと思い、サーフボードのリペアの仕事を始めました。ちょうどその頃から、自分でイラストなどを描き留めるようになっていきました。サーフショップで働いていた頃から、お店のディスプレイやTシャツのグラフィックなどは少しだけやることもあったのですが、本格的に作品を作るようになったのは、お店を辞めて独立してからですね。

その頃はどんな作品を作っていたのですか?

hi-dutch:手描きやコラージュしたものを、コピー機にかけてプリントアウトした作品などを、完全にアナログな手法で作っていました。そういうことをやっているうちに、デザインやアートに興味を持ち始めるようになったのが、今の活動につながるきっかけです。

それまではデザインやアートにはあまり興味を持っていなかったのですか?

hi-dutch:10代の頃からサーフィンやスノーボード、スケートボードなどのストリートカルチャーが大好きだったので、それに関連するビジュアル表現などは自然に自分の中に植えつけられていたと思います。ただ、特定のアーティストが好きだったりしたわけでもないし、デザインやアートについて深く掘り下げたことはなかったですね。

作品を作るということだけを考えれば、サーフショップで働きながら取り組むという選択肢もあったように思います。なぜあえて、独立してからそのような物づくりに取り組むようになったのですか?

hi-dutch:なぜそういう方向に向かったのかは自分でも不思議なんですけど、独立して何かをやることで生計を立てていかないといけないんじゃないか、という強迫観念のようなものがあったんだと思います(笑)。安定だけを求めるなら、ショップをやめる必要はなかったと思うんですけど、まずは自分ができることから始めて、それを糸口にしていきたかった。それで、サーフボードのリペアというものを基軸にしようと考えたんです。

「今の自分がやれること」に忠実に向き合い、物づくりに取り組んでいくという姿勢が、常にヒダさんの根底にある気がします。

hi-dutch:そうですね。僕は、まず自分が描きたいものがあって、それを描いていくというタイプではないんです。普段生活をしていかなきゃいけないなかで、表現にも取り組んでいくという姿勢が、自分に染み付いていると思います。もし、10代の頃から本格的に絵を始めていたら、また違う方向に進んでいたかもしれませんが、僕が描き始めたときはもう27歳になっていましたからね。だから当時は、ただ自分の作りたい作品を作っていくということではなく、主にクライアントワークの中で、オーダーに応じて作品を作っていくという方向に活路を見出していこうと考えていました。

これをきっかけに、PUBLIC/IMAGEでもイベントのプロデュースやディレクションなどをするようになったんですよね。

hi-dutch:そうです。「NWBA」ではスポンサーを集めなくてはいけなかったので、そこで企業に協力してもらえる仕組みみたいなものについて、針谷くんとずっと話していて。そういう企画を考えて、企業とものを作っている人たちをつなげて、何かを動かしていくという体験がスゴく面白かったんですね。それから、そういうことに興味を持つようになっていったんです。

そうした活動は、ご自身の物づくりにも何か影響を与えましたか?

hi-dutch:自分が手がけるクライアントワークにおいても、自分で企画書を作って、やりたい仕事を自ら取りに行くようなこともするようになりましたね。そういう部分でも、「NWBA」や「PUBLIC/IMAGE」での経験はスゴく大きかったと思います。あとは、やはり色々なクリエイターの人たちとつながっていくことができたことですね。2005年くらいからサーフィン関連のDVD制作のディレクションなど様々な仕事をするようになるのですが、そのときにも、PUBLIC/IMAGEのつながりで知り合った人に仕事を頼むようなこともありました。

現在はFRP樹脂を素材として用いた作品に取り組んでいますが、この手法に行き着くまでの経緯を教えてください。

hi-dutch:それまでに自分が作っていた平面作品は、結局ストリートカルチャー好きで自然と目にしていた、海外の色々なクリエイターなどの影響を強く受けたものだったんですね。それを感じたときに、「自分の本当の個性って何だろう?」という壁にぶち当たったです。ちょうどその頃、自分のバックグラウンドであるサーフカルチャー周辺の表現者の人たちが多く参加しているGREENROOM FESTIVALというイベントに誘ってもらったんです。そういうこともひとつのきっかけになり、自分がこれまでやってきたことに立ち戻るようになったのですが、ある時にサーフボードリペアに使用する樹脂を作品に取り入れている人はあまりいないんじゃないかということに気づいたんです。もともと樹脂というのは、自分がサーフボードのリペアで使っていた素材なんです。だから、作業場の足元にはたくさんそれがあるわけです。「なんで今までこれを使わなかったんだろう」と(笑)。それをきっかけに、もともと線画が好きだったので、線画のように毛糸を這わせたり、規則的に並べたりして、最後に樹脂でコーティングするという今の手法にたどり着きました。

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