<1998年8月>

今月も金が無い。
金が無いことに慣れてしまっている。

でも、パチスロをやるお金はなぜかできる・・・、不思議だ。
CDや本を売ってでも金をつくる。
1万円あればパチンコ屋に行く。
そして負ける。
まさしく「病気」、「ギャンブル中毒」。

部屋の中は、広島から仙台に出てきた時とあまり変わっていない。
テレビ、ビデオ、ベッド、パソコン(これだけ増えた)・・・。
この3年間なにをしてきたのか・・・。

この頃、わざと遠くのパチンコ屋に行くようになっていた。
(理由は無い)
まず、テレビゲームをして徹夜をする。
そして、朝7時頃に家を出て2時間かけてパチンコ屋に向かう。
自転車で行くこともあれば、電車で行くこともあった。
ポケットには、小さい地図と1万円の入った財布だけ。

できる限りお客さんのいないパチンコ屋に入る。
(理由は無い)
人と接するのが面倒くさい・・・。

8月のある日、ふと思う。
「アコムって、限度額いっぱい借りていたかな?」
本当は知っているのに、知らないふりをする。
「アコムの機械が壊れて、借金が0にならないかな?」
そんなことがあるわけがない。

「?」
アコムのATMにカードを入れてみると、前に見たことのある文字が出てきた。

《増額申込み》

「おっ!!」
胸が踊った。
急に緊張してくる。
無我夢中で《増額申込み》のボタンを押す。

《いつもありがとうございます。お客様は増額の申込が可能です。
 現在の限度額20万円から50万円に増額することができますが、いかがいたし
 ましょうか?》

愚問!!!!
もちろん「はい」である。

1分後、「10万円」を引き出した。

なんて簡単なんだろう。
現金で10万円を持つと、なんでもできるように感じ、パチンコ屋に行くことが、
とても馬鹿らしく思えてしまう。
といって、パチスロ以外に時間をつぶす術(すべ)を知らない。
自動販売機で缶コーヒーを買って、パチンコ屋に消える。

この頃、パチスロを打っていても退屈に感じてしまう。
朝9時から夜の11時まで、14時間打ちっぱなし。
これを毎日続けているのだから当然だ。

20~22歳のほぼ半分をパチスロに費やし、借金を増やしていった・・・。


「大学生活って、もっと楽しくて素敵なものだと思ってた」


8月、大学では就職活動が始まっている。

「おれも就職できるのかな?」

なんかどうでもよかった・・・。


<1998年8月現在>
 ・借入先:5件(DCカード、アイフル、アコム、JCB、オリックス)
 ・借入金:129万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:162,000円

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名前:松下一樹(仮名) 生年:1976年生まれ  地元:広島 経歴:中学・高校と学業の成績は常に上位。部活はバスケット。大学は仙台の国立大学。。

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