<1998年9月>

大学では就職活動が始まっていた。
大学のOBに電話したり、パソコンで会社の情報を調べたり、就職課に行って
相談したり・・・。

「まだいいや・・・」

おれはすごく他人事のように感じていた。
とても就職活動に神経をそそぐ気にはならない。

それはそうだ。
毎月16万もの返済があれば、どんな人間でも不安になるというものだ。
手にするバイト代・仕送りは全て借金の返済へと消えていった。
それでも元金は全く減らない。
「返しては借りる」。
この繰り返しなのだ。

そして、それは突然やってきた。
いつものように「JCB」の返済が1週間遅れて、銀行引き落としではなく、
銀行振込で5万円を返済した。
そして、また「JCB」で5万円を借りようとした時、この文字が出てきた。

「このカードはお使いになれません」

なんだ?
今までも返済が遅れたときは、再度の借入がすこしの期間できないことがあった。
しかし、今回は違う。
2週間たっても、まったくカードが使えないのだ。

「なんで?」

少し不安になり、カードの裏に書かれてある電話番号に問い合わせてみた。

 私 :「すいません。カードがつかえなくなったんだけど」
JCB:「番号と名前を教えてください」
 私 :「○○△△。松下一樹です」
JCB:「少々お待ちください。え~とですね、お客さん、今まで返済が送れてい
     ますよね?」
 私 :「いや、きちんと返済しましたよ」
JCB:「でも、返済が何度か遅れてましたよね?」
 私 :「あっ、はい・・・。そうなると、もうカードは使えないんですか?」
JCB:「お客さんの場合、返済の遅れが何度もありますので、そうなりますね」
 私 :「・・・・・(絶句)」
JCB:「よろしければ、今お持ちのJCBのカードを返却していただきたいんで
     すが」 
 私 :「・・・、分かりました」

その後、JCBの係の人がカードの送り先の住所を電話の向こうで言っていた。
だが、全く聞いていない。
いや、聞こえていなかった。


「まじで?」

それは、まさしく自分の価値が一つ下がったことを意味していた。
世間に「ダメ」の烙印を押された気分。
そして、すごく不安になった。

もしかして、間違ったんじゃないか?
今まで通り、JCBのカードをATMに入れると「5万円」を借りられるんじゃな
いか?

しかし、その淡い期待も簡単に崩れ去った。
街角にあるキャッシュカード専用のATMにJCBのカードを入れた瞬間、シューと
いう音とともにATMに吸い込まれていった。
そして、そのカードは2度と戻ってこなかった・・・。

ATMに出た文字。
「このカードはご使用になれませんので、こちらで破棄いたします」

ああああああああああああああ。

JCBから5万円を借りられないことで、「返済パターン」が崩れた。

仕方が無い、「アコム」で借りて返済しよう。

「借金の返済のために借金をする」

きれいな「借金スパイラル」に陥っている・・・。

就職活動のスーツも買わないといけないのに。
お金が無い・・・・。


<1998年9月現在>
 ・借入先:5件(DCカード、アイフル、アコム、JCB、オリックス)
 ・借入金:133万円(ローン含む)
 ・毎月の支払い:164,000円

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名前:松下一樹(仮名) 生年:1976年生まれ  地元:広島 経歴:中学・高校と学業の成績は常に上位。部活はバスケット。大学は仙台の国立大学。。

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