土井氏は、「今の学校でいじめが行われる原因は昔と変わらない部分もあるが、個々の問題では解決できない共通の特徴があり、しかもその時代の固有の特徴が潜んでいる」と指摘しています。ゆえに、「いじめが起きた原因を調べるよりも、集団的な行為が継続的に行われる過程を分析したほうがいじめ解決には効果的ではないか」と土井氏は提言しています。

                      ◇

現在の「大人」たちは、「現在は人間関係が希薄化した」とよく言います。しかし、現実の中学・高校をのぞいてみると、自分の「対人レーダ」が常に働いているかを確認しながら人間関係を営んでいます。先ほども述べたように、今の中学・高校生は「他人と衝突」することを非常に恐れます。そのため「自分が他人から反感を持たれない」ように常に心がけていなければなりません。

このような「優しい」人間関係のもとで生活してゆくには、常に「身近な人」の言動に気を配っていなければなりません。その結果、「親密な友人」の範囲を狭め、意見の相違などからくる友人の乗り換えを困難にします。そして、人間関係の維持に膨大なエネルギーを使うため、「学業」や「外部の人間とのつながり」など「自分の将来を決める重要なもの」にエネルギーが回らなくなります。現に「クラスの人間関係維持」ばかりに力を入れていた生徒の成績が悪いままだった…というケースがあります。

                      ◇

前へ 次へ

この情報が含まれているまとめはこちら

友達地獄-ドロドロした人間関係を生き抜くには

オフィス・宮島です。スクールカーストに関連した内容で、今の中学・高校で繰り広げられる人間関係の駆け引きと、山本七平氏が「絶対権を持った妖怪」と指摘した「空気」との関係から中学・高校での人間関係についてまとめました。

このまとめを見る