「優しい」人間関係の下では、風通しが悪く、すぐ人間関係が「煮詰まって」しまいます。一度意見の相違からくる対立が表面化すると、その生徒には「取り返しのつかない致命的なダメージを受けた」と感じます。彼らは「今のグループでの人間関係」は「絶対」であると思っているため、他人との人間関係を相対的に見つめることができません。

「優しい」人間関係は「繊細」で「脆い」人間関係である…と先ほど述べました。このように意見の相違により人間関係が決裂すると、「対人レーダ」が必要以上に敏感になっているため「○○につくと自分も排除の対象になりかねない」と感じ、自己保身のため「○○」を「シカト(無視)」したり「持ち物を隠す」といった行為を「本人のいないところ」で「静かで密やかに」行うようになります。このようにして「いじめ」が始まるわけです。

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1997年、長野県で中学生男子が「暴力ではないけど、暴力よりも悲惨だった」という遺書を残してこの世を去った…という悲惨な事件があります。これが物語るように、「優しい」人間関係は暴力よりもはるかに精神的ダメージを与えるということがよくわかります。

上の例からでもわかるように、今の中学・高校生は「人間関係が希薄」になったのではなく、「ものすごい濃厚な人間関係」の中で学生生活を送っているわけです。その点に「大人」が気づいていないのです。

相手の事情を詮索したり踏み込んだりしない、あるいは一方的に自分の断定を押し付けたりしないということで「相手との距離」を取る関係、すなわち「(相手に)優しい」人間関係は裏返すと、自分の立場を傷つけるようなことと自分に降りかかる責任を可能な限り回避する「自分に優しい人間関係」でもあるわけです。だから意図せずしてこの「人間関係」を破壊した者には容赦なく「制裁」(いじめ)を加えるというわけです。

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友達地獄-ドロドロした人間関係を生き抜くには

オフィス・宮島です。スクールカーストに関連した内容で、今の中学・高校で繰り広げられる人間関係の駆け引きと、山本七平氏が「絶対権を持った妖怪」と指摘した「空気」との関係から中学・高校での人間関係についてまとめました。

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