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「ハラールはテロの資金源」? オーストラリアと英国で報告されているステッカーについて、調べてみた。

「イスラモフォビア Islamophobia」(イスラム嫌悪)のヘイトスピーチ事例が、豪州と英国で確認され、それが断片としてかなりミスリーディングな形で日本語圏にも入ってきています。背景を調べてみました。※検索エンジンに拾ってもらいたいので意図的に複数の用語の表記を混在させています。

更新日: 2013年11月13日

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nofrillsさん

日本語圏でも物議をかもしている、英語圏のヘイトスピーチのステッカー

「英国のスーパーでムスリム向けの食品に『ハラール食品はテロ支援をしている』と云う警告シールが貼られている」旨のツイートを数日前から何度も見掛けるのだが、これは単なる質の悪いいたずらではないだろうか。 twitter.com/iddanis/status…

はい。販売している店がそのようなステッカーを商品に貼っているわけではありません。

ただし、「単なる質の悪いいたずら」ではなく、「政治的な意図を持ったキャンペーン」です。というか、まさに「ヘイトスピーチ」そのものです。(英国で違法行為に問える類のヘイトスピーチであるかどうかは微妙と思いますが。)

▼「数日前から何度も見掛ける」ツイート

英国の食品マーケットのハラール食品の上に書いてある警告:「ハラール食品はテロを経済的に支援しているので要注意」。イスラームフォービアの典型的な例のもうひとつ。それほど危ないなら、棚に置かないでくれと言いたいね! pic.twitter.com/fV0UMO4xAC

4日のこのツイートが、私のところには7日に非公式RTされてきました。

ちなみに私が最初にこの写真を見たのは、アル=アンTVのジェナン・ムーサ記者のツイート (11:33 PM - 2 Nov 13):
https://twitter.com/jenanmoussa/status/396646150075199488
https://twitter.com/nofrills/status/396647470832173056

これは店が貼っているのではなく、反イスラームの団体のメンバーかシンパが勝手に貼って歩いているものです。為念。RT @iddanis: 英国の食品マーケットのハラール食品の上に書いてある警告…それほど危ないなら、棚に置かないでくれと… pic.twitter.com/NsJ4qDckw6

英極右ウォッチャーにはおなじみの、例のアレですよ。。。

写真は2012年7月、ブリストル。

旗の右下の枠に、「シャリーア法反対、ハラール・フード反対、モスク増加に反対」。

この「ハラール・フード反対」は、「ベーコン禁止反対」(「イスラムが浸透すると、豚肉、つまりベーコンが禁止される」という脅威論が本気で受け止められている)みたいなことで多くの人にアピールしています。

※なお、「ハラール反対ならコーシャは?」などとツッコミを入れてはならないようです。

via http://t.co/P7kTcXtbAF

▼問題の「ステッカー」について、最初の報告を調べてみると……

We demand an explanation for this, @tesco? #racism pic.twitter.com/AI6VkEMosr

Tesco(英国の大手食品スーパー)に宛てて、「これの説明をいただきたいのですが」。(ツイート主さんは、このステッカーは「テスコが貼った」と思っていますね。)

@Hana_Zuhairさんは、Twitterなどでは居場所は明記されていません。年に数本、エントリがアップされているブログはエジプトについてのエントリが多いのでエジプト系の方かと思います。
http://hanazuhair.wordpress.com/

@Hana_Zuhair Sorry, I can assure that this is not a sticker we would place on any of our products. Which store was this found in please?

「恐れ入りますが、このステッカーを弊社が弊社製品に貼付することは一切ございません。このステッカーを見つけられた店舗名をお知らせいただけませんか」

.@Tesco my cousin found this in London at your store and the WHOLE isle of halal foods had the same sticker.

「私のいとこが、ロンドンの貴社店舗で、ハラル・フードのコーナーの品物すべてに、この同じステッカーが貼られているのを見たのですが」

@Hana_Zuhair Are you able to let us know which store this was in London please? As we would need this information to get it investigated.

「ロンドンのどの店舗でこれが目撃されたのかをお知らせいただけませんでしょうか。調査のため必要な情報ですのでよろしくお願いします」

.@Tesco I'm asking my cousin and I will get back to you as soon as I know. But I appreciate that you're actually concerned.

「現在、いとこに確認をとっています。わかり次第、お伝えします。真剣なご対応をいただき感謝しています」

.@Tesco however, I don't get how would you not know about this? The whole isle had the same sticker.

「しかし、貴社がお気づきになっていないというのはどういうことでしょうか。売り場全体に同じステッカーが貼られていたそうですが」

@Hana_Zuhair This is the first we were made aware of it, once we know the store we'll fully investigate.

「今回、はじめてこのようなことがあると知りました。店舗名が判明ししだい、全力で調査いたします」

この写真は、ハナさんのいとこの方が行った店舗とは別の、ノーサンプトンという都市の店舗の内部ですが、テスコはこういう「典型的な食品スーパー」です。

店員が売り場に常駐しているわけではないので、店の人ではない誰かが「陳列ケースにある商品全部にステッカーを貼る」くらいのことはできます。

ただ、店舗内のカメラはあるし、ロンドンは街路に出ればCCTV網がはりめぐらされているので、ステッカーを貼った人物が店内カメラでわかれば、あとは追跡可能ではありますね。追跡するための法的根拠があるかどうかは別問題ですが。

@Tesco @Hana_Zuhair do you really think tesco would put a sticker like this on their products. #nevergoingtoretweetthis

「あなたは本当に、Tescoがこのようなステッカーを製品に貼ると思っているのですか」

Tescoは主義主張の人ではなく商売人。顧客にムスリムが多いからこそハラル・フードを置いているわけで、そのような「商売人」が「Tワード」を使って顧客にいやな思いをさせ、店の評判を落とすようなことは、考えられません。

(……ううむ、商売敵の陰謀か……と思った方は、小説の読みすぎです)

@tunneltiger7 @Tesco I hope not cause I like their products. But my cousin found this in the whole isle.

「個人的にはTescoのものは好きなので、Tescoがそんなことをしていないことを望んでいますが、現にいとこが、これが売り場全体に貼られているのを目撃しているのです」

@Tesco @Hana_Zuhair I applaud you Tesco. Put these stickers on all halal meat because it's true.

※アバターを見ればどういうアカウントかわかりますよね。ツイートの日本語化はしません。「スコッティ・マクハギス」はスコットランド人だと主張するだけの偽名。TL見ると、@ で誰かにメンション飛ばして絡むだけ、master trollですね。

@Hana_Zuhair @Tesco EXCELLENT. keep up the good work tesco. Round of applause from British public.

※同上。ツイートの日本語化はしません。

Hello @tesco, @Lyla_EH is the one who found the product with the racist sticker at the High Street Kensignton branch called Tesco Metro.

ハナさん、いとこの@Lyla_EHさん(鍵つきアカウント)と連絡が取れたようです。店舗はTesco Metro(普通のTescoに比べて小型で生鮮食料品より加工食品多めの都市型業態の店舗)で、ハイ・ストリート・ケンジントンのお店です。

ここですね。
http://goo.gl/maps/vYgQA

@Hana_Zuhair Thanks, we have spoken to the store to ensure that nothing like this is on the shelf.

「ありがとうございました。店と連絡を取り、陳列棚にこのようなものはないということを確認しました」

正直、イーストエンドや北ロンドンでのことなら驚かなかったのですが(勝手にステッカーを貼るというキャンペーン方法はないわけではないし)、ケンジントンで、というのはちょっと……。

あくまでもたとえ話ですが、東京でたとえると、「在日特権がー」とかいうビラを新宿で見るならさほど驚かないけど、えっ、青山で?・・・という感じです。

▼EDL/Casuals Unitedメンバーもしくはシンパによる「反ハラル」キャンペーン

(私にはこの物体を見るのがちょっと厳しいんですが ;_;)

http://casualsunited.wordpress.com/2013/11/04/anti-halal-stickers-in-bournemouth-edl/
カジュアルズ・ユナイテッドです。というかEDLです。

本項冒頭のSliced Smoked Chickenに貼られているステッカーと同一です。

そしてこれ。チキンのパッケージに貼られているのと同一のステッカーですね。フォントも色も文言も一致。

画像の一番下にあるURL:
http://www.halalchoices.com.au/
のものだそうです。

このサイト、AboutがないしContactを見ても詳細不明ですが、「寄付をする」のボタンをクリックするとPayPalのアカウントは Halal Choices Incorporated となってます。(この「会社名らしきもの」で検索すると、該当なしなんですけどね。)

このサイトについては少し後で詳しく見ます。

▼「Halal反対」とは何か

「Halal反対」のアイコンのひとつ。1389blog.comより。

「カウンター・ジハード」(反ジハード)を自称する(ヘイトスピーチ系の)ブログなどが2年くらい前から組織的にキャンペーンするようになってると思います。

※ちゃんと調べないと正確な時期はわかりません。論文的なものを書く方は各自お調べください。(スペンサーやゲラーのところでわかると思います。)

英国で、「反イスラム過激派」を自称しながら、実は「反イスラム」がコアにある集団(EDL)が、FBやTwitterなどで「忍び寄るシャリーア creeping sharia」という恐怖・憎悪煽動のキャンペーンを展開したときに、その「シャリーア」のシンボルのひとつとして広くアピールしたのが、「ハラール」でした。(ハラールでは、英国の食事には欠かせないベーコンが食べられない、ということで、多くの人が「マジか、それが標準になったらヤバいな!」と反応。)

↑画像の下のこの部分にある「出典」にも注目。以下、同

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