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beck.t.k.さん

議論を呼んでいる新たな難病新法制度

厚生労働省が29日に全容を示した難病の新制度案。患者数が極度に少なく、これまで支援から取り残されてきた難病患者にようやく「光」があたる。国の助成制度から漏れ、不公平感を募らせてきた難病患者らは「やっと解消につながる」と期待を寄せる。一方、患者数の増加とともに助成対象から外れる可能性も出てきたパーキンソン病患者らは「治療法がないまま、外すのはおかしい」と支援継続を訴える。

対象疾患の増加、負担額…修正に揺れる難病新法制度案

難病患者への医療費の助成制度を巡って、対象の病気を大幅に増やす一方、所得に応じた負担を求めるなどとした厚生労働省の見直し案について、患者団体から負担が重すぎるという声が相次いでいることから、厚生労働省は、負担を軽くする方針を固め、案の修正を始めたことが分かりました。

難病患者への医療費の助成制度について厚生労働省は先月、対象となる病気を、現在の56種類からおよそ300種類に増やす一方、所得に応じた負担を求めるなどとする見直し案を示しました。
これに対し全国の難病の患者団体などから、「難病の患者は医療費を負担し続けなければならず、負担が重すぎる」として、見直し案の修正を求める声が相次いでいます。
これを受けて厚生労働省は、負担を軽くする方針を固め、案の修正を始めました。
長期間、医療費を払い続けている患者については自己負担を軽くする新たな仕組みを導入する方針で、どれくらいの期間が長期間に当たるか検討を進めています。

既存の制度では「治療研究事業対象疾患」として56疾患が対象

・希少性(患者がおおむね5万人未満)
・原因不明
・効果的な治療法が未確立
・長期療法が必要
の4要素を満たす病気のうち、重症度などが高いとされる56疾患を「治療研究事業対象疾患」に指定。国と都道府県が所得などに応じて、患者負担の一部か全部を補助している。調剤薬局での薬剤費は全額補助で無料。

全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、悪性関節リウマチ、パーキンソン病…など聞いたことのある病名も入っていますね。

対象が56疾患では不十分である現実

「クリオピリン周期熱症候群(CAPS)」。乳幼児期に発症し、激しい高熱や炎症を繰り返す。患者は全国でも50人ほど。
本来は関節リウマチの薬で国内では未承認だったが、医師を通じてアナキンラを海外から取り寄せた。
投薬から3日後。面会に行くと、それまでぐったりしたまま動けなかった貴理ちゃんが、ベッドの柵につかまり立ちしていた。
「医師も看護師も、病院中が『立った』と大騒ぎになった」。2歳8カ月。貴理ちゃんが生まれて初めて立った瞬間だった。
「症状を抑える薬があるのに、お金の問題であきらめてしまう。これほど残酷なことはない」と理登さんは訴える。患者が少なく薬の希少性が高いため、1回の注射にかかる費用は約130万円。高額療養費制度が使えるとはいえ、定期的な接種が与える負担は小さくない。

一方新法制度では、対象疾患は増えるものの…

56疾患から約300種類へ、より多くの疾患をカバーできるよう見直しへ

厚生科学審議会は、これまでに厚労省の難病研究事業の対象となった482疾患について、(1)希少性(2)原因不明(3)治療法の未確立(4)長期にわたる生活の支障―の4要素に加え、一定の診断基準が確立していることを適用要件として分類。

その上で、新制度の医療費助成の対象を、現在の「患者数5万人未満」の疾患から、人口の0.1%程度(約12万人)以下に希少性の要件を緩和した結果、現行の56疾患から300疾患以上へ大幅に増える見通しとなった。

これまで助成対象の条件を満たしながらも、財源不足などを理由に対象から漏れ、重い医療費負担を強いられてきた多くの患者が救済される可能性が出てきた。新制度がスタートすれば、患者間の不公平感を取り除くことになり、実現への期待は大きい。

対象疾患が増える一方で、助成対象から外れる疾患や、軽症では認められないといったケースも…

パーキンソン病や潰瘍性大腸炎は、助成対象から外れる可能性が浮上している。素案では対象となる疾患を「患者数が人口の0・1%程度以下」と規定。平成23年度末現在、パーキンソン病は約11万6500人、潰瘍性大腸炎は約13万3500人おり、その境界線上にあるためだ。
全国パーキンソン病友の会の高本久事務局長は「症状を抑える薬はあるが、治療法はない。若くして発症すれば負担も大きく(対象から)外すべきではない」と訴える。
パーキンソン病の重症患者は現在医療費が無料だが、対象から外れれば、月3~5万円の負担額が生じることになる。高本氏は「決して負担は軽くなく、投薬をあきらめれば、神経細胞の劣化を招き症状が悪くなる。それは決して患者のためにも、国のためにもならない」と訴えた。

対象患者増で予算は年々拡大。国と都道府県が折半で助成する制度だが、国の予算が追いつかないという背景も。

七十歳未満の難病治療の自己負担割合を、三割から二割に下げるが、市町村民税非課税者にも新たに自己負担を求める。
 年収約五百七十万円以上(夫婦二人のモデル世帯)では、自己負担の限度額を月四万四千四百円とする。院外処方の薬にも自己負担を求めるほか、重症患者にも新たに負担を求める。生計中心者が難病患者の場合、負担限度額を基準額の半分にする制度も廃止。委員会は既に助成を受ける患者には「別途の対応を考える」とするが、「新規患者と差が出るのはよくない」という委員の指摘もあり、三年程度の経過措置の後、扱いをそろえる見通しだ。

現状では、収入が多い患者であっても月の自己負担上限は1万1550円である。新たな制度になれば、年収570万円以上の人なら最大で月4万4400円の自己負担が生じる。年収150万円程度の所帯では、月額負担は現状のゼロが最大6千円に。重症患者も、全員が全額免除とはならず、所得に応じた負担が求められる。

 新たな制度は同時に、医療費の自己負担額を年収の1割までにとどめる措置なども盛り込む。結局、自分の負担はどこまで増えるのか。どの疾患が加わるのか。助成の対象外となる軽症の範囲は―。厚労省は患者の不安に応えるべきである。

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