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大学の資金運用失敗のその後

2008年9月のリーマン・ショック後、デリバティブ取引によって資産の運用を行っていた多くの私立大学が解約等により多額の損失を出した。とくにその後の動向をまとめることを目的にこの「まとめ」を作成した。

更新日: 2013年12月10日

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zyx2013さん

愛知大学の場合

愛知大学は、2008年度にスワップ取引の解約によって約118億円の損失を出した。その後、2012年11月になって、現学長・理事長が、経営担当副学長として資金運用を担当していた2007年12月から翌年1月にかけて行った取引によって数十億円の損害を大学に与えたとして、二人の弁護士によって背任の疑いで名古屋地検特捜部に告発されたが、2013年12月に不起訴処分となった。

**朝日新聞、毎日新聞、中日新聞等の2013年12月10日付朝刊が、12月9日に学長・理事長が不起訴処分になったことを報じた。なお、特捜部は不起訴理由を明らかにしていないという。以下は、中日新聞の記事の一部:(以下、引用)大学の教職員による通報を受けた弁護士が、昨年十一月に刑事告発。弁護士らは、佐藤理事長が経営担当副学長だった二〇〇八年一月、大学の規定に基づかないデリバティブ取引で大学の資産を運用したが、〇九年三月の取引解約に伴い約四十億円の損失を出したと主張していた。
 学校法人愛知大は「告発対象となった取引は、証券会社が当法人に分からないように巨大なリスクを持たせる異様な取引だったとして、現在、証券会社を相手取り民事訴訟を遂行中である。不起訴の理由など詳細は把握していないが、検察庁の決定は訴訟における当法人の立場と整合するものだ」とコメントした。(以上、引用終わり) 「不起訴の理由など詳細は把握していない」のに、「検察庁の決定は訴訟における当法人の立場と整合する」とは??**

南山学園の場合

南山大学等を運営する南山学園は、2012年11月にすべてのデリバティブ取引を解約し、損失の総額は229億円であると発表した。そして、「資産運用問題総括委員会」の報告書が公表されたが、とくに「週刊ダイヤモンド」誌は批判的な論評をしている。

藤田学園の場合

藤田保健衛生大や同大病院を運営する学校法人・藤田学園がデリバティブ取引の失敗で120億円の運用損を出していたことが、2011年5月になって明るみに出た。運用を行っていた3人の理事は3月末までに辞任していた。

立正大学の場合

立正大学は、デリバティブ取引の含み損が2008年9月末時点で、148億円に達していることを同年11月に明らかにした。その後どうなったのであろうか?

駒澤大学の場合

駒澤大学は、リーマン・ショック後、損失を公表したおそらく最初の大学。2008年11月に損失額を発表したが、その額は154億円に上った。同年12月に理事長を解任。その後、BNPパリバ等の証券会社を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしたが、ドイツ証券に対する訴訟は2013年4月に敗訴した。

大阪産業大学の場合

大阪産業大学は、デリバティブ取引で多額の含み損を出していることが2009年1月に明らかになった。野村證券に約12億8000万円の損害賠償を求める訴訟を起こし、2012年2月に大阪地裁は野村証券に約2億5000万円の支払いを命じた。その後、大学は、2013年5月になって、前理事長と元理事ら計3人を相手取り約2億円の賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

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慶応大学の場合

さすがに慶応大学というべきか、含み損の大きさに驚かされる。2008年度末のそれは実に535億円に達した。

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