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先日、南京事件についての基礎的な資料集のリストをツイートしましたが、今回は旧日本軍「慰安所」制度に関して刊行されている資料集をご紹介します。まずは龍溪書舎出版から刊行された『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』全五巻。これはいまはオンラインで閲覧できます。

この『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』は元資料をそのまま複製したもので翻刻されていませんので、より読みやすいものとしては ・吉見義明編、『従軍慰安婦資料集』、大月書店、1992年 があります。

それから戦犯裁判資料を刊行したものが3つ。 ・吉見義明監修、内海愛子・宇田川幸大・高橋茂人・土野瑞穂編、『東京裁判―性暴力関係資料』、現代史料出版、2011年 ・戦地性暴力を調査する会編、『資料集 日本軍にみる性管理と性暴力―フィリピン一九四一―一九四五年』、梨の木舎、2008年

・梶村太一郎・村岡崇光・糟谷廣一郎、『「慰安婦」強制連行』、金曜日、2008年 これはオランダによる戦犯裁判の資料を、英語からの重訳ではなくオランダ語から翻訳したものです。

それから、「史料集」というかたちでまとめられたものではありませんが、従軍将兵が書いた回想記などから「慰安所」や戦時性暴力(連合国によるものも含め)に関する記述を調査した結果が公表されています。

その結果(の一部)が紹介されているのが ・『季刊 戦争責任』(日本の戦争責任資料センター)、第3、5、7、9、66-68、70-71、77、80号 の各号です。

もちろん、このようなかたちで刊行されている資料だけではありません。その他の資料の一部はアジア歴史資料センターのサイトで閲覧することができます。 jacar.go.jp/index.html ここで閲覧できる資料でもっとも重要なものは、レファレンスコードC01001469500

件名は「野戦酒保規程中改正の件」です。京都大学の永井和教授によって明らかにされたもので、日中戦争勃発から間もない37年9月の段階で、陸軍が「慰安所」を設置できるような規定を定めていたことを意味しています。これにより「業者がやったこと」説は棺桶の蓋の釘を打たれたということに。

また、去年発掘されたばかりの新資料がレファレンスコードC13010769700、「営外施設規定」です。前出の永井教授によれば従来も慰安所の「利用規程」は多数知られていたものの、「設置権限」を規定した軍規則の資料としてはおそらく始めて、という貴重な資料です。

この資料の翻刻は『季刊 戦争責任』の第80号に掲載されています。なお75号には中曽根元首相が「慰安所」の設置に関わったことを示す史料の翻刻も掲載されています。

ちなみに、「慰安婦」問題に関して「証拠を出せ!」と言うのが大好きな人が、これらの資料のすべてを承知していたケースを私はただの一例も知りません。

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たかが中卒のまとめごときでむきになんなや…。