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『温知政要』名君?迷君?徳川宗春の政治に学ぶべきこと

一般的には知られていませんが名古屋城にはかつて全国にその名を轟かせた尾張藩主がいました。彼は時の将軍徳川吉宗とは真逆の政治を行ったせいで反感を買い、藩主の座から退くことになりました。しかし、その政治は現代人が学ぶべきものだと思うのです。

更新日: 2014年03月12日

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xinnobunagaさん

徳川宗春とは

宗春の考え方

徳川宗春の考え方は彼が記した『温知政要』という書物から窺い知ることが出来ます。この中には現代人が見直すべきことも多いのです。以下はその要約です。

第一条「慈」・「忍」の二文字を戒めとする

彼はこの文字が書かれた掛け軸をかけていたそうです。深い愛情に広い心が大切。

第二条 仁者に敵なし

実際の原文には「東照宮様のように」とあります。つまり家康のことですが、家康のように慈悲深くあれ。よい人に敵はないってことですね。家康が慈悲深かったかどうかはさておき、先祖を賛美するのはいつの時代も同じです。

第三条 千万人のうちに一人あやまり刑しても国持大名の恥である

冤罪は国の恥ってこと。警察が自白を強要したり・・・なんて話もありますが、調べることをとことんまで調べるべきと宗春は言っています。

第四条 初めは賢君でも最後まで続く例は少ない

初心忘るべからずってところでしょうか。例えば知事にしても国会議員さんにしても(実際思ってるかどうかは置いといて)最初は威勢よくマニフェストを掲げて、理想を高く持っているでしょう。しかし、いつの間にかその考えもどこへやら・・・ってこともありますよね。社会人にしても志高く入社してもそのうちなぁなぁになってしまうこともありますよね。

第五条 慈悲憐憫が第一の学問

学力を上げることがすべてではないということ。愛情が大切ですよってこと。学力がある=よい人間とは限らない。その人の持って生れた心を育むことが大事であるということでしょうか。

第六条 すべての物には、それぞれの能力がある

原文には材木としての松には松の使い方があって、檜には檜の使い方があるとあります。つまり適材適所。その人の能力にあった仕事に就くことで初めてその人を評価するべきと言っています。1つの失敗で自分はできない人間であると思い込んでしまう人もいるかもしれませんが、そうではないのです。その人にあった仕事は必ずある。

第七条 自分の好みを人に押しつけてはいけない

人には好き嫌いがあるのだから、それを押し付けるものではない。十人十色。みんな自分と同じ考えだと思ってはいけませんよね。

第八条 法令(規則)が多いのはよくないことである

規制が多いと人間はそれに縛られてしまい自由を失うという考えです。現在たくさんの法令があります。果たしてその法令が必要最小限に減らした場合、人はどのような行動を起こすのか?法令がなくても問題なく暮らせるのかはこちら側がしっかりとした人間かどうかにかかってきますね。

第九条 倹約ばかりではかえって大きな出費となる

この時の将軍は徳川吉宗。厳しい倹約令を出して財政をよくしようとしたわけです。それに反して宗春は倹約のしすぎはよくない!と唱えたのです。倹約しすぎると心に余裕がなくなり、人に優しくすることが出来なくなると言っています。お金の使い方に工夫をしなさいということでしょうか。

第十条 庶民感情を大切にした政治を

よい政治であったとしてもやり方が悪ければ反発を招く。庶民が仲良く暮らせるようなことをすることが大切。

第十一条 心の中を平穏に保つと健康になる

現代風に言えばストレスは体に毒!って感じですね。現代はストレス社会ですから、自分のやることはやって、ストレスを溜めないように趣味に時間を割いてみたりすることも大切なことです。

第十二条 勧進能や相撲などの見せ物を許可する

将軍吉宗はこういった娯楽関連にも規制をかけていたわけですね。堕落すると。それを宗春は許可したわけです。11条にも絡みますが、娯楽がないと人々は楽しく暮らせないよ!ってことでしょう。(結果として名古屋の風紀は乱れたわけですが、それは庶民が自分を律することが出来なかったからなのでしょうか・・・)

第十三条 物知りの案内者になること

どんなことでも事情通であれというところでしょうか。ぼんやりと暮らしていては何にも知らないまま大人になってしまう。常にアンテナを張って生きていくべき。

第十四条 諸芸の難しさを知ること

数年間ちょっとかじっただけで、できるようになったと自慢するようなやつは名人になることはないと言っています。当時では芸事のお話ですが、現代で言えばスポーツなども含まれますでしょうか。常に真摯にそのことに向き合うべきということでしょう。

第十五条 若者の気持ちを理解して異見すること

若者の多くはそれが良いことであっても言うことを聞かなかったりするもの。自分が若い時はこうだったから、こうしたらどう?と相手の気持ちを考えて意見を言ってあげるべき。そうしたら若者も自分のことを思ってくれているんだと思うだろうということですね。年長者は最近の若者は・・・と思わずに、若者は年長者を尊敬して対しましょう。

第十六条 若い時の誤りはすべて学問となる

失敗は成功のもとという感じでしょうか。若い時は失敗を恐れずどんどん経験を積みなさいということですね。ただその失敗を反省しな人間は大ばか者であるとも言っています。どんなに素晴らしい人でも失敗を経験しているものです。

第十七条 たとえ千金を溶かした物でも、軽い人間一人の命には代えられない

人の命は金には変えられないということ。宗春は役人を減らして支出を減らす政策を批判しているわけです。もし災害などが起こった時に役人が足りずに庶民が命を落とすことになったら・・・ということです。現代で言えば耐震補強はしっかりするべきといったところでしょうか。

第十八条 下情に通じること、通じすぎないことが肝要

庶民目線というやつです。よく政治家の方が言われる言葉ですね。庶民の暮らしを知ることは上に立つ人間にとっては重要なことですね。数年前にカップラーメンがいくらか国会で聞いた方がいましたね。

第十九条 社会の変革は時間をかけて、緊急な要件は急いで解決しなければならない

急に改革したところうまくいかないこともあるし、急いでやらないといけないこともある。その事案の緊急性をきちんと把握すべきということでしょうか。最近で言えば雪害対策は急いでやるべきことでしたね。

第二十条 改革がすべて正しいと考えるのは誤りである

これは「1人で考えるのは」という言葉が付きますが、一人で何事も考えてしまっては間違いも気付かないことも。3人寄れば文殊の知恵ではないが、いろんな人の知恵を借りましょうということ。

第二十一条 家臣に別け隔てなく憐びんを加えること

古参の家臣も新しく入った家臣も男も女も分け隔てなく愛情を注ぐこと。これは会社などでも言えることでしょうか。昔から勤めてる人も新入社員にも上の人間は公平に見るべきということですね。

これら21条が宗春の考え方です。確かに理想論と言えば理想論かもしれませんが、教訓として頭の片隅にでも入れて生活することはいいのかもしれません。特に宗春自身がトップに立つ人間ですから、自身のリーダー論のようなものも含まれます。社長やリーダーになるような方は実践してみるのもいいかもしれませんね。

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