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“フジツボ女子”まで現れた!? 磯辺のフジツボ、魅惑の生態

磯辺の岩場にびっしり群生したフジツボ。実はエビやカニと同じ甲殻類である彼らの生態や、高級珍味とされる味などまとめます。更にはその生態に魅了されてしまった“フジツボ女子”まで現れる始末。来るか、フジツボブーム!?

更新日: 2016年09月07日

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この記事は私がまとめました

フジツボの生態が魅力的!

磯辺の岩にびっしりと貼り付いた彼らこそ、一部でブームのフジツボ君。
富士山みたいだから、富士壺。

フジツボは石灰質の殻を持ち、動かないことから貝の仲間と思われることがあるがれっきとした甲殻類、つまりエビやカニの親戚

19世紀はじめまでは貝などと同じ軟体動物であると考えられていましたが、1829年頃研究者によってエビ、カニなどの甲殻類と同じく自由遊泳性のノープリウス幼生として孵化することが確認され、甲殻類として分類されるようになりました。

フジツボの仲間は蔓(つる)のような形をした脚を持つことから蔓脚類とよばれ、脚にはフサフサした毛がついていて、ときどき殻の口から「オイデオイデ」の手招きをして海水中のプランクトンを集めて食べる

磯遊びで見かけるフジツボは岩場に貼り付いて動いているところを中々見られませんが、潮が満ち海水に浸ると、殻の中からエビやカニの脚にあたる部分が出てきてエサを集めます。

雌雄同体、つまり同じ個体がオスでありメスでもある生き物で、交尾が必要ないようにも思えますが、他のなかまの遺伝情報を取り入れるために、交尾をおこないます

卵を作る卵巣と、精子を作る精巣の両方をもっている“雌雄同体”の生き物ですが、繁殖はほとんどの場合交尾によって行われます。

隣、あるいは数個体分の距離にまで離れた個体まで届く鞭状の長い雄性生殖器を持っており、これを届く範囲の近傍の個体に挿入することで、交尾を行う

近隣の個体に、白い管のような交尾器を伸ばし挿入するのだそうです。群生しているのは、動けない彼らが交尾をしやすくする為なのですね。

フジツボの中身はこんな感じ。

成体では固着性または寄生性に適応して頭部と胸部が大幅に退化している

頭部・胸部・腹部に体節が分かれていますが、頭部は大幅に退化しもはやどこにあるか分からないくらい。

想像してみてほしい。あなたは背中を岩に接着して身動きがとれない。目の前を漂っているエサに手を伸ばしてつかみとり食べる。死ぬまで毎日これである

ご近所さんに嫌なフジツボがいても引っ越しができない。せつない…。

とてもフジツボには見えない、こどもの姿が可愛すぎる

これがフジツボのこども(ノープリウス幼生)。
生まれたばかりの状態。

ノープリウスの次の段階、キプリス幼生。
岩場などで適当な場所が見つかると、強力な接着剤を分泌して付着し、脱皮してフジツボの幼体となります。

交尾のあと、受精卵はノープリウス幼生となり海に放出される。1ヵ月ほど波間を漂った後、キプリス幼生になり、一生を過ごすのに適した場所を見つけて固着生活に入る

甲殻類で外骨格を持つ彼らは動物性プランクトンとして海中を漂う幼生の間に何度も脱皮し成長。やがて貼り付いて一生を過ごす岩場を探すようになります。

このキプリス幼生についてひとつ述べておくべきことがある。それは、めちゃくちゃかわいい、ということだ。楕円形のボディにくりくりした目、そしてニュッと生えた短い触角。そんなやつが、自分が永住すべき場所を探してよちよちと歩きまわる

永住の場を探す彼らの仕草が、人によっては“かわいい”と映るようです。

キプリス幼生が定住地を見つけるまでのストーリーだけで、アニメ化できそうな気がする。ジブリあたりで

宮崎さんいかがでしょう?

実はおいしい、フジツボ料理

フジツボ料理がめちゃくちゃ美味しそう!

一般的にはあまり知られていない食材ですが、青森では良く食べられている珍味!

主にフジツボを食用にしている地域は青森。実は首都圏の高級料亭から引き合いがあるほどの高級食材なのだそうです。

塩茹でされたフジツボは、ツメのような物体をつかみながら、殻の周りに箸を入れて中に潜んでいる食べる部分をそっと取り出す

殻の内側の蓋のような部分を引っ張ると、中身が現れます。
味付けはシンプルに塩茹でや酒蒸しが多いようです。

魚介類をギュギュっと凝縮したような果肉のうま味と、プリンのような滑らか舌触り。
食べた後に残る茹で汁の、磯の香りがふわっと鼻から抜けるなんともたらまない感覚。

グルメすぎる。食べてみたい!

白い筋肉 のほうは小さいのだけど、この部分の食感と味は「 カニ肉かホタテ貝柱のような繊維質と旨み 」。
その奥にある 黄色い部分 は、「 アン肝のようなネットリ感、カニミソのような濃厚な旨み 」。
両方あわせて、たまらない珍味

やはり甲殻類だけあって、海老や蟹に似ている味なのだそうですが、それらとも異なるオリジナリティの溢れた珍味とのことです。

そんなフジツボに魅せられた“フジツボ女子”も

ウェールズ大学バンガー校海洋科学学部海洋生物学科卒業の海洋生物研究家。
フジツボに関する著書も。

自分の過去を振り返って、フジツボをことを「愛着をこめてFと呼んで」みたことや、「あぁ、あなたやっぱり甲殻類なのね」と感慨を抱いたことや、フジツボの蔓足をして「貴婦人の羽根扇のよう」と形容したことや、ましてフジツボの図譜を眺めて「見ているだけで心拍数が上がってしまう」、という事があっただろうか?

なんだこのフジツボ愛は…!?

フジツボ界では、スーパーアイドル・うららさまと呼ばれる

そもそも“フジツボ界”なる業界があったことに驚きです。世界は広くて、おもしろい。

特にフジツボ、イソギンチャク、付着性二枚貝、コケムシなどの「固着して生きる海洋生物」に果てしない魅力を感じる

なかなか萌えとしても斬新なジャンルです。

なんといっても驚いたのは、倉谷さんの体のあちこちにもフジツボが「付着」していることでした

髪飾りやブレスレット、ブローチやペンダントなどアクセサリーもつくり、それらを体中に「付着」させるという徹底ぶり。

講演会に登場した倉谷さんには、びっしりとフジツボが“付着”していたそうです。

倉谷うららさんにとって、フジツボは、美しい宝石の原石のような存在、だそうです

なんだか分かる。うん、分かる。

フジツボグッズも人気……が出るかもしれない

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