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漫画家『江口寿史』先生によるイラスト練習法

ツイッターで『江口寿史』先生が呟かれていたイラスト練習法をまとめました。

更新日: 2014年03月30日

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この記事は私がまとめました

aki_nagareさん

漫画雑誌でも何の雑誌でもいいんだけど、ゴミの日に出す前に「お、これは」と思う写真あったらスケッチするんだ。エンピツでもいいけど、出来ればぺンで。下描きしないで5分以内と決めて写真見ながら描く。これすごく練習になるからやってみ。 pic.twitter.com/8YRWcBNNDV

写真をとっとこうと破ってとっておいても絶対あとから見やしないから。その場で描いて捨てた方が絶対いいって。どんな写真でも練習になるから。デッサン教室にいかなくてもできる手軽な練習。

【質問】下書き無しでペンで、失敗 の方が、下書き有りで、成功より練習になるのでしょうか?

@Eguchinn
その通りです。成功しなくていいんです。自分の練習だから。

【質問】何を描いてもデッサンの練習になるとやなせ先生言ってましたね。 5分で写真も描いちゃうんですか(笑)

@Eguchinn
時間かけちゃダメ。練習なんだから。

若い頃、ジャンプ時代はこれよくやってたんだけど、そのうちほとんどやらなくなってた。最近よくツイートしてる0.38のゲルインクボールペンに出会ってからまたやるようになったんだよ。

まあでも、どんな写真でもとは言っても、描きたくなる写真はあるわなー。女の子が可愛いとか、影のつき方がいいとか、じじいの皺がすげえとか、今まで自分が描いたことないアングルやポーズだ、とか。そういう引っかかる部分がある写真はそのまま捨てずに描いてから捨てたほうが得よ、ってこと!

写真そのまま描くというよりも自分の絵に変換しながら描くとより効果的かな。水の中に入ったらモノはこう歪むんだとか、水に濡れた服はこうはりつくんだ、とか、いろんな「気づき」があるはず。それを自分の描き方で描いてみる。それは記憶として残るんだよね。画力=記憶力って要素もあると思うの。

「5分かけて描く」じゃなくて「5分以内」ね。どんどん短縮できてったらそれがまた楽しい。

下描きなしとはいえ、写真を見ながら描けばこのくらいのことはプロなら誰でもできます。これは野球でバッターがやる「素振り」とかピッチャーがやる「投球練習」みたいなものですから。

ただし、これで僕がやってる事は、写真に似せようと思って描いてるわけじゃないということ。これを描いた元の写真のモデルさんの顔も全然似て(似せようとも思って)ません。写真を見て描いてはいますが、顔とが線は普段の僕のイラストそのものみたいになってるでしょう?

その参考にしている写真の中にある情報=線のどれを省いて、どれをとれば一番それらしく見えるのか、自分の絵になるのか、その取捨選択を瞬時に行いながら描いています。自分のフォームを調整していく作業なんです。

だから、先日僕がこの5分スケッチをおススメしてから、みなさん自分もやってみましたと描いてくださる人、多いんですが、そこをわかってくれてる人は少ない。みなさん、写真に似せようとしてます。そうじゃない。似せなくていいんです。まずは「自分がどんな絵を描きたいか」を持ってなきゃならない。

それと、例えばこの絵でいうと、僕がこの写真でものにしたかったのは髪の毛のをこう結んだ時の髪の毛の流れ、しゃがんだ時の足の並び方(可愛いですよね!)とスカートのたるみ。背中の丸まり方、短めのパーカーから出たシャツの案配。これら全て、描いたことでもう僕の中に記憶されました。

そして、描いたあと思ったことは、「もう少し背中は丸まった方が可愛いな」です。こういう反省も含め、一度描いてみることで自分のものになるんです。これでもう次からはこのポーズは写真見なくても描けますよ。そういうこと。5分スケッチとはそういう行為なんです。

でまあ、これをわかりやすく「素振り」と言ったわけですが、若い頃、デビューする前と、エイジくらいまでかな、こういう素振りをよくやってたんですよ俺。その後イラストの仕事が多くなってきてからあまりやらなくなった。仕事以外で絵を描くことが日々の暮らしの中でほぼなくなったんです。

だいたいがあんまり好きじゃないしね練習ってものが。ただやっぱりそのせいでだんだん絵を描くことが自分の中で「大変な事」「めんどうな事」になっていったのは事実。仕事に入る度にこう、熱いお湯に入るような躊躇がいつもあって。入ってしまえば気持ち良くなるんですがね。

まあ、そんな感じで20年くらいは素振りしないでやってきた。その弊害が「絵が硬くなってくる」ですよ。テクニックで精緻にはなってくるんだけど。ここ数年は特に、自分の絵、なんだか硬くてしなやかさがなくなってきたなあと感じてた。

そんな時に偶然手にした例のボールペン。これに出会ってすごく解き放たれた。すっごい自由。なんでも描けるぜ今、自分。そんな気分で素振りがまた始まったんですよ。

しかも若い頃の素振りはどこかこう、やらなきゃ、とか義務感とかもあったんだけど、今はただただ楽しい。手を動かしてることが楽しくてたまらない。この歳になって、あ、今日で58歳になったんだが(笑)、ここにきてこんな気持ちにさせてくれたSigno 0.38に感謝ですよ。ありがとう!

【質問】0.28は細過ぎですか。signoヘビーユーザーとしては、この細さがたまりません。

@Eguchinn
ああーいやいや、0.28が自分に合うというならそれが一番じゃないですか。0.38は僕にはものすごく合いますけど、どの道具が合うかは人によってそれぞれですよ。

というわけで今日の5分間素振り。 ナウシカのコミックス最近やっと全巻揃えた。(遅いよ!) pic.twitter.com/3kHc2SnZS0

おまけ(『久保ミツロウ』先生の便乗)

表紙カラーやる前に江口先生真似して5分間素振り的落書き。演劇のチラシ見ながら。あー楽しい。仕事全然絡まない絵もっと自分のために描いていこう…。 pic.twitter.com/t6EcHiMPiu

まとめ

下描きしないで『5分以内』と決めて写真見ながら描く。

今まで自分が描いたことないアングルやポーズ
引っかかる部分がある写真はそのまま捨てずに描いてから捨てたほうが得

写真そのまま描くというよりも自分の絵に変換しながら描くとより効果的

水の中に入ったらモノはこう歪むんだとか、水に濡れた服はこうはりつくんだ、とか、いろんな「気づき」があるはず。
それを自分の描き方で描いてみる。
それは記憶として残る。

画力=記憶力

野球でバッターがやる「素振り」とかピッチャーがやる「投球練習」みたいなもの

参考にしている写真の中にある情報=線のどれを省いて、どれをとれば一番それらしく見えるのか、自分の絵になるのか、その取捨選択を瞬時に行いながら描く。

反省も含め、一度描いてみることで自分のものになるんです。

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