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大阪個室ビデオ店放火事件とは【小川和弘】

大阪個室ビデオ店放火事件(おおさかこしつビデオてんほうかじけん)は、2008年10月1日に大阪府大阪市浪速区の個室ビデオ店で発生した放火殺人事件である。25人が死傷した。

更新日: 2014年08月28日

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大阪個室ビデオ店放火事件

大阪個室ビデオ店放火事件(おおさかこしつビデオてんほうかじけん)は、2008年10月1日に大阪府大阪市浪速区の個室ビデオ店で発生した放火殺人事件である。25人が死傷した。

2008年10月1日午前3時頃、浪速区の難波駅前商店街の一角にある雑居ビル1階の個室ビデオ店から出火し、約1時間40分後に鎮火した。同店には32室の個室があり、出火当時26人の客と3人の店員がいたが、15人が一酸化炭素中毒で死亡し、10人が重軽傷を負った。なお、10月14日朝には意識不明の重体だった男性客が入院先の病院で死亡し、事件の犠牲者は計16人となっている[2]。また、2日夜までに25〜61歳の男性12人の身元が確認されたが、3人については身分証明証の類を所持していなかったこともあって確認が難航し、最後の一人の身元が判明したのは24日になってからだった。

当初はタバコによる失火とも見られていたが、同日午後になって火元の個室を使用していた東大阪市在住の当時46歳の男が現住建造物等放火などの容疑で逮捕された。被疑者は、電機業界大手の松下電器産業(現・パナソニック)に入社。その後、松下電器産業でリストラされた後、無職で定職もなく生活保護を受けていた。また、事件の後に消費者金融から多額の借金があることも分かった。

警察の取調べによれば、被疑者は数日前に知り合った人物に連れられて同日午前1時半頃に来店。「生きていくのが嫌になり、ライターで店内のティッシュペーパーに火を付け、持ってきたキャリーバッグの荷物(新聞紙や衣服が入っていた)などに燃え移らせた」と供述していることが明らかにされており、この火がソファーなどに燃え移って延焼したと見られている。
事件同日は偶然にも、個室ビデオ店舗などにも自動火災報知器の設置を義務付ける改正消防法の施行当日であり、この事件を受けて全国で個室ビデオやカラオケボックスなどに対する緊急の立ち入り調査が行われた。その結果、多くの店舗で報知器や消火器の未設置など、消防法違反や防火体制の不備が確認されたことが報じられている。

10月22日、大阪地方検察庁は被疑者を殺人、殺人未遂、現住建造物等放火の罪で起訴した。戦後日本において起訴された事件で一人の人間が一日で犯した殺人による死者16人は過去最悪の人数である。

http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%80%8B%E5%AE%A4%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA%E5%BA%97%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6_%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%80%8B%E5%AE%A4%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA%E5%BA%97%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81

小川容疑者は大手企業の退職や離婚などに加え、多額の借金を抱えて生活保護を受けるなど苦しい生活が続き、事件当日は自暴自棄になっていたとみられる。個室内でバッグに火をつけて炎上させ店外に逃げたとされ、逮捕当初は「煙が充満し、怖くなって逃げた」などと供述していた。

付記

個室ビデオ店が入っていたビルは地上7階建て、述べ1318平方メートル。面積約220平方メートルの1階にあった個室ビデオ店は、ほとんど窓がないため、消防法上の「避難上または消火活動上有効な開口部を有しない階(無窓階)」に該当していた。無窓階は地下階と同様、防災上の観点から設備面でより厳しい規制がかかるが、同店は非常ベルや自動火災報知機などを規定通りに設置しており、同法上の違反はなかった。しかし、同店は個室が並ぶエリアへの出入り口がひとつしかなく、廊下は約40mに渡る迷路のような状態であった。また改装前の1Fにあった排煙用の2つの窓は、客が料金を支払わずに逃げるのを防止する目的で、ビデオ店の経営者が石膏ボードでふさいでいた。また、ティッシュなどの消耗品や使用済みバスタオルを置くスペースがなかったため、個室エリア中央付近の通路に棚を据え付けて保管。個室から回収したごみ袋もこの場所に一時的に集めていた。市消防局が「避難時の障害物になる」と口頭注意したが、店側は改善していなかった。また出火当時の廊下は真っ暗で、非常用照明設備に不備があった可能性も指摘されている。ただし消防局によると、昨年5月に立ち入り検査した際、消火器や自動火災報知設備など消防法で定める防火設備は設置され、設備の点検・報告のミスや防火戸の不備など軽微な違反しか確認していない。また建築基準法で複数の出入り口の設置が義務付けられるのは、建物の2階より上の部分だけで、1階だった同店は適用外。スプリンクラーも、同店は設置が必要となる店舗面積以下で、窓については設置を義務付ける規定はない。
 ビルの元所有者で、防火管理者でもあり、ビル6Fに住んでいた男性管理人は、出火後に鳴った火災報知器を、過去にもあったタバコの煙による誤作動と思いこんで切ったことが明らかになっている。このときにはすでに店内全体に火が燃え広がっており、客の死亡との因果関係はなかったという。消防法は設備の維持・管理や訓練の実施を求めているが、出火時の具体的な対応は定めていないため、法違反は問われていない。
 総務省消防庁は2003年2月の通知でホテルや旅館のほかに、マッサージやレンタルルームなどのような(1)不特定多数者が継続的に宿泊(2)ベッド、長椅子など宿泊設備の設置(3)深夜営業――など「副次的目的で宿泊サービスを提供している施設」にも厳しい防火管理を求めたのに、大阪市消防局はこの個室ビデオ店に対し、店独自の防火管理者を置くよう指導していなかったことが判明している。市消防局は立ち入り検査の際、継続的に宿泊施設として利用されている実態をつかめず、一般事務所と同じ扱いにしていた。
 大阪府警浪速署捜査本部は2009年9月30日、ビデオ店の経営者や入居先のビル所有者について、業務上過失致死傷容疑での立件を断念し、捜査を終結したと発表した。排煙設備の不備など法令違反はあったものの、放火によって火勢は一気に広がっており、経営者らが重大な結果回避義務を怠ったとまでは言えないと判断した。府警によると、(1)窓など排煙設備がない(2)非常用照明の不備(3)壁の決められた部分に燃えにくい壁紙を使っていない-の建築基準法違反が見つかった。しかし、出火から2分程度の短時間で、店の入り口付近まで燃え広がっていたことが判明。3点の不備がなかったとしても被害は防げなかったと判断した。

http://www.geocities.jp/hyouhakudanna/punish2014.html#ogawak

指摘される問題点

この火災については、次のような問題点が判明している。


火災に際して、店員による消火活動や避難誘導などが行われなかったとされる。

個室エリアへの出入り口が一ヶ所しかなかった。実際に火元から奥の部屋に被害者が集中している。

同店の客の証言として、狭い通路にジュースの段ボール箱が積まれるなどして通りにくい状態がみられたという。

なお、同店は消火器や誘導灯、自動火災報知器は備えていたが、消防法の規制以下の面積であったためスプリンクラー設備は設置されていなかった。

また、一旦は鳴った火災報知器のベルを、同ビルの防火管理者でもあった管理人がタバコの煙による誤動作と思い込んで止めたことが分かっている。


しかし、これらの問題点について、大阪府警は2009年9月30日に、店やビル管理会社について、業務上過失致死傷罪での立件を断念し、一連の事件の捜査を終結した。誘導灯や火災報知機が備え付けられていたとしても、被害状況は変わらないことがその理由とされた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%80%8B%E5%AE%A4%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA%E5%BA%97%E6%94%BE%E7%81%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6

裁判焦点

小川被告は逮捕当時に「たばこに火をつけた」「寝ていた」と供述するも、すぐに「生きていくのが嫌になり、火を付けた」と容疑を認めていた。10月4日の弁護士との接見では、放火の動機と当時の行動について「自分としては1人で死ぬつもりだった。でも、煙で苦しくて、我慢できなくなり部屋から出てしまった」と明かしていた。
 しかし小川被告が接見した弁護士に対し「夢の中のような状態だった。火を付けてから少しの間、記憶がない」などと心理的に不安定な状態だったことを話していたこと、さらに事件の半日前、奈良県内の宗教施設で幻覚作用をもたらすお茶を飲んでいたことも判明したため、大阪地検は刑事責任能力の有無を見極めるため、専門医に依頼して10月14日から簡易精神鑑定を実施。心理テストや問診などで、数日かけて小川容疑者の犯行当時の精神状態を分析した。「犯行当時、善悪を判断し、自分の意思に従って行動する能力があった」との鑑定を踏まえ、地検は小川容疑者に刑事責任能力があったと判断。大阪地検は10月22日、殺人と殺人未遂、現住建造物等放火の罪で小川和弘被告を起訴した。地検は物証などから放火の立証は十分可能と判断。殺人罪の適用についても、▽個室は狭く、ソファベッドなど多くの可燃物があった▽店内は実質的に窓がなく、通路も狭いなど脱出困難だった▽深夜で客が就寝していることを予想できたなどの客観的事実から明確な殺意があったと判断した。起訴内容は、他の個室にいた男性客22人のうち、16人を一酸化炭素中毒などで殺害、残る6人中4人に重軽傷を負わせた、としている。ほかにも店員や近隣住民計5人が負傷したが、殺意が立証できる対象は、個室内にいた客22人(うち死傷者20人)であるとした。地検によると、被害者数22人、死亡16人は、起訴された放火事件では過去最多という。
 小川被告は起訴数日前から、「火を付けた記憶はない。キャリーバッグを持って入った記憶もない」と供述を変え、犯行を否認するようになった。

 公判前整理手続きの結果、主な争点は▽火災原因は小川被告の放火か▽火を付けたとして、小川被告に客への殺意があるか▽逮捕直後の自白に任意性があるのか▽事件当時、責任能力があったか――とされた。
 2009年9月14日の初公判で、小川被告は「放火はしていません」と無罪を主張。弁護側も「殺意を持ったことはなく、放火行為もない」などと述べた。
 冒頭陳述で検察側は火災直後、小川被告がいた部屋のキャリーバッグから火の手が上がっていたとする客の目撃があったと指摘。「壁の焼損などから、小川被告がいた部屋が出火元なのは明らか。失火ではここまで燃え広がらない。店内の構造を熟知しており、火災発生も周囲に知らせず逃げた」と主張した。 一方、弁護側は「小川被告が利用していた部屋が火元ではない。もっとも焼損が激しいのは9号室であり、それは警察の実況見分調書に記されている。犯人は9号室の使用者である可能性が高い。自白は警察官の強要によるもの」と反論した。
 検察側は、「小川被告が使っていた18号室が火元と推察される」とした大阪市消防局の検証結果を明らかにした。同市消防局は、燃焼状況などから火元の可能性がある場所を9号室を含む4か所に絞り込み、男性客の目撃証言をもとに18号室と特定したことを明かした。
 17日の第2回公判で店員が証人出廷し、「小川被告の部屋でバッグから約80cmの炎が立ち上るのを見た。他の部屋では炎も煙も見なかった」と証言した。また現場の焼損状況を鑑定した大阪府警科学捜査研究所の研究員も出廷し、「一番よく燃えているのは別の部屋だが、炎の流れをさかのぼると、小川被告の部屋から燃え広がったと考えられる」と述べた。

18日の第3回公判で火災の第1発見者とされる男性客が証人出廷し、「廊下が焦げ臭かったので周囲を見渡すと、個室のドアが開いて小川被告が出ていった。部屋をのぞくとバッグが燃えていた」と証言した。9号室の客の男性も出廷し、「ドアのすき間から黒い煙が入ってきたので開けると、火が入ってきたので逃げた」と述べた。  10月1日の第6回公判では、起訴前日の2008年10月21日に撮影し、検察の取り調べに小川被告が否認する状況を録画したDVDが上映された。双方が証拠申請したものだが、弁護側は「自白に任意性がないことを示す証拠」、検察側は「自白は任意になされたものだ」と主張しており、同じ証拠を巡り立証趣旨が対立している。
 9日の第7回公判で、秋山敬裁判長は、小川被告が放火を認めた供述調書など14通について、「任意性がある」として証拠採用した。
 15日の論告求刑で検察側は、「焼損状況や証言から被告の部屋が火元なのは明らかで、失火も考えられない」と指摘。逮捕直後の自白は任意だったとした上で「自白によるまでもなく、火事になれば客の避難が困難になると認識しながら、自殺するために火を付けたことは優に認められる」とした。そして「起訴された放火事件では戦後最大の被害。動機は身勝手で、無責任な通り魔的無差別殺人が社会に与えた影響は大きい。突如強制的に人生に幕を下ろされた被害者の無念さは計り知れない」とした。
 同日の最終弁論で弁護側は「被告の部屋を火元とする大阪府警科学捜査研究所職員や目撃者の証言は信用できない。出火元が別の部屋で、その使用者が真犯人である可能性がある。自殺する気持ちはなく、犯行の動機がない」などと反論した。
 小川被告は最終意見陳述で、涙声で「本当に火をつけていない」と繰り返し、「やっているなら認めて死刑になる。自分だけ助かろうとは思っていない。言い逃れしているわけではない」と述べた。また、遺族3人が論告求刑に先立ち、悲痛な思いを陳述し、論告で検察側が犠牲者全員の経歴や遺族の心情を述べたことについて、「同じ人間として、聞いていてつらかった」と話した。
 秋山裁判長は判決理由で秋山敬裁判長は、証言や現場検証の結果を基に「火元は被告がいた部屋で、失火は考えられない」と小川被告の放火を認定。「狭くて避難しにくい店舗の構造や、ほかに客がいたことを理解しており、放火すれば死者が出ると認識していた」と殺意も認めた。焦点となった供述調書についても秋山裁判長は「厳しい刑から逃れたいと思って否認に転じたとみられ、供述調書は信用できる」と弁護側の主張を退けた。その上で「自殺目的の動機は身勝手極まりなく、何の落ち度もない16人を殺害した残虐な犯行だ。放火を否認するなど、結果に真摯に向き合う態度に欠けている。最大限の非難に値し、生命をもって罪を償うべきだ」と述べた。

2010年11月30日の控訴審初公判で、弁護側は、炎の流れなどから火元を特定し小川被告の放火を認めた一審判決について「焼け方が一番激しかった別の部屋が火元」と反論。同被告の部屋から火が出ているのを見たとされる店員の証言も「目撃した位置の供述が変遷しており、信用性を欠く」と述べ、一審同様無罪を主張した。検察側は「主張は一審の繰り返し。判決は正当で誤りはない」として控訴棄却を求めた。
 2011年4月26日の公判で弁護側は「放火を認めた自白は取調官の誘導があり、信用性はない」と改めて無罪を主張。検察側は「現場から収集された客観証拠と自白は整合し、一審判決に誤りはない」と控訴棄却を求めて結審した。
 判決で的場純男裁判長は「捜査段階で放火を認めた供述や、被告がいた個室から火が出たとする目撃証言は信用できる。炎が流れた形跡や壁面などの焼損状況からも被告が放火したのは明らかで、ほかの客が死亡する危険があることも分かったはずだ」と述べ、殺意を認定し、無罪の主張を退けた。また、失火の可能性がなく、被告が店の外で「すいません」「補償します」と述べたという証言を踏まえ、「放火は事実誤認」との主張を退けた。供述調書の任意性についても「警察官が机をたたくなどして追及した可能性はあるが、脅迫的とまではいえない」と退けた。量刑を争う控訴審ではなかったが、的場裁判長は事件の重大性を考慮し、職権で量刑を検討した。被告が捜査段階の終盤で否認に転じて公判で放火を全面否定したことなどを挙げ、「個室ビデオ店が避難しにくい構造だったことが、多数の死者を出した原因の1つにあるが、それを承知で放火し、犯罪史上まれにみる大惨事を引き起こした。事件に真摯に向き合う姿勢が欠けており、極刑をもって臨むほかない」と結論付けた。

 2014年2月6日の上告審弁論で、弁護側は「火元は被告がいた個室ではなく、より焼損の激しい別の個室だ。捜査段階の自白は誘導されたもので、任意性も信用性もない」などと改めて無罪を主張。検察側は「炎の流れなどから火元は被告のいた部屋で間違いない。16人が死亡した結果は重大だ」と上告棄却を求めた。
 判決で横田裁判長は、「個室内で過去を振り返り、現在の自分を惨めに思って衝動的に自殺しようとした動機や経緯に酌量の余地はない」と非難。その上で「通路が狭く出入り口が限られ、客が避難しにくい構造を認識しながら安全を顧みることなく放火に及んだ。人命を軽視した極めて危険で悪質な犯行だ。極めて多数の死傷者を出しており、犯行の結果が甚だしく重大。捜査段階終盤から全面的に否認し続けており、真摯な反省の態度はうかがわれない。一、二審の死刑判決を是認せざるをえない」と指摘した。

http://www.geocities.jp/hyouhakudanna/punish2014.html#ogawak

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