国家としてまとまっている民族は、個々の人間と同じように判断されてよい。つまり諸民族は、その自然状態においては(つまり外的法則に拘束されていない場合は)、隣りあっているだけですでに互いに害しあっているのであり、そこで各民族は自分たちの安全のために、それぞれの権利が保障される場として、市民的体制と類似した体制と一緒に入ることを他に対しても要求でき、また要求すべきなのである。これは国際連合と言える

出典カント『永遠平和のために』(宇都宮芳明訳、岩波文庫)から引用(原文は「国際連合」には傍点があるが略しました)

観念の中から「最高善」を引き出すカントの思考は、単に観念的というだけでなく現在の国際標準に近い倫理性を記述したことを確認しましょう。カントの「目的の王国」という理想国家の観念は、その後200年くらいの時間をかけて現実化するに足る価値を持っていたということになります。

前へ 次へ

この情報が含まれているまとめはこちら

《大学入学共通テスト倫理》のためのイマヌエル・カント

センター試験の倫理科目のために哲学者を一人ずつ簡単にまとめています。イマヌエル・カント(1724~1804)。キーワード:「アンチノミー」「理性」「超越論的」「定言命法」「ドイツ観念論」主著『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』『永久平和のために』

このまとめを見る