主権者の力は人間がつくりうると考えられる最大のものである(略)これほど無制限の権力からは、望ましくない結果が生まれることを想像する人々もあろうが、それがないことから生ずる結果に、つまり各人が隣人とつねに戦争状態にあることに比べれば、はるかにましである。

出典ホッブズ『リヴァイアサンⅠ』(永井道雄、上田邦義訳、中公クラシックス)から引用

この主権者の規定は、ホッブズの思想が「絶対王政」の支持をすすめる影響も与えたそうです。たしかに、現行の権力が強くあるべきという発想に行きやすい議論を展開しています。ただホッブズ自身はどの政治体制を支持したかは曖昧で、主権者と主権を分離していると見なせる記述もあり、ホッブズ=「絶対王政支持者」とは言えません。

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《大学入学共通テスト倫理》のためのトマス・ホッブズ

センター試験の倫理科目のために哲学者を一人ずつ簡単にまとめています。トマス・ホッブズ(1588~1679)。キーワード:「万人の万人に対する戦い」「自己保存の欲求」「譲渡(じょうと)」「社会契約説」「絶対王政」主著『リヴァイアサン』『哲学原論(物体論、人間論、市民論)』

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