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発達障害者の就職は人類で最も困難

発達障害者の新卒で就職できるのは4人に1人。失業率75~97%、自殺は8倍多く、寿命は16年短い。

更新日: 2017年10月18日

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陣ヶ下渓谷公園(横浜市)(Photo by rolly-corn)

失業率75-97%

自閉症スペクトラムの人たちの失業率は、経済が健全なときでも75%から97%の間を推移しうるという。

原文:unemployment rates for people on the autism spectrum can range from 75% to 97%, even when the economy is healthy.

大人のアスペルガーの80%はフルタイムの仕事を持っていない。働けないからではなく、仕事をする間、社会に受け入れられるようにできないからだ。

原文:80% of grown-ups with Aspergers do not have full-time jobs ? not because they can’t do the work, but because they can’t manage to be socially acceptable while they get the work done.

失業給付を受けている自閉症の人たちの79%は働きたいと思っているという事実にもかかわらず、自閉症者のうちフルタイムで雇用されているのは15%しかいない。

原文:Only 15% of people with autism are in full time employment, despite the fact that 79% of people with autism on out of work benefits want to work.

一部は引きこもりになる

英国にいる自閉症の成人のうち51%は、仕事にも給付にもありつけずに時間を過ごし、そのうち10%はこの立場が10年以上続いている。

原文:51% of adults with autism in the UK have spent time with neither a job, nor access to benefits, 10% of those having been in this position for a decade or more.

就職できても賃金は低い

職業リハビリテーションを受けた自閉症者で退所時に就職できたのは60%だったが、多数は米国の貧困線を下回る収入だった。

原文:60 percent of people with autism who received services from Vocational Rehabilitation left the program with jobs, but a majority earned wages below the federal poverty line.

ASDの若い成人は、平均して時給8.10ドルで、対照群よりも非常に低い。そして、抱えた仕事も少ない職種に集中している。

Young adults with an ASD earned an average of $8.10 per hour, significantly lower than average wages for young adults in the comparison groups, and held jobs that clustered within fewer occupational types.

48人のASDの若者(平均24歳、19~31歳)の賃金
とても低い 0人(0%)
低い 22人(46%)
まあまあ 15人(32%)
良い 8人(17%)
とても良い 2人(4%)

自殺は8倍多く、寿命は16年短い

スウェーデンにおける最近の研究では、自閉症スペクトラム者の平均死亡年齢は54歳で、対照群(健常者)は70歳である。

原文:A recent study in Sweden showed the average age of death for a person with autism spectrum disorder (ASD) is 54 years, compared with 70 for matched controls.

自閉症スペクトラム者の自殺傾向は7.55倍だった。知的障害を伴わない自閉症スペクトラム者は、そうでない自閉症スペクトラム者よりも自殺リスクが高かった。そして、特異なことに、女性の方が男性よりもリスクが高かった。

原文:People with ASD were 7.55 times more likely to die by suicide. People with high-functioning ASD were at greater risk of suicide than low-functioning groups, and – unusually – women were more at risk than men.

もう少し明るいデータもある

発達障害者は日本再生の鍵

ほとんどの人は人間の知能というものを体系的に理解していません。学力テストは仕事に必要な知能を見過ごしてますし、知能テストに関しては前頭葉を損傷してもはっきりした変化が見られないとまで言われています(脳と教育―心理学的アプローチ 坂野登編 p.18)。だから、特殊能力を持った人がいて、周囲はその能力の存在を知らず、本人はそれを誰でも持っていると思い込み、結果として特殊能力を腐らせているということも考えられます。前の例で出てきたイヌ君は、「ワン」と鳴くことができる特殊能力を持っていますが、それに気づいていません。駅名を全部覚えるような過酷な暗記作業をこなす人は、商品を100種類暗記できるかもしれません。

知能の凹凸が激しいということは、凸の部分も激しいということです。つまり、未知の能力において特殊能力を持っている可能性があります。通信簿に5段階評価の1と5が並ぶ確率は、凹凸が激しくない人では非常に低いでしょう。1と5が並んでいるということは、それ以外の能力も1と5が並んでいる確率が高いのです。

発達障害者は、特定の事だけなら優れた知能を持っている可能性はあるのです。きちんとした専門機関が、凹凸の激しい人たちを集めて精密検査すれば、特殊能力を持った人材をたくさん発掘できる可能性があります。

この凹凸は、おそらく遺伝子が仕組んだものです。一定の割合で極端な個体を発生させることで絶滅を防いでいるのです。過酷な環境下で自閉症リスクが高まるのもそのせいでしょう。この現象は人間以外の動植物にもあるかもしれません。

知能の凹凸が激しければ、何かの分野で常人が認識できない概念を認識できるかもしれません。その能力も常人が認識できないので、常人が気が付いたり活用したりすることは困難です。したがって、当事者や専門家による気づきが重要です。ものごとの深い部分が見えれば見えるほど、成果は倍々に上がります。

圧倒的な技術は魔法に見えます。それをさらに上回ると、その存在すら認識できず、iPhoneやWindowsのように、「ローテク」に見えるかもしれません。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツは凹凸をうまく活かした事例かもしれません。

日本再生の鍵は、劣等生の烙印を押されたまま優れた知能を眠らせている人たちにあるのかもしれません。劣等生のレッテルを剥がしたエジソンは氷山の一角で、剥がせずに眠っている人たちはたくさんいるはずです。眠っている知能を発掘する試みは、すでに始まってきています。

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