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憲法改正で徴兵制導入は軍事的にはありえない理由

憲法改正や安保法案により徴兵制が導入されるという考えが軍事的にありえないことを解説しています。

更新日: 2017年06月18日

Parabellumさん

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憲法改正で徴兵制が導入される?

岡田氏は集団的自衛権の行使容認により自衛隊活動のリスクが高まれば、 入隊希望者が減少し、徴兵制導入の議論が浮上する可能性があると質問。 これに対し、首相は「憲法解釈上、苦役に匹敵する。議論の余地はない。徴兵制はいわば憲法違反になる」と否定した。

枝野幸男・民主党憲法総合調査会長

 自分の国を自分たちで守ることについてはモチベーションがあるので、個別的自衛権を行使するための軍隊は志願兵制度でも十分成り立つ。しかし中東の戦争に巻き込まれ、自衛隊の方が何十人と亡くなるということが起きた時に、今のようにちゃんと自衛隊員が集まってくれるのか真剣に考えないといけない。世界の警察をやるような軍隊をつくるには、志願制では困難というのが世界の常識だ。従って集団的自衛権を積極行使するようになれば、必然的に徴兵制にいかざるを得ないと思う。

憲法が改正されても徴兵制は導入されないという意見も

石破茂自民党幹事長も日本に徴兵制は要らないと明言しておられます。

私は現在の日本において徴兵制をとるべきではないと考えています。
陸・海・空とも現在の自衛隊は複雑かつ精密なコンピューターの塊のような装備・システムで運用されており、適切な人員で相当に高い錬度を維持しなければその能力を発揮することは不可能です。

徴兵制、「新党」について(2010/3/12 石破 茂オフィシャルブログ)

特に戦後教育を受けて反日・反戦思想を強く植え込まれてきた人達にすれば、憲法改正など戦後体制からの脱却を唱えている保守派の論客である安倍さんや、防衛政策に精通している石破さんなどを所謂「タカ派」と思い込んでしまう人も多いだろう。

左翼はそうした戦後日本人の特殊な心理状態、マインドに付け込み「安倍政権になれば徴兵制が復活する」と吹き込むことで日本人の戦争アレルギーを程良く刺激し、それによって安倍さんや自民党=軍国主義復活を企む危険分子と誤認させようとしているのだ。

だが断言しよう。仮に安倍政権が誕生しても戦前のように徴兵制が復活するようなことはあり得ないと。

自衛隊がいつも定員割れで悩んでいるからといって、軍になれば徴兵制に飛びつくワケではない。

軍事的観点からの徴兵制が導入されない理由

戦争の近代化と兵器の機械化・精密化・自動化の進展は、少人数で高性能の兵器の運用が可能となったことから軍隊の省力化と定員の減少をもたらし、同時に兵器の運用技術の高度化・専門化を招いた。定員の減少によって大量の新兵募集は不必要となり、訓練にも費用が掛かり過ぎるなどの理由によって徴兵制度の存在意義は低下した。

パソコン(TOUGHBOOK)を扱うアメリカ軍兵士。電子機器や車両・航空機・艦船の技術進歩などで兵士に求められる能力は専門化・高度化されていった。

仮に10~20歳の若者を徴兵するとなると、給料や養成費用で大きな予算が必要になる。それに、若い労働者を奪うことによって社会全体が労働力不足となり、国内消費も低迷するなど国家経済におけるデメリットも無視できない。

出典gkgk.info

10~20代の人口が少ないことがわかる。

兵器の性能が非常に高度・複雑化しておりそれを扱う兵士にも高い技量と知識が求められる上、メンタル面でも高い向上心や繊細さが必要になっている。それに、PKOや災害援助などの国際貢献が本来任務化している中では語学力や民政協力など戦闘以外のソフト面での知識、技量を身につける必要性もある。

そのような技能を身につけた優秀な兵士を育成するには大きなコストと時間が必要になり一長一短で出来るものではない。だから徴兵制のようにせいぜい1~2年程度の任期しかない兵士を大量に募集することは質の低下に繋がりデメリットの方が大きいのだ。

国防という任務のほかに災害救助、外国での支援活動も行う自衛隊では土木・建築・医療・通信・通訳・輸送・整備・会計など専門的技能が必要になってくる。これらを短期間で修得するのは困難である。

徴兵制不可避論について、軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「軍事の現実を無視しているのではないか」といい、こう続ける。 「現代の軍隊は、通信機器や兵器が高レベルで、少数精鋭のプロ集団だ。 徴兵制を導入して、一般の人が自衛隊に入ってきたらレベルがぐんと下がる。教育コストもかかり、非効率だ」 実際、世界では徴兵制を廃止している国が相次いでいる。

世界の170ヶ国の内、徴兵制を実施しているのは67ヶ国であり、半分に満たない。また、徴兵制を実施している国は発展途上国で人件費が安い、現在戦争中または戦争の脅威にさらされているなどの事情がある。

こうなると、招集に時間を要し、練度も低い徴兵制は不適切です。即応性と練度に優れた志願兵制の方が時代に適合しています。かねて徴兵制を敷いていた国も、徴兵制を廃止または縮小して志願兵制に移行してきました。

NATO(北大西洋条約機構)は2001年9月11日の米中枢同時テロで初めて集団的自衛権を行使した。 同年以降、NATO加盟国のうち、ドイツやイタリアなど13カ国が徴兵制を廃止・停止しているのだ。 野中氏や加藤氏らの論理に従えば、NATO加盟国は続々と徴兵制を導入することになるはずだが、 実態は逆なのだ。

NATOに加盟している28か国を例にとると、90年代から00年代にかけて次々と徴兵制を廃止している。

徴兵制の採用国は現在、エストニア、トルコ、ギリシャ、デンマーク、ノルウェーの5か国にまで減少している。

②核兵器などの大量破壊兵器の登場とそれによる大規模な戦争が発生する可能性の低下

つまり、「兵士のプロフェッショナル化」によって徴兵制で集めた兵士を育てただけではとても現代戦に対応出来ず、また大規模な戦争が発生する可能性が低下し、大量破壊兵器のような低コストで強力な抑止力となる兵器が登場したことで兵士の数を揃えられるだけ揃えるという必要性がかなり低下したため、徴兵制は無意味になったといえる。

徴兵制を維持するのは亡国の危機にある国や人口が極端に少ない国

現代でも亡ぶか亡ぼすかという全面戦争を意識せざるを得ない国々(北朝鮮、韓国等)は徴兵制を保持しています。

また、ロシアのクリミア併合以降、突如として亡国の危機を意識せざるを得なくなったウクライナほか東欧の国々は徴兵制を復活させています。

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