学科の星屋です。センター倫理の小ネタ。哲学者ヘーゲルの主著は『精神の現象学』。この中の「主と奴の弁証法」という論は有名。自己意識が不在の主人に奉仕するという奇妙な内容だが、それをそのまま物語の設定にしたものが、寺山修司の演劇『奴婢訓』である。

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この「主人と奴隷の弁証法」は名前からして大分ゴスですが、「承認をめぐる生死を賭けた戦い」に敗北したあと、「死という絶対主人」に奉仕する「奴隷としての自意識」というのがもうスゴイです。哲学の著作の中で一番ゴスでしょう。人間の精神がそうして誕生すると想像するだけで何ともいえない気分になります。ところで、『奴婢訓』は、ヘーゲルのこの精神の自己展開論に「不在の脚本家に操られる役者のドレイ状態からの解放(は可能か?)」という創作論を重ねていると思います。

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《大学入学共通テスト倫理》のためのゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

センター試験の倫理科目のために哲学者を一人ずつ簡単にまとめています。ゲオルク・フリードリヒ・ヘーゲル(1770~1831)。キーワード:「弁証法」「テーゼ(正)、アンチテーゼ(反)、ジンテーゼ(合)」「止揚(アウフヘーベン)」「絶対精神(世界精神)」主著『精神現象学』『法の哲学』『歴史哲学』

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