世界精神は、まとまりを持った個々の主体の関心の総体とは別ものなのだから(略)世界精神の理性が非理性的でしかないのは、今に始まったことではない。(略)特殊なものは何一つ我慢できないという者は、もうそれだけで自らの特殊な形で支配する者であることを暴露している。

出典テオドール・W・アドルノ『否定弁証法』(木田元、徳永恂、渡辺祐邦、三島憲一、須田朗、宮部昭訳、作品社)から引用

ここではヘーゲルの世界精神は、個人を一元的に支配する「全体主義」の象徴とみなされています。アドルノはヘーゲルとヘーゲル主義の構成を「この構造は現実に忠実だった」と言う。つまり、彼は現実はいつでも全体主義に進んでいると感じ、それを阻むためにヘーゲルの思想と格闘する必要を説いています。

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《大学入学共通テスト倫理》のためのゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

センター試験の倫理科目のために哲学者を一人ずつ簡単にまとめています。ゲオルク・フリードリヒ・ヘーゲル(1770~1831)。キーワード:「弁証法」「テーゼ(正)、アンチテーゼ(反)、ジンテーゼ(合)」「止揚(アウフヘーベン)」「絶対精神(世界精神)」主著『精神現象学』『法の哲学』『歴史哲学』

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