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両手足を失った少年「雄太」まとめ

事故により両手足を失った少年の懸命に生きる姿を追う。2003年6月1日「NNN ドキュメント’03」放送。

更新日: 2017年02月01日

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romonさん

非行少年

雄太の生活は中学に入った頃から荒れ始める。夜遊びを繰り返し学校にはほとんど行かなくなった。バイクを盗んでは無免許で乗り回す。ただ楽しければいいと母親の心配をよそに好き勝手やってきた。

遊ぶためのお金が欲しくて万引きや恐喝を繰り返し少年院にもいった。両手足を失う事故はそんな荒れた生活のさなかに起こった。

爆発事故

「車の中ボワッて、火が」(雄太)
雄太はシンナーなどの薬物に手を染めていた。その日、車の中でライター用のガスをビニール袋にためて吸っていた。

気づかないうちに車内に充満したガスに引火して爆発。全身火に包まれた雄太は救急車で病院に運ばれる途中、意識を失い、生死の境をさまよう。次に目を覚ましたのは一か月半後のことだった。

「意識がパッと戻った時にはどこにいるかも分からなくて…。いろんな自分がいましたね。死にたいっていう自分もいたし、頑張んなきゃだめだっていう自分もいたし、しょうがないっていう自分もいたし」(雄太)

深刻なやけど

全身の70%近くに重いやけどを負った。手や足の組織が広い範囲で死んでしまった。感染症を防ぐために手や足は切断するしかなかった。足の切断した部分を襲う激痛、さらに原因不明の吐き気。事故で手足を失ってからも入退院を繰り返す。

家族

母親は雄太が小学校に上がる前に離婚(夫のギャンブルにつぎ込まれる借金が原因)。それから女手一つで三人の子供を育ててきた。現在は母親、雄太の兄、雄太の三人暮らし。

すれ違いの生活をしていた年頃の息子と母親が、四六時中顔を突き合わすようになった。

「何とも言えませんよ…もう…どうしていいんだか…
 何がどうなってんだかわかんないし…
 事故のことは詳しく聞けなかったから
 即病院行って…
 まさかね…完全に元気になるときには五体満足に生んだのにと思って…
 手足なくなるなんて思わなかったし」(母親)

もともと60キロ近くあった体重が38キロに。
しかし母親一人で抱きかかえるのは一苦労。
時には喧嘩も。

(雄太を車椅子からベッドに移動するとき)
雄太「何がどうしたいの」

母「降ろしたいの」

雄太「1人で無理に決まってんじゃん」

母「だってお母さん一人しかいないじゃん、どうするの」

雄太「ずっとこうしてるしかないじゃん」

母「またそんなこと言ってる、無理でしょう」

雄太「馬鹿じゃないの、だったらいいって言ってんじゃん」

母「なんで?降ろすって言ってんじゃん」

雄太「1人で抱えられんのかよ!テメーは!」

母「分かんないよ!やってみなきゃ!」

最初は母親にトイレの世話をしてもらうのが嫌でたまらなかった。
しかしそんな現実を受け入れるしかなかった。

四歳年上の兄も弟の手足となって身の回りの世話をしている。
「天国から地獄に落ちた感じ、でも生きてるだけでよかった。
 生きてればこれから一緒にできることもあるし。
 意味があるから生き残れたと思うから」(兄)

チャット

部屋には少しでも気分が明るくなるようにと母親が買い集めたキティちゃんグッズがあふれている。事故を起こしてからは一人で過ごす時間が増えた。

切断された腕の先端で器用にパソコンのキーボードをたたいていく。同年代の人とチャットを楽しんでいる。時には事故や障害について打ち明けることもある。

「一人でいると悪いこともかんがえちゃうからどんどんブルーになっていくんですよね」(雄太)

(事故について)
「天罰かなと思ってる。
 悪いことをした分、自分に跳ね返ってきたと思う」(雄太)

再び学校へ

事故から一年、切断された右腕にペンを固定して受験勉強をしている。高校を中退した不良少年がもう一度学校に行きたいと思い立った。
「人との触れ合いもほしいし、自分でいろんなことをやってみたい」(雄太)

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