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防衛省、アメリカと国産水陸両用車共同開発検討【米海兵隊・陸自水陸機動団】

ウォールストリート・ジャーナル日本版は防衛省がアメリカと水陸両用車を共同開発しようとしていると報道しました。アメリカの水陸両用車開発計画と共同開発の狙いについて解説します。

更新日: 2016年08月12日

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Parabellumさん

防衛省が国産水陸両用車開発を着手

防衛省が離島奪還作戦などを念頭に、国産の水陸両用車の開発に着手する方針を固めたことが10日、分かった。

防衛省は25年度予算以降、米国製水陸両用車「AAV7」の調達を行っているが、速度面などでより高性能の車両が必要と判断した。将来的には日米共同研究を行い、防衛装備輸出につなげたい考えだ。

研究開発を行うのは、水陸両用車が洋上から上陸する際にサンゴ礁を乗り越える機能や、エンジンの小型化など。三菱重工業が開発を進める技術をベースとし、31年度末まで初期研究を行う予定だ。

三菱重工とゼネラル・ダイナミクスが水陸両用車を共同開発

水陸両用車は、三菱重工業と米ゼネラル・ダイナミクスが共同開発に着手した。

防衛省は、離島防衛強化のため陸上自衛隊に配備する水陸両用車について、米国と共同開発する検討に入った。将来の調達コストの削減が狙いだ。

AAV7は基本設計から30年が経過。海上速度が時速13キロと遅いなど性能に難があり、米国防総省は後継機の開発に取り組んでいる。防衛省としては、この開発に参画し、機種を将来更新する際の調達コストを圧縮したい考えだ。

高コストで開発中止となったEFV水陸両用車

EFV は米海兵隊の AAV7 水陸両用強襲車輌 の後継として進められていたが、2011年1月に Robert M. Gates 国防長官 (当時) の下で国防予算上の制約によって、開発の中止が宣言されている。

EFV水陸両用車は現在、米海兵隊・陸上自衛隊が使用中のAAV-7水陸両用車の後継として開発が進められていた。強襲揚陸艦に火砲などの攻撃が届かない、陸地から46km離れた海上から発進し、水上航行中に敵の攻撃を受ける確率を減らすため46km/hの高速で航行する。そのため、戦車の1500馬力を超える2700馬力のエンジンと車体を変形させるギミックが組み込まれている。また、武装もAAV-7よりも高火力の30㎜機関砲を搭載し、M1A1戦車と同等の照準装置を搭載している。これらによりEFVは高コストになり、導入されなかった。

EFV後継車両「ACV」

EFV (Expeditionary Fighting Vehicle) の代わりで開発が進められる ACV では、海兵隊員 17 名を載せて 12nm (22km) 沖合から 8kt (14.8km/h) の速度で航走できる性能を目指すとしている。PM AAA (Program Manager Advanced Amphibious Assault) によれば ACV では 乗員の生存性を高め、また中規模の部隊で活躍できる MPC (Marine Personnel Carrier) としても画期的に発展を遂げた車輌として再構築をする、としている。

ACVは速度をAAV-7並みに抑えた車両で、陸地から発進地点までの距離も短くなっています。また、イラク戦争の戦訓を踏まえ、対戦車ロケットやIED(即席爆発装置)で攻撃されても乗員を保護できるようにするようです。

共同開発の狙い

陸自の最新鋭戦車に搭載している、小型で高出力のエンジンの技術提供を想定している。

EFVでは兵員室の真ん中に巨大なエンジンがある構造になっており、使い勝手が悪かった。そこで陸上自衛隊の最新鋭戦車である10式戦車の小型で高出力のエンジンを搭載し、改善を図る考えである。エンジンの小型化により設計の自由度が増し、高出力化によって高速が発揮できるようになると考えられる。

1200馬力のV型8気筒4サイクル水冷ディーゼルエンジン

防衛省としては、この開発に参画し、機種を将来更新する際の調達コストを圧縮したい考えだ。

防衛省は新車両をアメリカに量産してもらい、現在のAAV-7を将来新車両で更新する時のコスト低減を図る。

共同開発の課題

米国内で軍産複合企業の影響力は大きく、米政府が共同開発を受け入れた場合でも、米企業に有利な条件を提示してくる可能性がある。防衛省は「コストが下がらず、日本の技術を吸い取られるだけでは意味がない」(幹部)と警戒。米側の出方を見極めながら慎重に判断する方針だ

F-2戦闘機の開発の際に米国の横やりが入り、日本の炭素繊維技術などが流出した前例がある。

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