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「O2O」やら「オムニチャネル」の意味が分からない人のために

一見、難しいこの新語を、平易かつ具体事例で説明してみよう。ネット時代とは言え、商売の本質はいつも変わらない。消費者から見て、ネット活用の敷居が大幅に下がったことで、今日の動きが始まった。単なるネット販売ではないだけに、我々の消費習慣を大きく変える可能性すら秘めている

更新日: 2017年09月16日

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本命・米国では一足飛びにオムニチャネルへと行った感がある。ただ、実態は、米国でもそれほど普及しているわけではない。むしろ、この日本でこそ、これから新しいことが始まるはずだ

「O2O」やら「オムニチャネル」がマスコミをにぎわせ、消化不良のままだった「ビッグデータ」を追い抜く勢いだ。しかし、これは(まとめ編者的には)、農業革命や工業革命(一般的には産業革命)に続く、「商業革命」と言えるインパクトをもつと考える

▼インターネットの本格的な普及から、はや20年。オンラインの存在感が日増しに高まる中、既存のリアル店舗側はどのような反撃に転じるのか

インターネットと商売との関係で歴史を振り返ってみると、Yahoo!の登場(1994年)から始まり、Amazonやebayの誕生(1995年以降)、そしてGoogleが台頭した(1998年)ところで、ネットの利便性が一気に増した。こうして
ネットでの情報探しや買い物に関心が集まるようになり、いよいよiTunesのスタート(2003年)を受けて、コンテンツ販売が急加速される。そして2007年、ついにiPhoneが登場すると、スマホの時代が幕を開ける

様々な企業がE-commerce、いわゆるネット販売を始めているが、とりたて成功している企業はまだ少数である。独自の商品を発売している店舗は、楽天のプラットフォームの中で売上を伸ばしているが、独自運営を試みた大手などはいずれもアマゾンや楽天の前に完敗していた

「クリック&モルタル」はAmazonや楽天などのコマースサイトが誕生した2000年頃から注目を浴びる。これは、オンライン、オフラインを連動させようとする一つの試みだったと言える。しかし、クリック&モルタルではあまり成功事例は生まれず、Eコマースの代表:Amazonが圧勝した。ただ、この頃のネット普及率はまだ低く、ネット利用者はもっと少なかった。そして今日、3割以上の人がネットで買ってもいいかもと考え始めている。実店舗はいよいよショールーム化してしまう可能性すらある。ちなみに、中国ではオンライン販売の比率が米国の何倍にも膨れ上がっている

ショッピングの習慣は、リアル店舗がまだまだ強いのは言うまでもないが、それでも3割以上がネットで調べることから始めて、かつ半分の人が、ネット販売の様々な改善を待って、ネット利用を増やそうと考えている点は、特筆すべきだ。ただし、ネット利用者の多くは、安い商品を探すことが主な理由になっており、売り手からすると、ネットへの完全シフトは躊躇してしまうだろう

【ROPO】=Research Online, Purchase Offline

「ROPO」とは、オンラインで調べて、オフラインで買うという消費習慣のことを指している。なんと、ここでの調査(日本を含まない12ヶ国)では、9割近くの消費者がまずネットで調べていることが分かる。その多くはいまだPCを使っているのだが、外出時には約6割がスマートフォンで確認している。そして、なんとそのまた半分が、スマホでそのまま購入しているという。今後は、店舗に来てからもスマホを利用したりするのか、さらにはソーシャルメディアの影響力がどう出てくるのか、研究する必要があるだろう

インターネットそのものは敵ではない。ネットという戦場で、不慣れな企業が勝てなかっただけだ。しかし、リアル店舗をもつ強みは失っていない。ここに「O2O」で起死回生を図れる可能性がある

▼そもそも「オンライン、オフラインの連動=O2O」とはどういうことだろうか

出典smmlab.jp

【O2O】オンライン(インターネット)の情報がオフライン(実世界)の購買活動に影響を与えたり、オンラインからオフラインへと生活者の行動を促す施策を指す。現在、国内において約110兆円あるリアル店舗での購買行動のうち、「インターネットからの情報収集に基づく消費」、すなわちO2Oによる消費規模は約22兆円(およそ2割)と言われている。これに対し、Eコマースの市場規模は、2ケタ成長を続けながらも、7兆8000億円にとどまっているため、O2Oへの注目が高まった。特に、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアによって、オンラインとオフラインを行き来する生活者の台頭が機運となっている

(双方向の)「O2O」、そして「O2O2O」のどちらでも実現できることは大きく2つある。ひとつはマス施策、デジタル施策、リアル店舗までシームレスに連携させること。もうひとつは、オフラインも含めた施策管理をすること

O2Oサービスでは、AR技術、加速度センサー、タッチパネル技術、音声認識技術など、さまざまな技術を活用した来店ポイントサービスやデジタルインセンティブなどが提供されている。しかし大半の顧客は、高度な技術には興味ない。また、店舗側では手間のかからない仕組みが求められている。その上で、「ついつい来店してしまう」仕掛けがあり、思わず購入してしまうきっかけとなり、その体験が店舗やブランドに対する共感を生むという好循環を作りあげたい

店舗が何もしなくても、来店したお客は、スマホを片手にアマゾンや楽天の価格と比較を始める。すでに店舗は、ショールーム化してしまうリスクが生じている。だからこそ、この消費者行動を、自社に有利な方向で活かしたいものだ

O2Oとは、ネット(Online)上の情報や活動による実店舗(Offline)の来店・販売促進や、相互に連携しあって相乗効果を高めるマーケティング活動などを指す。「インターネットによって喚起されている消費」は、21.8兆円になり、これは実店舗消費の約19%にもなります。(数値は、野村総合研究所とGoogleが出した11年10月「インターネット経済調査報告書」のデータより)。さらに、この図をみても、スマートフォンによる購買意思決定への影響は無視できないものになっている

O2Oの特徴として、マーケティング施策の効果測定がしやすい。また、実店舗に客が持ってきたクーポンの枚数を数えればよい(ので、実店舗側が参加しやすい)

▼2014年の「O2O」では、リアル店舗側の積極的な反転攻勢が目立つようになった

米Deloitte Digitalの発表では、「13年、米国内における実店舗による売り上げの36%は、デジタルの影響を受けたものである」という。また、日本・野村総研の調査では2017年のO2O市場規模は2011年の2倍に達するとか。買い物をする際にインターネットの情報を参考にするユーザーはますます増加の一途のため、O2Oはまったく無視できない存在となった。来店を促すオンラインの活用法もあれば、来店後に選んだ商品をオンラインで注文できるため、持ち帰る必要もなく配達してもらえる方法もある

これは実証実験:利用者はまず、kakimoto armsにて診断されたパーソナルカラーをもとに、美容施術中に貸し出されたタブレットを使って上下100着以上の洋服の中から気に入った組み合わせを選ぶ。施術終了後、店内に設置してある大型ディスプレイにて、施術中に選んだ服を自分の体形に合わせてバーチャルで試着することができ、その場で洋服購入時に利用できる割引クーポンを入手できる
※kakimoto armsは日本で初めてヘアカラー専門のヘアカラーリストを育成した
※本技術は東芝と東芝ソリューション

アップルがiOS 7から搭載した新機能「iBeacon」に注目が集まっている。スマートデバイスユーザーの位置情報を活用してクーポンをプッシュ発信できるなど、O2O用の技術として期待が高まる

NTTドコモは、スマートフォンを持つユーザーがリアルな店舗に来店するだけでポイントが貯まり、クーポンなどと交換できるサービス「ショッぷらっと」を始めた(2013年2月〜)。アプリを起動して店舗の入り口に訪れたり、店舗内のコーナーや棚の前を訪れると、ポイント「star」が貯まる仕組だ。「ショッぷらっと」では非可聴域の音波を利用して、アプリを立ち上げているユーザーの位置を特定する。ひとつの装置の効果範囲は半径約10mで、大きな店舗ならフロア内の複数箇所にエリアを設定できる。ドコモは今後、「これまで回線(電話番号)に付いていた(紐付いていた)サービスを、IDに変えていく」という

▼キーワードは、「垣根を越える:シームレース」ポイントと、リアル店舗間の仁義なき戦い

「一円玉を積んで見せても誰も振り向かないが『ポイントをもらえるなら店に入ってみよう』という人は多い」

「数百万円かけてチラシをまいても集客効果は見えにくい。ショッぷらっとで10starあげるだけなら、たとえ1万人が利用しても10万円ですむ。効率の良さは圧倒的だ」と期待が膨らんでいる。市場調査会社のシード・プランニング(東京・文京)によると、スマホ向けO2Oサービスの市場規模は2012年の260億円から20年には2360億円へと9倍に成長する。WIFIの普及も、これを機に加速度的に進みそうだ

アマゾンにやられっぱなしだった実店舗側だが、実際には、日本の二大巨頭ともに、リアルとネットの融合に本腰を入れ始めている。そのキーワードは、「オムニチャネル」。なぜなら、両者の単なる融合どころか、実店鋪側の物流や顧客管理のシステムなど、バックヤードにあたるビジネスの仕組み自体を大きく変える重要性に気付いているからだ

アメリカでは「ウォルマートとアマゾンの真っ向勝負」。アマゾンが翌日配送や無料配送を競争優位に立つ武器とするなら、ウォルマートは4000店を超すリアル店舗を武器とする。日本ではセブングループが、グループ全社の300万商品を最寄りの店舗で扱えるようにするため、2018年度までに1000億円を投資すると決めた。この判断は、店舗での商品受け取りを選択した客の60%が、来店した時に平均60ドルの付加購買をしている事実を追い風にしている。ましてやセブンは、ATM設置の経験で、この効果を体験済みだ。すなわち、「ついで買い」こそがキーワードなのだ

オムニチャネルの第一段階が実現された米国では、接客のレベルが追い付かず、うまくいっていない企業もある。セブングループ内には、コンビニ、スーパー、百貨店、専門店と多様な業態を持ち、店舗数は1.7万と世界一。百貨店であるそごう・西武は24店舗しかないが、その数が1.7万店になるに等しい。昨年建設した埼玉県久喜市のネット専用物流センターに集約が進んでいる。4月から宅配業者が軒並み値上げをしたが、ヤフーや楽天と異なりセブンには量による交渉力がある。また、宅配の弱点は受取人不在が多いことであり、店舗受取も伸び代が大きい。その上で、ネット消費と高齢者という組合せの受け皿になることを目指すという

「オムニ」とは、「さまざまな」や「あらゆる」という意味で、「オムニチャネル」というのは、テレビや新聞・雑誌など既存のメディア、SNSやEメール、ネットショップ、そしてリアル店舗などを通じ、お客様が自宅でも、外出先でも、つねに多数のメディアで商品情報に触れながら買物ができる環境を指している。リアル店舗では限りある売場スペースに、あれもこれも品揃えしておくことは不可能だが、たくさんの商品を在庫できるネット店舗と連携して、消費者の購買を助ける仕組みである

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