疎外された労働が、人間の生産活動の対象を人間から奪うのだとすれば、それは(略)現実に対象となったものを――人間から奪うことだ。(略)人間の非有機的肉体たる自然が人間から取り上げられる。

出典マルクス『経済学・哲学草稿』(長谷川宏訳、光文社古典新訳文庫)から引用

これがマルクスの「疎外された労働」。労働が人間本来のあり方を奪っているとすれば、本来のあり方が過去に求められます。マルクスの疎外論はそんな理想を描いたと言えるでしょう。なお、「疎外」はマルクスがヘーゲルから受けついだ概念で、そのためにマルクスの論を「唯物弁証法」と呼んだりもします。「唯物史観(史的唯物論)」もその仲間です。「絶対精神」のヘーゲルに対して、「物」が強調されています。

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《大学入学共通テスト倫理》のためのカール・ハインリヒ・マルクス

センター試験の倫理科目のために哲学者を一人ずつ簡単にまとめています。カール・ハインリヒ・マルクス(1818~1883)。キーワード:「物象化」「生産関係」「労働者(プロレタリアート)」「社会的諸関係のアンサンブル(総和)」「労働疎外」主著『経済学批判』『資本論』『経済学・哲学草稿』『共産党宣言』

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