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どちらが良い写真なの?『お店プリント』 VS 『自宅プリント』徹底検証

写真店を営んでいます。デジタル化以降、写真を大量にプリントされる方はめっきり減りましたが、その反面、一枚一枚の写真を大切にプリントしたいという方が増えてきていると感じています。写真をプリントするには、お店プリントと自宅プリントの方法がありますが、どちらが良い方法なのか丁寧に検証していきます。

更新日: 2014年10月20日

mineralloverさん

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『お店プリント』 VS 『自宅プリント』どちらが良い写真プリント方法なのか? 消費者を惑わせ続けるこの問題

写真をプリントするには、『お店プリント』が良いのか?はたまた『自宅プリント』が良いのか?

永遠と続くように思われるこの議論。まさに終着点が見いだせません。。
それもそのはず、この議論の背景には、それぞれの方法を推奨するメーカーや関係者の利害や立場があり、それぞれ自身に有利な意見を展開しているからです。

例えば、『お店プリント』を推奨するのは、お店写真用の銀塩写真紙やラボ機を製造しているFujifilmや写真店関係者、一方、『自宅プリント』を推奨するのは、Canon.EPSONといった自宅インクジェットプリンタメーカーや家電量販店などがそうです。

まずは、それぞれの違いを見ていきましょう。

お店プリントでの写真

右は昔ながらの典型的な『お店プリント』を行う写真店の画像です。

こういった写真店以外にも、インターネットで写真プリントの受け付けを行っているのは業者もあります。

これら『お店プリント』を行う業者が使用しているのは、FujifilmやKodak社の銀塩写真紙を使用した『銀塩プリント』と呼ばれる写真になります。

自宅プリントでの写真

右の図はデジタル化以降、急激に市場を伸ばした『自宅プリント』で使用されるインクジェットプリンタになります。

インクジェットプリンタ以外にもレーザートナープリンタなど自宅で使用できるプリンタはありますが、高レベルな写真品質を実現できるのは、現状、インクジェットプリンタのみになります。

EPSON,Canon,HP社などがインクジェットプリンタを製造しています。

では、『お店プリント』と『自宅プリント』写真どちらが良いのか?様々な切り口から比べてみたいと思います。

今回、下の様々切り口から『お店プリント』と『自宅プリント』、どちらが良い写真プリントなのか比べてみます。本まとめ内での優劣は以下の通り。

切り口1: 写真の画質       お店プリント < 自宅プリント 
切り口2: 写真の高級感      お店プリント < 自宅プリント
切り口3: 写真のコスト      小さいサイズはお店プリント、大きいサイズは自宅プリント
切り口4: 写真の耐久性      お店プリント > 自宅プリント
切り口5: プリントする利便性   お店プリント = 自宅プリント

詳細の検証は以下に記載していきますので参考にして下さい。

切り口1 : 写真の画質

結論としまして、写真の画質においては、
条件付きですが、『自宅プリント』の方が優秀でしょう。

“画質”とは、一つの画像を見た人が受け取る“印象”と定義致します。
では、何が“印象”の決め手となっているかは、写真プリントで表現できる①色域(ガモット)の広さと➁粒状性の2点が重要と言えると思います。その2点においては、

①色域  : お店プリント < 自宅プリント
➁粒状性 : お店プリント = 自宅プリント 

現状、上記の結果となると言えるでしょう。詳細は以下。

右の図は自宅プリント(インクジェット)とお店プリント(銀塩プリント)の色域(ガモット)の比較になります。

意外かと思われるかも知れませんが、自宅プリント(インクジェット)の方が色域は大きいのです。

ご自宅にあるアルバムから昔の写真を見返すと写真の色が古めかしいと感じた経験をお持ちの方もいると思います。これは技術の進歩に伴い、写真の色域が拡大してきたため、どうしても今の写真に比べると、昔の写真は色彩面でもの足りなさを感じてしまうためです。

既に技術面で頭打ちとなっている銀塩プリントに比べれば、インクジェット技術は未だ改良が続いています。

切り口2:写真の高級感

写真の高級感においては、『自宅プリント』の方がより高級感があります。

高級感を測る指標としては、写真プリントの①平面性と➁厚さ・坪量 の2点が重要と考えます。
仮に、画像が薄っぺらいコピー紙なようなものにプリントされた写真だったり、曲がったような写真を貰ったとしたら、ありがたみを全く感じないですよね。
やはり用紙に均一の平面性があり、重厚感がある写真プリントに高級感が漂います。
その2点においては、

①平面性   : お店プリント < 自宅プリント
➁厚さ・坪量 : お店プリント < 自宅プリント

2点とも『自宅プリント』の方が良いでしょう。詳しい検証理由を以下。

右の図はお店プリント(銀塩プリント)で使用されている写真用紙とロールコアです。

ロール紙を使用している事に加え、銀塩プリントでは、ラボ機の中で薬品に浸した後、急速に乾燥しプリントを乾かすため、どうしてもプリント自体の平面性が保てず曲がってしまいがちになります。

一方、自宅プリント(インクジェット)では、シート紙を使い、プリントの乾燥も行わないため平面性が保てています。

右の図は紙の厚さ・坪量の名称の分類です。

現在、お店プリントで使用されているプリントは『中厚手』が大半を占めています。以前はKodak社から『厚手』のプリントが発売されていましたが、今はほとんど市場で見かける事はありません。

一方、自宅プリントにおいては、様々な厚みの用紙が入手可能です。一般に高級写真用紙として販売されているプリントの厚さは『厚手』になっています。

切り口3:写真のコスト

コストにおいては、
L版、2L版の小さいサイズの写真プリントであれば、『お店プリント』の方が安く、
A4、A3の大きいサイズであれば、『自宅プリント』の方が安いと言えるでしょう。

コストももちろん大事です。支払うお金はできるだけ少なく抑えたいものです。以下のリンクからお店プリントコスト、及び自宅プリントそれぞれのコストを参照し、L版(小さいサイズ)とA3(大きいサイズ)で比較しています。

      お店プリント    自宅プリント   
L版/枚 :  5~31円  > 20.4~31.1円         
A3/枚 :  1530円  <  225~343円

切り口4:写真の耐久性

一時期、TVをつけると必ず目にしたぐらい目立っていたエプソンのつよインクマン。懐かしい~

写真の耐久性においては、
『お店プリント』の方が優れていると判断します。

耐久性を測る指標としては、写真プリントの①耐光性・耐オゾン性と➁耐水性 の2点としたいと思います。その2点においては、

①耐光性・耐オゾン : お店プリント = 自宅プリント
➁耐水性      : お店プリント > 自宅プリント

現状、上記のような結果と言えるでしょう。
お店プリント(銀塩プリント)は100年プリントなどとも呼ばれて久しいですが、自宅プリント(インクジェット)においても、下メーカーサイトのリンクにあるように、➀耐光性・耐オゾンの改善が進み、お店プリント(銀塩プリント)同等の性能になっていると言えると思います。
しかし、➁耐水性に関しては、自宅プリントで使われるインクジェットプリンタのインクは顔料・染料インクともに水性インクに分類されるものであり、進化してきていますが、水性だけに耐水性だけは、どうしても克服できず、銀塩プリントに及ばないでしょう。

先の東日本大震災の折に、海水、泥水に晒された写真がイメージを留めており、修復可能であったというニュースを見られた方も多いと思います。それらの写真はお店プリント(銀塩プリント)だからこその耐水性なのです。

8色顔料インクなら、耐光性80年、耐オゾン性 30年以上を実現します。一方、染料インクも、オゾンや光に分解されにくい分子構造に改良。6色染料インクなら、耐光性50年、耐オゾン性15年です。

「ChromaLife100+」(クロマライフ100プラス)とは、キヤノンの染料インクと純正写真用紙の組み合せにより、写真の美しさと保存性を高めたシステムです。アルバム保存300年、耐光性約40年、耐ガス(オゾンのみ)性約10年

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