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犬の避妊・去勢に迷ったら~手術のメリット・デメリット

子犬を引き取って、まず最初に飼い主が直面する問題、それが避妊/去勢をするか否かの選択です。生殖器官も大切なペットの体の一部。本当に取り除く必要があるのでしょうか。避妊/去勢のメリット・デメリットを考えていきましょう。

更新日: 2018年12月21日

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tirrenaさん

子犬を引き取って、まず最初に飼い主が直面する問題、それが避妊/去勢をするか否かの選択です。
生殖器官も大切なペットの体の一部。本当に取り除く必要があるのでしょうか。
避妊/去勢のメリット・デメリットを考えていきましょう。

避妊/去勢が広まった背景

避妊/去勢は動物の生殖器官を除去すること。メスの場合は避妊、オスの場合は去勢といいます。

昔は飼い犬といえども放し飼いにしている家庭が多くありました。昭和30年代などでは、家族が旅行に行くときには、飼い犬を放し飼いにしていくのが当たり前の時代もあったくらいです。

野良犬も多く、庭に侵入してきて飼い犬と交尾し、飼い主の気づかないうちに子犬が産まれていたなどということがよく起こりました。

飼い主は産まれた子犬の処分に困り、新しい飼い主が見つからないと川に子犬を流したり、箱に入れて捨て犬として放置したりしました。

こうした環境の中で生活する雌犬が妊娠するのを防ぐために避妊手術が行われるようになったのです。

現代では野良犬も放し飼いの犬も減少しており、妊娠のリスクというよりは病気のリスクを軽減するために避妊/去勢を行うことが多くなっています。しかし、避妊/去勢で実際に病気のリスクを軽減できるのでしょうか。
それでは、望まぬ妊娠を防ぐ以外の避妊/去勢のメリットとデメリットを考えていきましょう。

去勢のメリット

闘争性やマウント行為などが軽減し、性格的に穏やかになる可能性がある

攻撃性の対象が他のオスに限った場合、去勢の効果の程を統計で見てみると、去勢の前にくらべ他のオスへ攻撃性を示さなくなった例はどの調査も約60%

去勢をすると、他のオス犬への攻撃性がなくなる確率が60%。ただし・・・

攻撃性の対象がヒトだったりフード争いや恐怖感が攻撃性の原因であった場合には去勢の効果を期待するのはまず間違い。

効果は性衝動による攻撃性に限られるようです。

〈去勢手術をした場合予防できる主な病気〉
精巣の腫瘍
前立腺腫瘍をのぞく前立腺疾患(前立腺肥大、前立腺炎)
会陰ヘルニア
肛門周囲腺腫

前立腺腫瘍は予防できないようです。

25年犬猫の臨牀をやっていますが、去勢手術をしなかったばかりに、老後厄介な病気で亡くなっている犬を数え切れないほど診てきました。肛門周囲腺腫、前立腺癌、会陰ヘルニア、睾丸腫瘍など、あの時去勢手術をしていたら‥‥悔やみきれません。

前立腺癌(前立腺腫瘍)は予防できないのでは?というつっこみは置いておいて・・・。高齢の人間がこれらの病気にかかって亡くなった場合に、「若いころに去勢しておけば」と思うでしょうか?

これまでメスと見ればすべて自分のもののように振舞い恋の季節の度に食欲不振に陥っていたオス犬が、去勢されたことで雄性行動が低下しまるで新しい世界を発見したかのように興味の対象が遊びへと移り変わっていった例は珍しくない。

これは良いことです。

去勢のデメリット

性ホルモンは犬の体の成長に影響するため、早期に去勢されたオスでは骨格が弱めであったりフェミニンな様相になることも

骨肉種の罹患確率についての調査によると、そもそも骨肉腫にかかる頻度が多い犬種のロットワイラーでは1歳以下の避妊・去勢によりオスでは3.8倍に発症頻度が上がったという

骨肉腫は、激しい痛みをともなうだけではない。いったん発症すると、すぐに肺に転移して、肺中にパチンコ玉大からゴルフボール大の悪性腫瘍がいくつも急成長。呼吸不全を起こし、呼吸ができずに死んでしまう。死亡率のきわめて高い病なのである。

性ホルモンが分泌されなくなることから発情に関わる活動もなくなる。その分エネルギーも消費されないので、それまでと同じ内容量の食事を与えていると太りやすくなる

幼少期に去勢をするといつまでも仔犬のような振る舞いが残ることもあるが、これが良いか悪いかは飼い主の受け取り方にもよるだろう。

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