栃木県小山市の兄弟誘拐事件は十四日、小林保徳さん(四〇)の三男、隼人ちゃん(三つ)が遺体で発見され、最悪の結末に。下山明宏容疑者(三九)=未成年者誘拐で逮捕=は、二男の一斗ちゃん(四つ)も殺害、川に捨てたという。容疑者のアパートに父親とともに転がりこんできた幼い兄弟は、下山容疑者から虐待を受けていた。「生活費を入れない小林さんに出ていってほしかったが、先輩からの頼みで断り切れなかった」。下山容疑者は小林さんに意見できなかった末に不満を募らせ、子供に八つ当たりし、犯行をエスカレートさせたとみられる。兄弟の容疑者宅での約三カ月間の暮らしを振り返った。


 ≪人懐っこい≫

 「一斗ちゃんは物分かりのいい子。隼人ちゃんはわんぱく坊主」。小林さん一家と下山容疑者をよく知る知人男性(三四)はこう話す。隼人ちゃんは末っ子のためか、しかっても知らんぷりしてみせるが、一斗ちゃんは聞き分けがよかった。

 二人は今年二月から五月まで、東京都品川区の保育園に通っていた。その前の昨年七月から十二月までの約五カ月間は父子家庭で、小林さんの仕事も不規則なため、栃木県内の施設に預けられていた。

 品川区の保育園での二人は「人懐っこい元気な子だった」(関係者)。だが、月の半分しか通園しなかったため、区が何度か自宅に電話。小林さんは六月に入り「自分の母親のいる栃木へ行く」と、栃木へ戻った。一家は当初、下山容疑者の実家に居候していたが、すぐに下山容疑者が今年三月に借りた3DKのアパート(五十六平方メートル)で同居。家賃は共益費込みの五万二千円という。


 ≪異変≫

 七月に入り、近所の人が異変に気付く。同じアパートの主婦(三六)は駐車場で七月一日夜、下山容疑者らしい男性が一斗ちゃんと隼人ちゃんをけっていたのを目撃。そばには下山容疑者の長男(六つ)とみられる男の子がいたが、けられていたのは二人だけだったという。

 向かいのマンションの女性は、二人の顔にあざがあるのを何度も見た。「かわいい子なのでよけい気になった」。一斗ちゃんらと同年代の男の子も「いつもあざがあったよ」と話す。

 「いつまで起きてるんだ」「うるさい」

 下山容疑者の怒鳴り声と子供たちの泣き声は、アパートの住人たちに丸聞こえだった。住人は小林さんの姿はあまり見掛けなかったという。

 七月八日、近くのコンビニの店長(三六)が店にきた二人の顔と腹にあざがあったため一一〇番。警察の通告を受けた県南児童相談所が二人を保護したが、九日に小林さんが「祖母宅に住む。下山と同居しないから」との条件で引き取った。しかし、八月に入ると下山容疑者のアパートへ戻ってしまった。


 ≪不満≫

 「子供の居候がいる。食費もおれが払っている」「自分が下(後輩)だからといって、突然転がり込んできやがって」

 小林さん一家のアパートへの同居に、下山容疑者は不満を募らせていた。周囲の何人かが、ぐちを聞いていた。

 下山容疑者は自分の長男にも暴力を振るっていたが、小六の長女(一一)には「家事をやってくれているので頭が上がらない」と話し、手をあげなかった。

 その長女も、近所の女性(六八)には「小林兄弟が部屋を荒らす。お父さんは壊れかけた扇風機を使っているのに、おじちゃん(小林さん)たちはクーラーを朝から晩まで使うのに、お金も払ってくれない」と話していた。

 下山容疑者は、この女性から「じゃあ、(文句を)小林さんに言えばいいのに」と言われると、黙りこんでしまった。捜査関係者は「小林さんとの間の学生時代から続く主従関係やねじれた上下関係が、下山容疑者のフラストレーションになり、今回の事件につながった」とみている。

http://www.asyura2.com/0406/nihon14/msg/413.html

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栃木兄弟誘拐事件まとめ【下山明宏】

栃木兄弟誘拐事件(とちぎきょうだいゆうかいじけん)は、2004年9月11日、栃木県小山市で兄弟(4歳と3歳)が誘拐され後日、遺体で発見された事件。被害者家族が同居していた家の家主の男が逮捕された。

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