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【危険なお風呂】レジオネラ菌の事故が後を絶たない本当の理由

夏休みで温泉を楽しむ方も多くなるこの季節、感染したらせっかくの楽しい夏休みも台無し。安心して入れる温泉施設をどう見分ける? レジオネラ菌感染事故は日本全国で起き、しかも、年々増え続けています。感染事故が後を絶たない原因をまとめてみました。

更新日: 2014年07月21日

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bunjyaさん

最近のレジオネラ菌関連のニュース

2014年5・6月の2か月だけで5件がニュースに。表に出ている事件・事故は、レジオネラ菌関係の関する氷山の一角と言えるだろう。

厚生労働省が公開しているレジオネラ症防止対策マニュアルの一部

循環式浴槽とは、温泉水や水道水の使用量を少なくする目的で、浴槽の湯をろ過器を通して循環させることにより、浴槽内の湯を清浄に保つ構造の浴槽を言います。この中で「連日使用型循環浴槽」は、浴槽水を24時間以上完全換水を行わないで循環ろ過する浴槽、いわゆる24時間風呂です。構造は、図-1に示すように集毛器(ヘアーキャッチャー)、循環ポンプ、消毒装置、ろ過器、加熱器(熱交換器)、循環配管によって構成され、浴槽内の湯を浄化し適温に保つものです。

槽の湯は、髪の毛などの混入物が集毛器で除去され、消毒剤などを用いて消毒します。消毒剤には塩素系薬剤が推奨されていますが、温泉の中には塩素消毒の効果が十分に発揮されない泉質があります。

事故を起こした施設も”塩素系薬剤”を投入して消毒している・・・塩素に頼るだけの殺菌には限界があるのではないか

レジオネラ菌が見つかったのは屋内の男性主浴槽のみで、露天風呂からは検出されていないことから、源泉でなく主浴槽の配管にあるのではないかとみられている。配管は年に1、2回、職員が清掃しており、昨年8月の水質検査の時点ではレジオネラ菌は見つかっていなかった。

この施設でも、塩素注入と配管清掃を行っていた。

塩素消毒絶対主義を助長しているのは厚生労働省

塩素系薬剤には、表に示すように、次亜塩素酸ナトリウム(液剤)、次亜塩素酸カルシウム(散剤、顆粒、錠剤)、塩素化イソシアヌル酸(顆粒、錠剤)などがあり、その使用方法は種類によってそれぞれ異なります。しかし、どの塩素系薬剤を使用しても、水中で次亜塩素酸が生じ、その殺菌効果によって消毒が行われます。

レジオネラ菌感染事故が減らない根本的な原因は「塩素系消毒(主に次亜塩素酸ナトリウム)」による消毒措置を延々と慣習化し続け、新しい消毒のあり方を整備しない国自体の古い体質と言えるのではないか。

次亜塩素酸は殺菌効果が高いが、当然、弱点もある

■アルカリ泉では殺菌能力が低下する

次亜塩素酸ナトリウムに含まれる殺菌成分である「次亜塩素酸」はph値によって成分が変化する。
高い殺菌力を持つ次亜塩素酸(HClO)は弱酸性で存在率が最多となるが、アルカリ性になると極度に少なくなり、次亜塩素酸イオン(ClO~)が増える。
これにより、アルカリ泉の場合、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力は低下し、中性泉に使用する量の塩素濃度管理では塩素濃度濃度が不足する。

■窒素(おしっこや汗のアンモニアや汚れ等)と結合すると結合塩素となり殺菌力を極度に失う

次亜塩素酸ナトリウムの殺菌能力を”100”とした場合の他の成分との殺菌力の相関関係。
次亜塩素酸は、次亜塩素酸ナトリウムの100倍の殺菌力を有しているが、結合塩素(クロラミン)は次亜塩素酸ナトリウムの10分の1まで殺菌力が低下する。
結合塩素は、殺菌力を有する遊離塩素(次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン)が窒素と結合するとできる塩素である。
アンモニアは窒素源と言われ塩素と結合しやすい。また、一般的に汚れと言われるものは基本的に窒素であることが多い。

良く言われる「塩素臭」は「クロラミン臭」であり、殺菌力を失った塩素の臭い。

■塩素耐性を持つレジオネラ菌は塩素では死なない

アカントアメーバに感染して増殖したL.pneumophilaはBCYEa寒天培地で増殖した.pneumophilaと比べて塩素系殺菌剤への耐性が64倍上昇し、環境中のレジオネラ属菌には塩素系殺菌剤が効きにくいと報告している。
実際の冷却水のレジオネラ属菌に塩素系殺菌剤が効きにくい要因としてもアメーバ内増殖が関与している可能性がある

■塩素だけでは、アメーバとバイオフィルムを除去できない

アメーバ内に寄生するレジオネラ属菌は外界から守られた状態にあるため、塩素などの薬剤は十分には効果を発揮することができません。さらに、宿主となるアメーバ自身は塩素などの消毒剤に強い耐性を持つため死滅しません。アメーバは浴槽環境中で、ぬめり(バイオフィルム)などに特に高率に存在しています。そのため、定期的な清掃、消毒によりバイオフィルムを除去し、レジオネラ属菌汚染の背景にある宿主となるアメーバを浴槽水中に定着させないことがレジオネラ属菌対策を行う上でとても重要となっています。

安全な温泉を見極める方法

■源泉かけ流しは基本的に安全

源泉かけ流しとは、湧き出したままの成分を損なわない源泉が、新鮮な状態のままで浴槽を満たしていること。
【源泉とは】
1.温泉法で定められた温泉であること
2.所有する自家源泉、または共同源泉からの引き湯を使用していること
【かけ流しとは】
1.新しい湯を常に浴槽に注いでいること
2.注がれた分だけの湯が浴槽の外にあふれていること
3.あふれた湯は決して浴槽に戻さないこと
4.湯量の不足を補うために、浴槽内で循環ろ過させないこと

本当に”源泉かけ流し”か否かは確認が必要だが、源泉かけ流しの場合、お湯を流しっぱなしにするため、レジオネラ菌の増殖の温床であるバイオフィルムが形成されない。また、一度使用したお湯はそのまま排水されるため、レジオネラ菌を筆頭に雑菌が増殖する可能性が極めて低い。

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