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イヌイットの驚きの発酵料理「キビヤック」

羽もそのままの生の海鳥(ウミスズメ類)をアザラシの中に詰めこみ、地中に長期間埋めて作る「キビヤック(キビャック)」という食べ物をご存知でしょうか。

更新日: 2014年09月25日

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伝統的な漬物の一種

キビヤックは、グリーンランドのカラーリット民族やカナダのイヌイット民族、アラスカ州のエスキモー民族が作る伝統的な漬物の一種、発酵食品です。

材料となるのは、現地でアパリアスと呼ばれる海鳥の一種とアザラシです。北極圏の短い夏の間に飛来したアパリアスの群れを、虫取り網のような道具を使ってまるで虫を捕るかのごとく捕獲します。

作り方は、まずアパリアスを直射日光の当たらない涼しい場所に1日ほど放置して冷やします。

次に、アザラシの腹を裂いて皮下脂肪を残して内蔵と肉を取り出し、袋状になったアザラシの中にアパリアスをそのまま数百羽ほど詰め込んでアザラシの腹を縫合します。縫合部には、ハエが卵を産み付けるのを防ぐために、日干ししたアザラシの脂(プヤ)を塗ったりもするようです。

これを地面に掘った穴に埋めて、空気抜きとキツネなどに食べられないようにするため上に石を置いて2ヶ月から数年間放置・熟成させます。

最後にアザラシを掘り出して、中からアパリアスを取り出して賞味します。非常に臭い食べ物の1つともされています。

臭さは世界3位

アザラシの腹に海燕を入れ、土に埋め二年間発酵させた「キビヤック」(カナディアン・イヌイット)

二年間土に埋めておいたアザラシの腹から取り出した海燕(アバリアス)。その肛門から、発酵した体液をちゅーちゅー吸って味わうらしい。
クサさは1370Au。

ちなみに一番臭い食べ物は缶詰「シュールストレミング」(スウェーデン)、2位は「ホンオ・フェ」(韓国)。

「もやしもん」にも登場

キビヤックの作り方と食べ方

食べ方

食べるときはアパリアスの尾羽を除去した後、総排出口に口をつけて発酵して液状になった内臓をすする。肉も、皮を引き裂きながらそのまま食べる。歯で頭蓋骨を割り中身の脳味噌も食する。

また、それだけでなく焼いた肉などに塗り、調味料のように利用されることもあるようです。

大事なビタミン源

発酵により生成されたビタミンを豊富に含むため加熱調理で酸化・分解してしまった生肉中のビタミンを補う機能があるとされ、かつては極北地域において貴重なビタミン源の一つであった

キビヤックは貴重なミネラル・ビタミン源なので、お祝いの時など特別な時にしか食べません。

イヌイットたちにとっては、貴重なビタミン源でした。

イヌイットの食文化に学ぶこと無く、全滅した探検隊

フランクリンの探検隊は1845年5月19日、精選された134人の隊員(士官24人、下士官兵110人)を以て、イギリスのグリーンハイス(Greenhithe)を出航した。

彼らは生存手段を先住民に学ぶことを良しとしなかったか、あるいはできなかった。

植村直己はその著書の中で、「フランクリンの大遭難」はフランクリンらが現地のエスキモーが有する狩や生活の知恵に学ばず、西欧的な生活流儀に固執した故に自ら招いた惨事であるとして批判している。

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