李逮捕の際、署員が部屋を捜索すると、日記「随筆」の中に、妙な文章が綴られているのを発見した。それは読売新聞が公募した「第5回短篇小説賞」に応募した作品の下書きであることが、自供によりわかった。題名は「悪い奴」。しかし、これは予備審査も通過せず、原稿は同社文化部のロッカーの中に積み重ねられていた。

 「悪い奴」は小説というよりは、ほぼ李の自伝に近いものだった。
 主人公は貧しい家に育ち、アルコール中毒の父親を憎んでいた。李によると、S子さん殺しの体験をもとに書いたというが、主人公が殺害したのは女性ではなく、「山田」という名の同窓生だった。「山田」が中学時代にクラス費を盗んだことを、会社に密告して解雇を言い渡され、彼を殺害することを決める。その首を絞める場面は生々しいものだった。

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小松川事件【李珍宇】まとめ

1958年8月、新聞社に若い男から「高校で女を殺した」という内容の電話があった。 まもなく警察が現場を調べたところ、同校のY子さん(16歳)の遺体が発見される。男はその後も警察署や新聞社に電話しつづけ、逮捕された。男は同校夜間部の李珍宇(当時18歳)。さらにもう1件の女性殺しを自供した。

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