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侍がヘッドホンにシャネルの鎧…野口哲哉の不思議な世界

ヘッドホンで音楽を聴くサムライが泉谷しげるっぽい

更新日: 2017年05月16日

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zig-zagさん

「歴史が好きで、なかでも鎧兜が好き。好きな気持ちからどんどん空想がわいてくるのを楽しむ子どもでした」 と野口さん。

「あるとき、趣味と芸術の区分けはなくしていいんじゃないかと思ったのですが、そこから、『本当にこれでいいんだ』と思えるようになるのに、5年とか7年ぐらいかかっちゃいましたね」
と、野口さんには、20代の悶々とした時期がありました。

野口哲哉は、樹脂やプラスチックなど、現代的な素材を駆使して古びた姿の鎧武者を造形し、それらの織りなす嘘とも現実ともつかない魅力的な世界観を構築する美術家です。

コレクターは国内外におよび、展覧会出品作や個展の評価も高く、今まさに注目される美術家の一人です。

野口は甲冑の豊富な知識をもとに、樹脂や化学繊維を素材に制作。武者たちの甲冑のほとんどは実際にあったデザインを取り入れている。サイズは高さ10センチ以下から90センチほどまであり、多くは20~30センチ程度。小さなものだが、精巧に創られているためか大きく感じさせる。

野口は立体だけでなく、平面作品も手がけ、具足の詳細を解説した図像、武人の寿像(生前描かれた肖像画)、古書から切り取られた一葉など、紙本から絹本、板絵までさまざまな支持体と顔料を模し、表具し、本紙の傷みや剥落まで捏造(?)して、彼の「サムライ・フィクション」な世界観を表現しているのだ。

「史実と空想世界を行き来し、まじめにふざけているのがすごい。侍たちの姿には、格好良さの中に滑稽さや悲しさが漂っており、現代人と通じるものがあるのではないでしょうか」

天明屋尚や山口晃、須田悦弘、会田誠、村上隆など、近年の日本の現代美術のひとつの傾向として、手法はさまざまながら、日本の古美術から引用、再編集した作品が増えている。野口哲哉もまた、そうした流れの中で脚光を浴びるようになった若手作家の一人だ。

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