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『SFはこれを読め!』で注目のSF小説は初心者にオススメ

谷岡一郎の『SFはこれを読め!』で見つけよう。初心者向けのSF小説でちょっと知らないものもあります。とはいっても、傑作SF小説が目白押しです。『エンダーのゲーム』『たったひとつの冴えたやり方』『マイナス・ゼロ』『星を継ぐもの』など。

更新日: 2014年08月30日

kaizinさん

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Amazon評「この本は、まさに初心者のための書。

3人(大のSFファンという大学の学長と、彼の授業の受講生2人)の討論形式で話は進みますが、男子学生は学長を凌ぐほどのSFマニアで、片や女子学生はSF初心者。
彼女の存在は、本書がマニアック路線へ突き進むことにブレーキをかけている点でとても貴重です。」

この本のライトな感じは、ヘビーなSFファンでない自分にとって、かなりのツボだ。横山えいじのイラストと、時折引用される手塚治虫やとりみきの漫画などのおかげで、分量が少ないだけでなく、先生-学生の対談形式なので、とにかく読みやすい。ちくまプリマー新書という、「ジュニア新書」的の役割にも十分合っていると思う。

異文化コンタクト/エイリアン ―― 宇宙人は人間と似ているか

『地球幼年期の終わり』は別だった。
 おそらくは20世紀のSFベストテンに残るだろうし、場合によっては現代文学や現代人間学の主題として語り継がれるものをもっている。地球人の全体に勝る「オーバーマインド」(主上心)というものを、かつての神ではない別の「ありうる可能性」によって大胆に提示してみせたからである。

表題作は異星人とのコミュニケーションツールとして「味覚」が扱われると言う斬新な作品である。この作品をベースとして筒井康隆の傑作短編「関節話法」も生まれたと思う。「詩帆が去る夏」はリリカルな作品で時間旅行テーマでもあり、後の「思い出エマノン」などにつながってくる。個人的にすきなのは「宇宙戦争」のパロディでもある「清太郎出初式」

ロボット ―― 人間とは死ぬことと見つけたり

話の軸になる、ロボ心理学第一人者の博士が女性というのが意外でした。
女性ロボット博士というのは、最近の作品だと割と普通ですが、「われはロボット」収録の作品が書かれたのが1940年代であったことを考えると、革新的だと思います。

一番面白い話はやはり映画「アンドリューNDR114」の原作、「バイセンテニアル・マン」。映画はこの話が元になっていますが、僕はこの原作小説の方がずっと好きです。原作小説には恋愛的な話はありませんが、一人のロボットが「人間になる」事だけを望み、努力するストーリーが純粋に楽しめます。僕は映画よりも感動的なストーリーだと思います。

音楽をレーザー化して記録する技術の第一人者、作曲家のジェロームは、精神科医クレイ博士の依頼で、人間の脳波を正常化するレーザー光の作成に取り組みます。

タイム・トラベル ―― 日本が誇る時間物の最高傑作

タイムトリップものというのは、どうしても単調になってしまいそうなジャンルではあるが、簡単にそうさせまいとする創意工夫を見た。SFチックな雰囲気を最小限にとどめて、舞台を親しみやすい緩やかな時代に落とし込んだのは見事。昭和初期の情景に憧れ、まるで主人公になったかように、いっそここで生活するのも良いのではないかと陶酔した。

時間の速さを遅らせる「航時機」を使った人体タイムカプセル事業。
航時機が置かれた博物館を毎日のように訪れるのは、事業に志願した青年アキの恋人美亜です。
どうやら二人はきちんとお別れをしていなかったらしく、アキの心が分からないまま、美亜は一生を費やして航時機を見守り続けます。

文明/社会風刺 ―― ユートピアはどんな世界か

舞台は100年以上の未来。テラフォーミングされた惑星に作られた、アフリカ・キクユ族のためのユートピア『キリンヤガ』である。この世界にはアフリカの環境が再現され、そこに住まう人々は伝統に沿って生活を続け、日々の糧を得ている。

部族の神の復活と死の物語……なんだが、挿入される動物寓話が一番おもしろかったりして(笑)。象好きならラストシーンは涙なくして読めないこと確実(なんだそりゃ)。オススメ。

南国の島で智恵のある山椒魚たちが見つかる。かれらはことばと文明を教え込まれ、単純労働に使役されて、やがてそのものすごい繁殖力で人間を圧倒し、自立にめざめ、人間を滅亡のふちに追いやる、という小説。これはどう考えても、当時の植民地主義と、そこで半ば奴隷化されている現地住民を念頭において書かれた小説なんだ。そして同じことだけれど、その山椒魚たちをまとめ、成長させて動かす資本主義・共産主義(1930 年代の知識人にとって、これは同じものの別の段階だったはず)について書いた小説なんだ。

医学/脳科学 ―― 愛さえあれば××の差なんて

『アルジャーノンに花束を』は、1950年代のアメリカニューヨークを舞台に、突然天才となった知的障害をもつ主人公の悲哀を、当時の障害児(者)の置かれた状況や科学、恋愛、友情を交えて繊細に描いた傑作である。障害の有無に関わらず人間は人間であって、人としての扱いをしてほしいという主人公の痛ましいほどの思いが心に突き刺さり、涙せずにはいられない。小説全体は主人公の経過報告という形で記されており、知的水準が高くなるにつれその文体が変化するように、運命に翻弄される主人公の孤独な心のひだを感じさせる手法は見事だ。

中国系アメリカ人の新人作家による処女短編集。
著作はこれ一冊だけなのだけれど、短編作品を発表するたびに絶賛を浴びる驚異の新人。

「あなたの人生の物語」
異星人コンタクトもの。人間の論理的認識とは違う形で世界を認識する連中とのコンタクトを果たした科学者の話。オチの読後感は多分、類似のものを見つけるのが困難なほど稀有なもの。
よくこんなアイデアを思いつき、しかも形にすることができるなあ、とひたすら感心した。

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