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sjapanさん

■クロニンジャーのパーソナリティ理論

近年,神経生理学の進展に伴いパーソナリティと神経伝達物質の遺伝子多型との関連性を実証しようと多くの研究が精力的になされてきている。そこで,それらの研究で頻繁に用いられているTemperament and Character Inventory(TCI)とその理論的基盤であるCloningerのパーソナリティ理論が注目を集めてきている。

アメリカ・ワシントン大学医学部
クロ ニンジャー教授

性格と遺伝子の研究で、史上初めてその関連性があると科学的に報告されたのがクロニンジャー理論によるものだったのです。1996年に初めて発表されて以来、急速に多くの研究が行われるようになり、今では、そうした研究を総まとめにするレビュー論文もいくつか見られるようになっています。

Cloningerのパーソナリティ7次元モデルの理論において、パーソナリティ(人格)とは、「環境に対する独特な適応の仕方を決定する心理生理的なシステムをもつ個人内の動的な組織」と定義される。さらに、そのパーソナリティの中に相互に作用し合う、相対的に遺伝規定性の高い気質と遺伝規定性の低い性格が想定されている。このパーソナリティの構成概念を気質temperamentと性格characterとに大別し、気質4次元と性格3次元を各下位次元として想定されている

■パーソナリティとは

「気質」は変わりにくいが、「性格」は変わることもあるし、成長しうる

自分でも無意識に周りの環境に反応してしまう特徴を「気質」、意識的に自分の行動をコントロールしようとする特徴を「性格」と呼びます。

アメリカの精神科医ロバート・クロニンジャーは、気質の要素として「新奇性探求」「損害回避」「報酬依存」「固執」の4つを、性格の要素として「自己志向」「協調」「自己超越」の3つを抽出しました。

■4つの気質

クロニンジャーのパーソナリティ理論には、「新奇性探究」、「損害回避」、「報酬依存」、「固執」の四つの気質が想定されています。

車でいうと「アクセル」。
ドーパミンが関与。

生物が進化の過程で、「動く」ことができるようになるために最初に獲得した性質なのではないかと考えられます。

車でいうと「ブレーキ」。
セロトニンが関与。

次に獲得した性質が、「損害回避」ではないかと考えられます。
つまり、「動く」ことができるようになった生物が、次には「止まる」ことができるようにならなければならなかったのではないかと考えられるからです。

車でいうと「クラッチ」。
ノルアドレナリンが関与。

「社会性」と近い意味合いがあります。
友達と一緒にいる方を好む人は「報酬依存」が高い、と言えます。

車でいうと「トラクション・コントロール」。

ひとつのことをずっと続けられるかどうか、に関わる性質です。
「固執」の特徴が強すぎる人は、「完璧主義」になってしまいやすく、逆に弱すぎる人は、なんでもいい加減になってしまいやすいと言えます。

■組み合わせでタイプが説明できる

クロニンジャー理論の気質の組み合わせによるパーソナリティのタイプは、簡単に表すことができます。

「気質」要素4つ+「性格」要素3つの7因子を組み合わせて、8つのパーソナリティに分類

上の四つが「新奇性探究」が高いタイプ。
下の四つが「新奇性探究」の低いタイプ。

左にある四つは「報酬依存」が高く、
右にある四つは「報酬依存」が低い。

奥にある四つは「損害回避」が低いタイプ、
手前にある四つが「損害回避」の高いタイプ。

DSMでは、全部で10種類のパターンを想定していますが、クロニンジャーの気質の組み合わせで、この10のうち7つを説明できると考えています。

アメリカ精神医学会=Diagnostic Statistical Manual for Mental Disorders(DSM)

[1] 情熱家タイプ(演技性)

怒りっぽかったり、攻撃的になりやすかったりもするのですが、基本的に人と一緒にいることが好きなので、孤独にはなりにくく、いつも周りには自然と人が集まりやすくなるでしょう。

このタイプの人の性格が未熟だったり、ストレスが強くかかったりした場合、「演技性パーソナリティ障碍」と呼ばれる状態になることがあります。「演技性」という言葉にあるように、自分の方へ周りの興味をひくために、過度に情緒的になって、場合によっては、泣いたり、わめいたりしてまで、自分が注目されるように仕向けます。

[2] 冒険家タイプ(反社会性)

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