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【人間国宝】歌舞伎役者・二代中村吉右衛門まとめ

歌舞伎ファンは勿論、「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵役でお茶の間にも知られる二代中村吉右衛門。歌舞伎の伝統を重んじ、真摯に臨むその芸の輝きは今まさに極まりつつあります。歌舞伎界の要とも言える吉右衛門丈の生い立ちから意外な素顔、今後の予定などをまとめました。

更新日: 2016年02月21日

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じわさん

二代 中村吉右衛門(なかむら きちえもん)

写真は『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』の熊谷直実

堂々たる体躯、陰影に富む演技をもって歌舞伎立役の第一人者として活躍。義太夫狂言、時代物、世話物から新歌舞伎、喜劇にいたるまで全てのジャンルで高い評価を得ている。

歌舞伎を観ない方でも、「鬼平」と言われるとピンとくる方も多いのではないでしょうか。

生い立ち――幸四郎家から吉右衛門家へ

母の正子は、初代吉右衛門の一人娘。

写真は映画「天下御免」の八代目松本幸四郎。

初代吉右衛門は一人娘の正子に婿養子を取ろうと考えており、なかなか嫁に行くことを許さなかったが、いよいよ結婚する際、正子は「男子を二人は産んで、そのうちの一人に吉右衛門の名を継がせます」と約束した。その通り二人の男の子が生まれ、約束に基づき、次男の久信は初代吉右衛門の養子となった。

『御存俎板長兵衛』
1948(昭和23)年6月 東劇

写真左から、幡隨院長兵衛/初代中村吉右衛門、一子長松/二代中村吉右衛門

『ひらかな盛衰記』逆櫓
1948(昭和23)年6月 東劇

写真左から、船頭松右衛門実は樋口次郎兼光/初代中村吉右衛門、槌松実は駒若丸/二代中村吉右衛門

このお二人が兄弟であることを知らない人も少なくありません。

「初代存命中はみんなが『若旦那、若旦那』とゴマをすって遠慮し、こっちもいい気になっていた。ところが初代が亡くなれば、ただの高麗屋(松本幸四郎家の屋号)の弟の子役。周りの扱いも変わる。それが分かってから、明るかった性格が暗くなっていきました」

自信…がないんですよ。で、女性に対しても自信がなかったし。たとえばお兄さんってこの世の人でないくらいきれいですてきね、って、じゃあ僕はどうだい?って聞いたら、あんたは普通の人ねとか、でまたがくっとなったりして。なんとか自信を持ちたいなあ、とまあいろんなことしましたけどね。お酒も浴びるごとく飲んだりね。ジンかなんかを毎晩寝酒にがばがばがばって飲んで、夜中に気持ち悪くなって目が覚めたりね。そんなことばっかりやってましたね。なんとかして自信を持ちたい、そういうのばっかりでしたね。

写真左から、松本幸四郎、坂田藤十郎、中村吉右衛門。

「顔が小さく、背が高い自分は体型的に歌舞伎俳優に向かないのではないかという悩み、同じ道を進む二歳違いの兄と常に比較される憂鬱。すべてが吉右衛門という大名跡を継ぐにたる俳優にならなければいけない重圧に起因していた」

「若い頃、兄貴と僕は細くて背が高く、姿が似ている上に、実父から教わる物も同じ。役どころも共通していました。ならば年上の兄きがどうしても先に役をつとめることになります。その域を脱するには、こちらが違う役柄を開拓し、自分を変えていくしかないと思いました」

芸とかそういうものって体の中にたまっていって花開くのってずいぶん時間がかかると思うんですけど、自信を持つきっかけっていうのは、なんだったんですかね。
「娘を育てられたから、とかそういうもんかなぁ。四人の娘を。」

「役者を辞めたいと思ったこともあります。五十歳を過ぎたら出家と言っていました」
 そして六十代。
「天職と知りました。自分は役者になるために生まれてきたのかもしれないと思えるようになりました」

「新しい歌舞伎を創造するつもりはありません。創造には破壊を伴うからです。かといってただ修復して昔からの伝統を保存していくだけでよいとも思いません。僕はね、まだ歌舞伎は未完成だと思うんですよ。もっともっと完成度の高い素晴らしいものにできるはずなんです」

チャーミングな素顔

私は、子供の頃から車が好きで、昔、まだ十六歳で小型免許が取れた時代に、親に内緒で取りました。もう取ってしまったら仕様がないということで、既成事実で許してもらいました。

娘さんの一人が運転免許を取って間もなく助手席に父親(吉右衛門)に座ってもらって家の近くを運転する練習をしたが、吉右衛門は鬼教官ぶりを発揮し、運転中は「右に寄り過ぎだ」などと怒鳴り、娘さんは大声で怒られっぱなし。
娘さんは泣きながら運転を終えて帰ってきたが、それ以降、運転することはなくなった。
娘さんの友人は吉右衛門を“鬼”と呼んでいるとのこと。

当代随一の立役(たちやく)といわれる吉右衛門が「夢中になると食事も忘れてしまう」と語るのが絵画だ。

吉右衛門の自宅には「毛抜(けぬき)」の粂寺弾正(くめでらだんじょう)に扮(ふん)した自画像の、百号くらいの描きかけの大作があるという。「完成させて展覧会に出したいね」。芸大に聴講生として入学して絵の勉強をしたいという希望も。

ディズニーが大好き。好きなキャラクターは「くまのプーさん」。枕元に置いてある小物入れもプーさん。

出典「ウチくる!?」より

好きな理由は「自分を見ているよう」だから。

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