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テニスの全米オープンは男子シングルス準決勝が行われ 錦織圭が世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチを破って決勝進出を決めた。日本人選手が四大大会シングルスで決勝に進出するのは史上初。アジアの男子選手としても初の快挙となった。

錦織はアメリカでテニス教育を受けたが これを支えたのが盛田氏が設立し会長を務める「盛田正明テニス・ファンド」だった

2014年9月6日

テニスの錦織圭選手が 歴史的快挙を成し遂げました

世界ランク1位のジョコビッチ選手を破って 全米オープンの決勝に進出したのです

これは 日本人選手のみならずアジア男子初の快挙

連日の4時間超の激闘に続く決勝進出で 世界中を沸かせる錦織選手ですが 彼がここまで強くなれたのは あるファンドの存在があったからなのです

それは「盛田正明テニス・ファンド」

錦織選手はこのファンドのおかげでアメリカでテニスを学べ 世界で活躍することができているのです

盛田正明氏は ソニーグループから引退した後 2000年に日本テニス協会の会長に就任(現在は名誉会長)

▽ 盛田正明氏
「極めて才能のあるジュニア選手を幼い頃から海外で育成したら きっと世界のトップに立てる選手が養成できるに違いないと言う仮説を立てて 実際に試してみようと考えついたのです」

▽ 盛田正明氏
「アメリカに送り出す選手には 盛田財団の選手と言わなくていい あなたが前に所属していたクラブ スクールの名前で世界中の大会に出なさいと言ってきた。それが錦織が出てきて うちの財団が有名になってしまった」

盛田正明(もりたまさあき) 1927年5月29日生まれ

1951年にソニー(当時は東京通信工業)に入社

同社の常務 専務 副社長を歴任し 1992年から94年にかけてソニー生命保険の会長も務めました

ソニー退社後に 今さら自分の目標を作るのではなく 若い人に目標を与えて頑張ってもらうことで それを目標に生きることにし 2000年に「盛田正明テニス・ファンド」を設立

最初にアメリカに選手を送り込んだのは 15年近く前の2000年のこと

しかし錦織登場以前に財団があまり話題にならなかったのは 盛田氏が 黒子に徹していこうと考えて 極力 表舞台に出ることを避けてきたからです

世界に通用する選手を育成することを目的とした基金で 有望なジュニア選手を選考して アメリカのIMGニック・ボロテリー・テニス・アカデミーに留学させる。ここは 4大大会の全てで優勝した経験を持つアンドレ・アガシ氏ら数多くのトッププロを輩出してきた名門アカデミーだ

ニック・ボロテリー・テニス・アカデミーは 1972年に テニスコーチのニック・ボロテリー氏によって創設された

盛田氏らは当初 高校生世代の留学を考えていたが アカデミー側から「それでは遅すぎる。もっと若いうちがいい」と言われ 中学1~2年の年代となった。選手たちだけを送り出すのには不安もあって 当初から日本人コーチも派遣して 現地で選手たちの世話にあたっている

これまでは有望ジュニアに個別に声をかけて選考していたが 2013年から公募制となった

盛田正明テニス・ファンドは2003年に財団法人の認定を受け 公益法人改革で2013年に公益財団となったため 選手も公募制になりました

しかしその条件は厳しく 全国レベルでベスト4以上の成績が必要となります

選考には選手の受け入れ先であるアカデミーのコーチも加わります

アカデミーは完全寄宿制の国際テニス選手養成学校

これまでに アンドレ・アガシやピート・サンプラス モニカ・セレシュ マリア・シャラポワなどを育てています

このアカデミーを買収したIMGの創業者と盛田正明氏が親友だったため 選手を送り込むことが可能だったのです

選抜した有望ジュニアをアカデミーに派遣し 渡航費やアカデミーに関わる滞在費や遠征費 さらには学費も援助する。一方 年ごとに達成目標を定め クリアできないと継続して支援を受けられないという厳しい世界でもある

選手には毎年 レベルに合わせた課題が設定される。その課題を達成できなかった場合は その年限りで留学が打ち切られる。盛田ファンドでは選手がジュニアを卒業する18歳の年まで支援するが 「18歳でプロになるまで留学を達成したのは錦織が初めてだった」と盛田氏は言う。現在留学中の2人を除いて、過去17人を送り出して 18歳の年まで留学を全うしたのは錦織と 今年プロになった西岡良仁の2人しかいない

留学した選手には奨学金返済の義務はない。ただ 世界ランク100位以内に入ったら 後輩の奨学金として 年間獲得賞金の10%を盛田ファンドに還元することになっている

最初の書類選考の基準からして 全国ベスト4というハードルの高さですが そこからの選考はさらに厳しさを増します

アカデミーに2週間の短期留学を行い 実際に現地の生活を体験

外国人と同じ部屋での寮生活をし 本当にそこで頑張れる人物かをテストされるのです

さらにこれに合格しても毎年課題があり それをクリアしなければ即援助の打ち切りという厳しい条件なのです

錦織選手は課題をクリアしつつジュニアの大会で好成績を残し 支援限度の18歳まで留学することができました

ちなみに盛田氏によれば 錦織選手は奨学金をしっかり返済しているそうです

錦織圭選手がテニスを始めたのは5歳。きっかけは 父親の清志さんがハワイのお土産で買った子供用ラケット。上の姉と家族4人でテニスを始めたものの 7歳のころには母親がかなわくなった。小学校1年生から 週3、4日はテニススクールに通い 土日は遠征試合の日々。11歳で全国大会で優勝したことを機に松岡修造さんに見いだされ 修学旅行と松岡修造さんの合宿が重なった時は 迷わず合宿に参加した

小学生のとき 史上5人目である全国制覇3冠を達成。練習試合で高校1年の男子選手に勝利。松岡修造氏がジュニアの指導を始めてから 初めて選手に対して「天才」と言わせ 周りを驚かせた。2003年(中学2年)に財団法人盛田正明テニス・ファンドの強化選手として選ばれ ニック・ボラテリーテニスアカデミーに留学

▽ 錦織圭
「アカデミーははっきり実力の世界で 上り調子のプレイヤーには万全のサポートが与えられるし注目もするけれど 下がっていくと見向きもされない。極端にいえばそのくらいのイメージです。勝敗についても厳しく 「良いテニス」でなく「勝つテニス」ということを意識に叩き込まれます」

アカデミーでの指導はシンプル。「テニスの場合 ある程度 基本がある。フォアだったら脇を開いて打つとか。そうした基本的なことは(ここで)教わる」と錦織。その他は実戦あるのみだ

アカデミーについて錦織は「いいところをどんどん伸ばしてくれた」と話す。「僕でいえばフォアハンド。実は何回もフォームを直すようアドバイスされたけれど 結局 直してないです。『ふんふん』と聞いているふりをして 自分のいいようにやっていた」と錦織。そのままのスタイルを押し通し 盛田ファンド初の同アカデミー日本人卒業生となった

錦織 圭(にしこり けい)
1989年12月29日生まれ 島根県出身

小学校6年生のときに 「全国選抜ジュニア選手権」「七月の全国小学生大会」「八月の全日本ジュニア十二歳以下」の3つの大会に優勝し 史上5人目の全国制覇三冠を達成

この快挙を機に 錦織選手は世界で勝負したいと思ったそうです

ちょうどこの頃に 松岡修造氏に教えを受けました

プロ転向を発表したのは アメリカに渡ってからほぼ4年後の2007年10月

翌2008年にはATPツアーで優勝

以降 日本男子選手の記録を次々に塗り替え 世界トップを目指し戦い続けています

▽ 盛田正明氏
「世界で活躍するのが圭1人じゃダメ。圭に続く選手が出てこないと」
「選手に電話もしないですし アドバイスを送ることもありません。世界で活躍できる選手を育てるのが目標ですから」

盛田氏のファンド設立の目的は「世界のトップレベルの選手の育成」

錦織選手の躍進もあり その目標は達成したかに思えますが 今は錦織選手に続く選手の育成が目標になっています

錦織選手の成長が 盛田氏の目標を大きくさせているのは間違いありません

あくまで黒子に徹し表舞台に出てこない盛田氏

しかし 日本のテニス界に果たしている功績の大きさを テニスファンのみならず記憶しておくべきでしょう

(以下はニック・ボロテリー・テニス・アカデミーを創設したニック・ボロテリー氏が錦織の準決勝進出を決めたときにフェイスブックに投稿したメッセージ)

Congratulations to Kei Nishikori for a great win and for making the US Open semis! IMG Academy and I are very proud of the way you fought. You've got a great team in Dante Bottini, Olivier Von Lindonk, Michael Chang and your physical conditioning specialist. Special thanks to Mr. Morita for his vision, support for the development of Japanese players, and for sending Kei to train at IMG Academy at 12 years old.

錦織 偉大な勝利と準決勝進出おめでとう!IMGアカデミーと私は キミの戦いを誇りに思う。キミは ダンテ・ボッティーニ オリバー・ヴァン・リンドンク マイケル・チャン そしてフィジカルコンディションの専門家がいる素晴らしいチームを持っているね。盛田氏に心から感謝したい。彼のビジョン 日本人選手の育成への支援 そして 12歳で IMGアカデミーでトレーニングするために(錦織)圭を送り出してくれたことに対して。

<関連・参照サイト>

錦織もここで育った…盛田ファンドの狙い スポーツ 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/special/jptennis/20140807-OYT8T50225.html
錦織の快挙で実った盛田氏の投資-テニス基金で留学支援 - Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBCSBZ6TTDSC01.html
ソニーがこの10年に出した最大のヒットは錦織圭?!:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120209/227030/
錦織、シャラポワ…米IMGアカデミーからなぜ育つ :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO50682310X10C13A1000000/
錦織圭が決勝進出までの過酷な道のりを語る「ニューヨークへ来るべきかどうかも分からなかった」 - ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/9227163/
CNN.co.jp 錦織、ジョコビッチを破り決勝進出 全米オープン
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35053413.html
錦織圭、ジョコビッチ撃破で決勝へ!絶対王者すら押し切る“攻めの姿勢”。(1/3) [テニス特報] - Number Web - ナンバー
http://number.bunshun.jp/articles/-/821617

プロテニスプレイヤー スポンサー契約の舞台裏~「考える人」2011年春号~ - UNIQLO ユニクロ
http://www.uniqlo.com/jp/corp/pressrelease/2011/04/041917_mag1.html
プロフィール - Kei Nishikori Official Site KEINISHIKORI.COM
http://www.keinishikori.com/profile_jpn/

【Wikipedia】
ニック・ボロテリー・テニスアカデミー http://goo.gl/EM7yqU
錦織圭 http://goo.gl/RYjtRx

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