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【驚愕】自転車事故の賠償金の額がヤバすぎる

小学生が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、神戸地裁は、少年の母親に約9500万円という高額賠償を命じました。

更新日: 2014年09月14日

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当時小学校5年生だった少年(15)が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、神戸地裁は、少年の母親(40)に約9500万円という高額賠償を命じた。5年近く前に被害に遭った女性(67)は、事故の影響で今も寝たきりで意識が戻らない状態が続いているだけに、専門家は高額賠償を「妥当」と評価する。ただ、子を持つ親にとって、1億円近い賠償を命じた今回の判決は、驚愕でもあり注目を集める。9500万円の内訳はどうなっているのか。一方で、保険加入義務がない自転車の事故をめぐっては、高額な賠償命令が出されるケースも多く、自己破産に至る例も少なくないという。こうした中、自転車の保険制度拡充を目指した動きも出始めている。

母親に賠償責任「監督義務果たしていない」

事故は平成20年9月22日午後6時50分ごろ、神戸市北区の住宅街の坂道で起きた。当時11歳だった少年は帰宅途中、ライトを点灯しマウンテンバイクで坂を下っていたが、知人と散歩していた女性に気づかず、正面衝突。女性は突き飛ばされる形で転倒し、頭を強打。女性は一命は取り留めたものの意識は戻らず、4年以上が過ぎた今も寝たきりの状態が続いている。

 裁判で女性側は、自転車の少年は高速で坂を下るなど交通ルールに反した危険な運転行為で、母親は日常的に監督義務を負っていたと主張し、計約1億590万円の損害賠償を求めた。

 一方、母親側は少年が適切にハンドル操作し、母親もライトの点灯やヘルメットの着用を指導していたとして過失の相殺を主張していた。

 しかし、判決で田中智子裁判官は、少年が時速20~30キロで走行し、少年の前方不注視が事故の原因と認定。事故時はヘルメット未着用だったことなどを挙げ、「指導や注意が功を奏しておらず、監督義務を果たしていない」として、母親に計約9500万円の賠償を命じた。

なぜ9500万円?

高額な賠償となった9500万円の内訳はどうなっているのか。
1)将来の介護費約3940万円

 (2)事故で得ることのできなかった逸失利益約2190万円

 (3)けがの後遺症に対する慰謝料2800万円

 などとされている。

 田中裁判官は、(1)について、女性の介護費を1日あたり8千円とし、女性の平均余命年数を掛け合わせるなどして算出。(2)は、専業主婦の女性が入院中に家事をできなったとして月額約23万円の基礎収入を平均余命の半分の期間、得られなかったなどとして計算した。

 これらに治療費などを加え、母親に対し、女性側へ約3500万円、女性に保険金を払った保険会社へ約6千万円の支払いを命じた。特に女性が意識が戻らぬままとなっていることで、慰謝料などが高額となり、賠償額が跳ね上がった。

交通事故弁護士全国ネットワークの代表を務める古田兼裕弁護士(第2東京弁護士会)は、今回の判決について「高額な賠償額だが、寝たきりで意識が戻っていない状況などを考えると妥当」と評価。ただ、「自転車だから責任が軽くなるとはいえないが、11歳の子供の事故で親がどれほど責任を負うかはもっと議論していく必要がある」と話す。

自転車事故の賠償で自己破産のケースも

自転車事故で高額の賠償が求められたケースは少なくない。

 横浜市金沢区で携帯電話を操作しながら、無灯火で自転車を運転していた女子高校生が女性に追突した事故では、女性は歩行困難になり、看護師の職を失った。横浜地裁は17年11月、女子高校生の過失を認め、5千万円の支払いを命じた。

 また、大阪地裁が8年10月、夜間に無灯火で自転車を運転していた男性が、短大非常勤講師をはねた事故で、男性に損害賠償2500万円の支払いを命じるなど、自転車事故による高額賠償命令は以前から出されている。

 古田弁護士は「自転車でも過失があれば、しっかり賠償しないといけないが、自転車利用者の多くは保険に未加入で、自己破産する例も少なくない」と指摘する。

自転車の普及推進や啓発活動をしている財団法人「日本サイクリング協会」(JCA)によると、全国の自転車の保有台数は7千万~8千万台で、うち約3千万台が日常的に利用されているとみられる。しかし、自転車の保険加入率について、JCAは「統計がないため把握し切れていないが、10%に満たないのではないか」との見解を示す。

 自動車の場合、自賠責保険の加入が義務付けられている。「損害保険料率算出機構」の統計では、任意保険の加入率についても、対人賠償保険、対物賠償保険いずれも73・3%と高水準となっている。

 一方で、自転車の保険は加入義務がなく、JCAは「自賠責保険のように保険加入を義務付けるなど、制度を整備しないと不幸は繰り返される」と警鐘を鳴らす。

求められる対策と「自転車は危険」との認識

警察庁の統計によると、交通事故発生件数は16年の約95万件をピークに年々減少し、24年は約66万件まで減少した。同じ期間中で、自転車側に過失がある事故は、年間約18万件から約13万件に減った。ただ、自転車と歩行者の事故は年間約2500~約3千件で推移。交通事故全体に占める割合は増加傾向にある。

 こうした状況について、JCAは「自転車はエコで手軽といういいイメージが先行しすぎて、教育が行き届いていないことが原因」と分析する。

 JCAは、会員に対して特典という形で、事故による賠償命令が出た場合に5千万円を補助している。しかし、自転車事故による高額賠償命令が後を絶たないため、保険活動を主体とする別組織の創設を検討し始めている。JCAは「保険の拡充を検討しているが、ルールやマナー無視をなくすことが最も必要。『自転車は危険なんだ』と認識しないといけない」と訴えている。

自転車保険は割高? 加入進まず3割止まり

自転車が歩行者をはねる事故が増える一方、自転車保険の加入は低迷している。全国で高額賠償判決が相次いでいるが、兵庫県などの調査では加入率は2~3割となっている。県は加入義務化も視野に条例を検討しているが、保険料の割高さや罰則規定の扱いなど課題も多い。

 県が昨年、10~80代の1338人に聞いた調査では「加入している」が約3割、「分からない」は約2割だった。民間調査会社「サーベイリサーチセンター」(東京)のネット調査(12年)でも加入者は約2割にとどまった。

加入率低迷の要因には保険料の割高さがある。日本損害保険協会近畿支部(大阪市)によると、自転車で歩行者にけがをさせた場合、自動車保険や火災保険などの特約でカバーするのが中心で、保険料は年間1~3千円程度。このほか、自分のけがの補償もある保険なら約3~5千円という。

 県自転車軽自動車商業協同組合の妹尾積理事長は「1万円ほどで買える自転車が増える中で保険料負担が大きい」という。

 県は今年、保険義務化も視野に入れた条例の検討委員会を発足したが、他府県から乗り入れた場合など検討すべき課題は多い。東京都や埼玉県など先行例では、加入は努力義務にとどまっている。

 自転車愛好家でつくる日本サイクリング協会は「日本では自転車の正しい走り方を教えていない。加入促進には自転車が車両だという意識を育てる必要がある」としている。

危険な自転車利用が増えている

環境問題への意識の高まりからか、近頃は自転車利用者が増加しているように感じる。東京都内では、今回の大震災後、さらに通勤や通学に自転車を利用する人が増えたと聞く。けれども、それとともに目立つのが、危険な自転車利用者の姿だ。

残念なことに、街中では信号無視をする人や、車道や人込みを暴走する人、自転車乗用中に携帯電話や、音楽プレーヤーを使用する人が目立つ。中には、おしゃれだからと、ブレーキがついていない競技用の自転車を、平気で公道で利用する人もいる。

平成22年中の交通事故発生状況(警察庁資料)を見ると、事故に遭った自転車乗用者の約3分の2は、法令違反によるものだ。対クルマの事故でも、単純に自転車利用者が被害者とは言い難いケースが、予想以上に多いことがうかがえる。

悪質なのは、交通ルールを知っているのに守らないケース。人やクルマの多い場所での信号無視などは、その代表例だが、こうした人たちは、いったいどれほど危険性を認識しているのだろうか。自転車は車体が小さいので、運転技術さえあれば、事故を回避できるとでも思っているのか。

さらに、自転車の交通ルールを十分に理解していない人も多い。以前、高校の交通安全教室を取材した際、「自転車は右側通行、左側通行の、どちらか?」という問いに対し、普段自転車で通学している生徒が、「どっちだっけ?」と悩む姿を見かけた。これなどは本来、即答すべき単純な質問のはずだが、基本ルールさえ知らない生徒が多いのだ。

また、日本は欧米諸国に比べて、自転車利用者のマナーが悪いと言われる。横断歩道や自転車通行可の歩道で、歩行者を優先させる意識が低く、中にはベルを鳴らして、歩行者を避けさせる自転車まで見かける始末だ。要するに、自転車利用者は、ドライバーやライダーと比べても、安全意識が低いのが実態なのだ。

自転車に乗る際は下記交通ルールをきっちり守りましょう!

自転車は車道が原則

私たちの周りでは、車道を走っている自転車もあれば、歩道を走っている自転車もあります。どちらが正しいのでしょうか。実は、道路交通法上、自転車は「車両」と位置づけられていますので、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則です。

【罰則】3か月以下の懲役または5万円以下の罰金

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