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情念的な「黒髪」の和歌5選―平安の女たちの恋

黒髪… それはいにしえの美女の代名詞。そんな黒髪に関連する和歌を集めてみました。

更新日: 2014年09月21日

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mimimi8さん

黒髪の みだれもしらず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しきー和泉式部

出典後拾遺和歌集

恋に思い乱れ、髪を乱したまま床にうちふす。その時に優しく髪をかき上げたあの人が恋しい。

結婚する・思いを交わす=逢う という認識の時代。
女性の黒髪をかき上げるという行為ができる男性は、恋人だけでした。

この和歌をもとにして、様々な「黒髪」の歌が生まれていきます。

長からむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は 物をこそ思へー待賢門院堀河

出典千載和歌集

小倉百人一首80番に入っています。

あなたは、末永く心変わりはしないとおっしゃっいました。ですが、本当にその言葉を信じていいのかと、貴方の心を疑ってしまいます。そして、その心の乱れのままに黒髪も乱れてしまっているのです。

当時の結婚は、男が女のもとに通う、というものでした。
心変わりをして男が通わなくなっても、女は待たねばならない。
待つ立場、故に彼女たちは苦しみます。

かきやりし その黒髪の すぢごとに うち臥すほどは 面影ぞたつー藤原定家

出典新古今和歌集

私の手で黒髪をかきやり横になる、かきやった髪のその一筋がはっきりと見えるように、あの人の面影が我が眼の前にくっきりと浮かび上がる。

女性の立場になって詠ったものでしょうか。

うば玉の 闇のうつつに かきやれど なれてかひなき 床の黒髪ー藤原定家

出典新古今和歌集

暗闇の中で、たしかに黒髪をかきやったけれども、また乱れてしまい意味がなかったことだね

これは女性の視点でも男性の視点でもいいような気がします。
男性の視点だと、恋人の女性が寝てる時に、寝乱れた黒髪を、きれいに整えてあげたけど、また乱れてしまったね、ってほほえましく思っているような感じがしますね。

くろ髪の 千すぢの髪の みだれ髪 おもひ乱れ かつおもひ乱るるー与謝野晶子

出典みだれ髪

私の豊かな千すじもの黒髪は乱れている、そして私の気持ちもあなたへの恋心によって思い乱れ、さらに思い乱れて…

与謝野鉄幹との激しい恋愛でしられる与謝野晶子。激しい女の情念を乱れる黒髪が象徴していますね。

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