1. まとめトップ

【致死率80%!?】恐怖の感染症「マールブルグ病」とは

致死率が最大80%にも達する恐怖の感染症「マールブルグ病」とは。エボラ出血熱に並んで、地上で最も危険な感染症の一つとされている。その感染力・致死率の高さはまさに異常。どのような感染症なのか、詳しく解説!

更新日: 2014年10月10日

2 お気に入り 14731 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

kawa086さん

現在発生中!

2014年10月4日現在、ウガンダで医療技師が1人感染、死亡しました。約100人に接触した可能性があるといい、今後感染拡大が予想されています。既に99人に隔離措置がとられていますが、今後の情報に注意してください。

マールブルグ病

マールブルグウイルス

マールブルグウイルスの電子顕微鏡写真

フィロウイルス科のウイルス。「フィロ」とは「繊維」を表す。直径80nm、長さ14,000nm程度にまで成長する。
ウガンダが発生源とされているウイルスで、ウガンダから輸入されたアフリカミドリザルから人間へと感染した。感染した場所が主に西ドイツのマールブルグが中心だったため、マールブルグウイルスという名がついている。
感染力は強いが、感染方法は限られており、直接的な接触で人から人へ感染する。
自然宿主(自然界でウイルスを保有している動物で、ウイルスと共存関係にあるために発症しない)は特定されていないが、サルやコウモリという説がある。

2014年に西アフリカで流行して話題となった「エボラウイルス(ウイルス性出血熱の「エボラ出血熱」の病原ウイルス。詳しくはhttp://matome.naver.jp/odai/2138810565441862401)」の仲間でもある。

保管や研究などでこのウイルスを扱う際はそれ相応の施設(バイオセーフティーレベルが4以上の施設、「BSL-4」)でしか扱えず、その施設でしか検体の検査も行えない。日本には稼働しているBSL-4施設は存在しない。そのため、感染者のウイルス検査はBSL-4施設のある国へ検体を送るしかない。

マールブルグ病

マールブルグウイルスが原因で起こる感染症。
インフルエンザを超える激しい症状に加え、激しい出血を伴い、その致死率は25%を超える(インフルエンザの約200倍)。出血傾向の強い感染症「ウイルス性出血熱」の一つとなっている。ワクチン・治療薬は存在せず、治療法も確立されていない。
「マールブルグ熱」「マールブルグ出血熱」「マールブルグウイルス感染症(Marburg Virus Desease、MVD)」、1967年の集団発生ではアフリカミドリザルが原因だったため「ミドリザル出血熱」とも呼ばれる。

法令では「国際伝染病」「一類感染症」として、感染者の全数把握の対象となり、感染者の隔離治療が原則となっている。

感染・症状・致死率

発症した患者の血液・体液・吐瀉物・排泄物等で感染する。伝播は血液が中心となる。ウイルスは、感染者が発症してから伝播できるようになる。また、飛沫感染するので、患者の咳やくしゃみで感染し、半径2メートル以内が危険区域となる。だが空気感染はしないので、直接的な接触をしていないならば感染する可能性はかなり低くなる。
接触をした場合は、ウイルスに感染する可能性が非常に高くなる。ウイルスの感染手段は確かに少ないが、ウイルスの感染力は強いので、体内に入ったウイルスが非常に少なくても、そのウイルスは確実に細胞に感染し、発症する。

アフリカでの流行では、感染者の家族が世話をした際や、葬儀などで死亡した感染者の血液に接触した際に感染することが主となっている。
感染しやすい人など、感受性に関してはほとんどの人で一定だと見られている。

潜伏期間(ウイルスに感染してから症状が現れるまでの時間)は3~7日、二次感染の際は3~10日と多少長くなる。

発症は突発的で、突然のインフルエンザ様の症状が見られる。激しいインフルエンザ様症状(発熱・頭痛・嘔吐・全身の痛み)の後、マールブルグ出血熱と分かる症状(水様性下痢・出血)が見られる。倦怠感が激しく、発症後激しく衰弱し、発症から数日たった患者の表情は酷く無気力に見える。
重症化した場合は、全身からの激しい出血・DIC(播種性血管内凝固症候群)が見られ、DICによる出血性ショック(DICとは、全身で無秩序に血小板凝固が起きて血小板が消費され、血中の血小板が減ることで、出血時の止血が困難となる症状。マールブルグウイルスによる出血が酷くなると非常に危険となる。)や、消化管出血等による多臓器不全に陥り、死に至ることがある。
老人や子供、免疫力の落ちた人、持病のある人は他の感染症同様に重症化しやすい。

●初期症状
発熱、吐き気・激しい嘔吐、重度の倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛、腹痛、胸痛、背部痛、咽頭痛、下痢、紫斑・皮膚粘膜発疹
●1~3日後
吐血、下血、水様性下痢、意識障害、痙攣、激しい衰弱
●3~7日後
臀部や上肢外側の毛根周辺に痒みの無い暗赤色丘疹、歯肉・鼻腔等からの出血
●7日後ごろ(重症化した場合)
顔面・躯幹・四肢等に散発的な暗赤色紅斑、全身(発疹・口腔・鼻腔・眼・毛穴など)からの出血、中枢神経系の併発症(混乱・過敏性・攻撃性)、続く高熱(40℃前後)
※致命的な症例:消化管出血、DIC(播種性血管内凝固症候群)、ショック、
●8~9日後(重症化した致命的な場合)
死亡
●2週間目(10~15日、末期症状)
稀に精巣炎

臨床像(見た目の症状)では、「エボラ出血熱」との区別は難しい。

致死率は20%~80%と、幅がある。

以前に感染して耐性のある人や、設備の整った病院で適切な治療を受けた際は、致死率は50%以上になることはない。
悪環境での治療を受けた場合や治療を受けない場合、持病を伴っている場合などでは、時に60%を超えることがある。
また、自然宿主(自然界でウイルスを保有している動物で、ウイルスと共存関係にあるために発症しない)から直接人に感染した場合は、人から人へ感染した場合より致死率が格段に上がり、無治療では80%に上ることもあるという。これは、ウイルスは感染している動物が死ぬと自らも死ぬため、人へ感染したウイルスは人間と共存しようと自ら人に対する致死性を下げているため、人から人への感染時は致死率が下がるのではないかとも言われているが、明確な原因は分かっていない。

有効な治療法・治療薬は無く、対症療法(今出ている症状に合わせて対処する治療法)のみ。

ワクチン等の予防薬はまだない。そのため、個々の意識が非常に大切となってくる。
・流行の発生している地域・発生したことのある地域には近づかない
・現地で変な噂を聞いた場合は近づかない
・怪しい患者には無作為に接触しない。

帰国後、マールブルグ病の疑いのある病気にかかった場合は、指定された病院に入院して、検査や治療を受けなければならないことになっている。感染の疑いのある時点で該当者は隔離され、家族・接触した人・接触した可能性のある人は隔離・監視される。
ウイルスの検体は検査できる施設の整っている国へ送って検査(日本国内の施設では検査できない)し、マールブルグ病と診断された場合は即座に病棟ごと隔離される。
隔離病の集中治療室内からは一切出ることができず、面会も不可能。治療室内には一定の設備が整っており、ここで治療が全て行われる。治療等を行う医師やスタッフは防護服を着用して治療に当たる。

歴史

ウイルスの発見

1967年、西ドイツのマールブルクとフランクフルト、ユーゴスラビアのベオグラードにポリオワクチン製造・実験用としてウガンダから輸入されたアフリカミドリザルにかかわった研究職員や清掃員など25名が発症、出血症状を伴った発熱が中心であり、うち7名が死亡するという事件が発生した。患者に接触した医療関係者など6名に二次感染が見られたが、死者はなかった。
原因を調査すると、「フィロウイルス科」という新種のウイルスが見つかり、今回発生した地名から「マールブルグウイルス」と命名された。この9年後、新たなフィロウイルス科のウイルス「エボラウイルス」というウイルスが発見されている。

1967年:西ドイツなど 31人感染、7人死亡(致死率23%)
1975年:ジンバブエなど 3人感染、1人死亡(致死率33%)
1980年:ケニア 2人感染、1人死亡(致死率50%)
1987年:ケニア(オランダ人の少年) 1人感染、1人死亡
1998~2000年:コンゴ民主共和国 154人感染、128人死亡(致死率83%)
2004~2005年:アンゴラ 374人感染、329人死亡(致死率88%)
2007年:ウガンダ 4人感染、1人死亡(致死率25%)
2008年:ウガンダ(オランダで発症) 1人感染、0人死亡
2012年:ウガンダ 24人感染、11人死亡(致死率46%)
2014年:ウガンダ 1人感染、1人死亡【終結宣言未発令】

1967~1987年の間を見ても分かる通り、当初は数人程度の散発的な流行に止まっており(1967年の集団発生では、人から人へ感染した症例はわずか6人に止まっている)、感染力の弱い風土病的な捉え方をされてきた。しかし2000年、154人が感染し128人が死亡、致命率83%という驚異的な値を示した。そして2005年、374人が感染し329人が死亡、致命率88%というさらに激しい値を示した。

1 2