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インド経済成長の鍵を握る「モディノミクス」インド経済の課題・政策について

2014年5月。インド人民党主導の野党連合が勝利を納め、モディ氏が新たに首相になった。今後のインド経済を占うモディノミクスを中心に、まとめてみた。インド経済 モディノミクス ナレンドラモディ 日本とインドの経済交流

更新日: 2014年12月02日

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H.TAKAさん

インドが今、大きく変わろうとしている。
インド国民の最初の独立が1947年の英国支配からの独立だとすると、2回目は規制だらけの制度から自由になった1991年の経済自由化と言える。

そして3回目は、2014年5月、ナレドラ・モディ氏率いるインド人民党(BJP)主導の野党連合が第16回下院議員選挙に圧倒的勝利を収め、新首相の誕生。

このところのGDP成長率は5%で頭打ち状態にあり、中央銀行はインフレも抑制できずにいる中、モディが首相を務めてきた西部グジャラート州は高い経済成長を遂げてきた。

強い指導力で州のインフラを整備し、自動車のフォードや衛生用品のコルゲートといった世界的大企業の投資を呼び込んだ。世界最大の石油精製所もあり、農業も主要産業だ。

モディの経済手腕は、世界からも評価されてきた。ゴールドマン・サックスは昨年の報告書で、モディを次期首相として最も適任だと称賛する程。

そんな今大きく変わろうとするインドの経済政策や課題等を(1)〜(6)のコンテンツに分けて、まとめた。

(1)新首相モディによる「モディノミクス」とは

インド人民党(BJP)党首のナレンドラ・モディ首相の経済政策のこと。

モディノミクスの方向性は、

1.海外からの投資を促進
2.高速鉄道網等のインフラ整備
3.製造業や観光業などを中心に雇用を拡大

高い経済成長を実現するというグジャラート州で行った経済改革をインド全体で行おうというもの。

しかしながら、改革を実現するためには、直接投資に関する規制緩和や投資税制の見直し、電力や用地、人材の確保を容易にする規制緩和や法整備も必要となり、中央政府より各州の自治権が強い連邦制度の下で、多くの州でモディの政敵が首相になっている現状では、実現に懐疑的な見方もある。

「モディ政権で始まるインドの夜明け」
カーストや地域による問題や宗教主導の政治には関心を払わず、強力なリーダーシップと決断力で機能不全に陥ったインドの政治と低迷する経済を立て直し、汚職を撲滅して雇用を生み出すリーダーを求めていた。

(1)経済成長が加速
(2)各種手続きが簡便に
(3)強力な外交力を発揮
(4)ナショナリズムの高まり
(5)インドを魅力的にする多くの計画

「5T(Talent=人材、Tradition=伝統、Tourism=ツーリズム、Trade=貿易、Technology=技術)に焦点を当てることでインドのブランドを構築する」というビジョン。

送水網、光ファイバー網、新幹線といったインフラ計画はインドが最も必要とする近代化計画。

それ以外では、インド国内100カ所にスマートシティを作る、インド工科大学(IITs)、インド経営大学院(IIMs)、全インド医科大学(AIIMS)をインド28州すべてに作り、すべての国民がよい教育を受けられるようにする、という計画もある。

2014年5月に発足したモディ首相が率いる新政権は10つの重点課題に注力する見通し

1インフレの抑制
2. 国内経済の回復・雇用創出
3. 汚職や不正資金の抑制
4.財政規律の徹底
5. 製造業の発展促進
6. 金融業の改革・”tax terrorism”の廃止
7. 社会福祉政策及び補助金制度の導入
8. 都市化の促進
9. 農業政策の強化
10. 人材育成への取り組み

一方で、批判的な意見もある。

グジャラート州は地理的に好条件に恵まれている。長い海岸線は輸出の拠点となり、広大な乾燥地帯は工場用地に最適だ。

 長期的に見れば、グジャラートの成長率はモディが01年に州首相に就任する前から国を上回っていた。90年代には国の成長率が3.7%だったのに対し、グジャラートは4.8%。00年代は5.6%に対して6.9%だった。この程度なら、グジャラートはどうしてもっと成長できなかったのか、という疑問のほうがふさわしいだろう。

(2)インドの課題

インドの農業は1970年代の「緑の革命」で大きく伸びた。しかし、GDPに占める農業の割合は、1980年代から2007年までの間に36%から18%に低下している。これは工業部門やサービス部門が急速に発展したためだ。

インドの農業は非常に大きな問題を抱えている。それはインド経済が今日に至ってもモンスーンという気候条件に大きく依存していることだ。モンスーンが農業生産量、インフレ、個人消費、最終的には経済成長を決めるといっても過言ではない。

世界第2位の人口を持つインド。12億人を超える国民は、多様な民族、言語、宗教によって構成されており、公用語のヒンディー語に加え、公認言語だけで21言語も。ヒンズー教にまつわる身分制度であるカースト制度の影響が今も残っている。

未だ貧困層も多く、1日1.25ドル以下で生活する人が人口の3分の1に当たる約4億人いると言われている。

インドにおいては日系に限らず外資系企業によるEコマースに関する規制が存在する。外資系企業は、インドではBtoBのEコマースのみ行うことができ、BtoCのEコマースが法律で一切禁止されている。

つまり卸売りしかできない。

そのため、外資系Eコマース会社としては後者の「マーケットプレイス」を利用してローカル企業にプラットフォームを提供し、ローカル企業から購買者に直接販売してもらう方法しかない。

インフラ整備と財政健全化両立の課題

13年度の財政赤字は国内総生産(GDP)に対し4.5%。
2014年度(14年4月~15年3月)予算案について、ジャイトリー財務相は3~4年内に「7~8%成長を取り戻すための起点」と位置づけ、改めて中国に匹敵する成長率を掲げているが、インフラ整備と財政赤字の抑制を両立できるか。鍵を握る。

首相に就任したモディ氏はこの問題解決に取り組む意欲を示し、2019年までに全家庭にトイレを設置する方針を掲げた。

2011年の調査によると、北部5州では、トイレのない世帯の割合が全体の45%に上る。ただ、家にトイレがあっても外で用を足したがる人が多い。

 RICEの研究では、農村部3235世帯のうちトイレのある世帯は43%だが、このうち外で用を足すのを好むと答えた家族が1人以上いた割合は40%以上に達した。理由をたずねると、約75%が楽しく、快適で、便利だからと答えた。

(3)日本とインドの経済交流

「ジャパン・プラスは、2014年10月8日から実質的に始動している。
経済産業省の豊福健一朗氏(独立行政法人日本貿易振興機構:JETROニューデリー事務所次長)により調整され、インドからは4名、日本からは2名の政府関係者を含む」(印エコノミック・タイムズ紙)という。
ジャパン・プラス・チームは、部門の垣根を越えて動き、日本からの投資について、指導、誘致、促進、迅速な対応や投資計画の把握など、様々な面でインド政府をサポートするという。

安倍晋三首相は、ナレンドラ・モディ首相の日本訪問中、官民提携と政府開発援助(ODA)を合わせ、5年間で3兆5000億円の投資を提案した。
また、新幹線システムの導入のための資金、技術、運営などの支援も申し出た。

◆二重の監視体制
 インド政府はさらに、2013年9月に両政府が合意した「日印投資交流アクション・プラン」の進行を監視するグループを立ち上げた。
議会省、 鉄道省、商工省、外務省、財務省、都市開発省、電子工学・情報技術省など、多くの部署から人員を構成している。

日本が交わした共同声明の主要ポイント10点

現在、日本はインドにとって第4番目の投資国であり、二国間の貿易規模は約160億ドルある。

インドのモディ首相と茶席をご一緒しました。リラックスした所作で日本のお茶を楽しんでいただきました。 迎賓館で行った首脳会談では、政治、経済、文化をはじめ、あらゆる分野で協力を大いに進めていくことを確認しました。...

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