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最初期の人種カポイドと、悲劇の女性サラ・バートマン

初期のホモ・サピエンス(人類)の特徴を多く残すと言われている人種、カポイド。人口が約20万人と極めて少ないため、一般にはあまり知られていませんが、人類学では重要な存在とされています。カポイドの紹介と、その身体的な特徴から好奇の目に晒された女性サラ・バートマンを紹介します。

更新日: 2017年06月04日

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最古の人種、カポイド

サン族の子供たち。

カポイド(Capoid)は、ネグロイド(黒色人種)に含まれる人種のひとつで、コイサン人種とも呼ばれる

5人種説ではモンゴロイド、コーカソイド、ネグロイド、オーストラロイドと共に人種群のひとつとして分類されています。

かつてはアフリカ大陸南部に広く分布していたが、バントゥー人の南下に押され、今日ではナミビアからボツワナ、アンゴラ、南アフリカなどカラハリ砂漠周辺に居住する

南部アフリカに居住するコイコイ人(ホッテントット)とサン人(ブッシュマン)の2民族を総称した人種概念。

ブッシュマンと呼ばれるサン族は狩猟民族、ホッテントットと呼ばれるコイコイ族は遊牧民族で、両グループは一種の自然契約に基づく共存関係にあったと言われています

カポイドに属するコイコイ族とサン族は文化的にも近い関係にあり、共存していたようです。

カポイドは、人口が極めて少なく、絶滅に近い状態にあります

カポイドの人口は20万人程度と言われており、さらにネグロイド(コンゴイド)との混血が進んでいます。

初期ホモ・サピエンスの特徴を残しており、アフリカ最古の人種ともいわれる

カポイドの特徴

コンゴイドとカポイドは身体的特徴だけでなく、言語及び(欧米化以前の)生活様式によっても区分された

カポイドは一般的な黒人(=コンゴイド)と異なる身体的特徴を有しています。

毛髪は極端に縮れた毛で、内部に多量の脂肪組織の蓄積のために後方に突出している臀部を持っている

特にカポイドの女性に特徴的な、後ろに突き出た臀部は「ステアトパイジア」と呼ばれます。

女性にホッテントットのエプロンと呼ばれる小陰唇伸長が見られる。人工的に伸張を目的に工夫したと誤解されるが誤りで、これは彼らの身体的特徴

カポイドは目が奥二重で、頬骨が張っていてモンゴロイドのような特長を持っている

ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領は、カポイドの特徴を多く持っています。

非常に低身長(1.5m以下)、皮膚は黄褐色、ひげがよく発達。

身体的特徴ではないが、コイサン語族と呼ばれる吸着音という肺からの呼気に依らない音素を持った特徴的な言語を共通して話す

近年の研究ではミトコンドリアDNAを見ると15万年前から9万年前に他の人種から分岐した形跡があるという

初期のホモサピエンスの特徴を多く残したカポイドは、人類学的上の重要な地位を占めています。

見世物にされ、標本にまでされた悲劇のカポイド女性

サラ・バートマン(1770年代 - 1815年12月29日)
コイコイ人の女性。

サラ・バートマンは、南部アフリカ(現・南アフリカ共和国)出身の女性。ホッテントット・ヴィーナスと呼ばれていた。

「ホッテントット」はコイコイ人の旧称で、今では差別的な意味合いもありあまり使われません。

母親と父親を幼少の時になくし、ケープタウンの別のコイコイ人の家で奴隷として乳母と女中の仕事をしていたが、1808年にイギリスで奴隷制が廃止され、彼女をイギリスで見世物にしようと企んだイギリス陸軍の軍医とコイコイ人の主人に連れられて、1810年に故国を離れてロンドンにやってくる

後方に突き出た大きなお尻と、「ホッテントットのエプロン」と呼ばれる女性器という身体的特徴が、オランダ人の次にやって来たイギリス人には金儲けの見世物としてうってつけだった。

ロンドンの見世物興行に出演し、コイコイ人女性特有の大きな臀部が人びとの好奇の目を集めた

その見世物は、当時の奴隷解放論者や道徳家たちを憤激させ、奴隷解放論者のマコーリー(有名な歴史家の父)は、彼女を解放して祖国に帰らせるために人身保護令状を得ようとするが、1810年の11月に彼女を直接審理した結果、彼女は祖国に帰るよりもイギリスに滞在することを選んだため、この計画は頓挫して彼女を利用した興行は継続する。

ヨーロッパの気候はアフリカからきたサラには苛酷すぎた。遥か故郷に戻る日を心から望むサラだったが、1815 年に失意と絶望のなか病死してしまう

死因は天然痘と言われています。

死因は天然痘といわれている。医師ジョルジュ・キュヴィエの医学的関心の対象になり、遺体は解剖された

ジョルジュ・キュヴィエは18-19世紀のフランスの博物学者。比較解剖学の大立て者であり、古生物学にも大きな足跡を残した人物。

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