1. まとめトップ

「聖書の勉強に目覚めたと思ったらクルアーンに打ち込んで」…友人も唖然、北アイルランド出身イスラム戦士

北アイルランド紛争関連でよく名前が出てくるデリーのクレガン地区出身の20代男性が、この夏、シリアでイスラム武装勢力(ISISではない)に参加していると報じられました。デリーに戻った彼が逮捕・起訴され、何があったのかが徐々に明らかになりつつあります。

更新日: 2017年10月28日

0 お気に入り 6411 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

nofrillsさん

2014年7月のある日、私の頭は混乱した。

Ulster Freedom Fighter: Derry man Eamon Bradley joins Syrian rebels irishmirror.ie/news/irish-new… pic.twitter.com/T3HjPHXpGM

一瞬、ワードサラダか冗談ニュースかと思ったんですが、ガチ。

Ulster Freedom Fightersといえばこれですよ。UFF。つまりUDAの実働部隊。ロイヤリスト/ユニオニスト/プロテスタントの武装組織。

で、その人たちならDerryじゃなくてLondonderryと言うはず。

でもここではDerryといわれてるし、それにソースが「アイリッシュ・ミラー」。アイルランド共和国のメディア。

わけがわからないよ、ままん。。。と思いつつリンク先を見ると……

▼デリーのクレガン地区から、「イスラム戦士」が出たらしい。

A Northern Ireland man has joined Syrian rebels in their bloody conflict after telling his mother he was going to Turkey for a holiday.

Eamon Bradley is believed to have been in the war-ravaged country for a number of months now.

The 25-year-old, from Derry’s Creggan area, has recently completed his guerrilla training and has told family and friends he is ready to fight and die if he has to.

【要旨】休暇でトルコに行ってくると母親に言い残して出かけていった北アイルランドの男性が、シリアで反アサド側に加わって戦っている。この男性はデリーのクレガン地区出身のエイモン・ブラッドレーさん(25歳)。シリアに入って既に数ヶ月になるが、最近ゲリラ戦の訓練を完了し、家族や友人たちには戦って、必要があれば死ぬ覚悟はできていると語っている。

この人、家族に連絡したときに「ちょ、おま、ISISかよ」とお兄さんに言われて「違う違う、ISISと戦ってるイスラム主義勢力」と答えていたそうだが、後に起訴されたときにわかったのは「イスラミック・フロント」を構成する組織の一員として訓練していたということ。

なお、家族の話では、彼は最初に聖書にはまって、そこからクルアーンにはまったという。ボーン・アゲインの迷走ですね。 (・_・)

デリーのクレガンって、ニュースで接する限りですが、めっちゃ「濃い」ところなんですよ。デリーといえばボグサイドだけど、クレガンはボグサイドに隣接する地域で、ディシデント・リパブリカンの活動はボグサイドと同じくらいかそれ以上に活発で、Google street viewなどで見てもそれもんの壁画・スローガンが出てくる。

だから家族も友人も面食らってて「なんでこんなところからイスラム過激派が」という反応。パーティアニマルが聖書に目覚めたかと思えばクルアーンに打ち込んで、3年くらい部屋に引きこもってたかと思ったらトルコに行っちゃったらしい。

Meet 'Paddy Jihadi' – aka Eamon Bradley, drug-loving Derryman turned Syrian insurgent irishmirror.ie/news/irish-new…

「パディ」とか言わない(笑)。記事に書いてあるけど、彼は失業者で10代からドラッグと酒の日々で、犯罪者ともつるんでいたけれど、実は「人生の目的」を探していて宗教に目覚めたらしい。クレガンだから当然なんだけどカトリックの家の子で、そのまま神父さんにでもなるんじゃね、的に周りは思っていたところ、路線が変わっていったと。

普通ならニュースになるなら「デリーで青年が膝撃ちぬかれる」っていうニュースになってるような青年が、なぜ……

そして11月、彼が帰国して逮捕・起訴された。

MAN (25) ARRESTED: POLICE SEARCH HOME OF SYRIAN REBEL SUSPECT: Eamon Bradley pictured in the Middle ... derrydaily.net/?p=134165

Derry_Daily: Eamon Bradley pictured in the Middle ... derrydaily.net/?p=134165” : A COMPLETE TOOL OF THE HIGHEST DEGREE. God help his poor Ma

「際限のないバカだ。お母さんが気の毒すぎる」

Today’s search follows the arrest of a 25-year-old man in the Creggan.

A PSNI spokesperson said the man was arrested by detectives from Serious Crime Branch as part of inquiries into reports of alleged activity in Syria.

The spokesperson added: “The suspect was arrested in the Creggan area of the city and has been taken to Antrim police station for questioning.”

November 6, 2014

彼はクレガンで逮捕され、自宅には北アイルランド警察の家宅捜索が入った。警察は「重大犯罪課」が彼を逮捕し、アントリム警察署(「テロ」関連の取調べはここと決まっている)で尋問をしていると述べた。

Not ISIS: Ulster Freedom Fighter: Derry man Eamon Bradley joins Islamic Syrian rebels mirr.im/1xcPC92

「ISISじゃないんだね」と、グアンタナモに送られたり、最近も英警察に逮捕されたりとたいへんな目にあっているモアザム・ベグさん。

Irish 'Paddy Jihadi' Eamon Bradley arrested in Derry in connection with alleged activity in Syria irishmirror.ie/news/irish-new…

逮捕の報道。

Good Lord, local jihadi Eamon Bradley! fw.to/QgkV5fh

数日前にクレガンに戻っていたところを逮捕。(リンク先はデイリー・テレグラフ)

In Londonderry, Eamon Bradley has been arrested after fighting with the jihadis in Syria. derrydaily.net/2014/11/06/der… pic.twitter.com/QnXejGnZgN

なお、これらの写真は本人がソーシャル・ネットにアップしていたもの。ゲリラの訓練キャンプに参加していながら「問題となる行為をしていた」という認識がないんですね。

▼そして即起訴

Derry man Eamon Bradley charged with firearms and explosives offences over alleged activity in Syria belfasttelegraph.co.uk/news/local-nat…

N.Irishman Eamon Bradley charged with being trained at jihadist camp in Syria, confesses to being in three battles belfasttelegraph.co.uk/news/local-nat…

#Derry man Eamon Bradley told police during interviews that he went to #Syria earlier this year and fought against ISIL and the Assad regime

LISTEN: #Derry man Eamon Bradley in court on weapons charges in #Syria inquiry audioboom.com/boos/2633346-l… via @audioBoom

ディーンさん自身によるBBC Radioのニュースクリップ。

BBC News - Eamon Bradley in court to face weapons charges in Syria inquiry bbc.com/news/uk-northe… 「僕は今シリアにいます」って写真をアップしたデリーの25歳男。保釈申請却下&手錠

承前。シリアから北アイルランドに戻ってきたところを逮捕。法廷では彼がイスラム教に改宗し、トルコに飛んでから陸路シリアに入り、Army of Islamのキャンプで戦闘訓練を行なったことが語られた。本人は「ISISとアサド軍に対して戦った」と述べ戦闘では武器は使っていないと主張。

承前。保釈申請却下について判事はreluctantであったと(いくら保釈が原則とはいえ、これはすごいな。イングランドでは「テロ法」の起訴ではそんな余地はなかろう)。本人に海外逃亡のおそれがあることと、地元の武装組織との接触の懸念があること(ただし被告人と地元組織はこれまで無関係)

北アイルランドは「テロ」での起訴でも保釈することはある(例えば2009年のReal IRAによる英軍基地襲撃事件での被告人。後に無罪になってますが)。

あと「地元の武装組織」は、特に「引用符つきIRA」(旧Real IRA, 旧RAADなどが合併したもの)ではないかと。

Islamic radicalisation isn't just taking place among immigrant communities. "Eamon Bradley in court in Syria inquiry" bbc.co.uk/news/uk-northe…

「過激化」は移民の間だけでの問題じゃないんだな、という感想。これ、欧州の広い範囲で確認されてることですね。ルーツがMENAや南アジアになくても、チェチェンやボスニアに関係がなくても、「イスラム教に改宗して過激な主張を『普通のイスラム』と思ってしまっている」というケースはほかにも報告されています。

彼が参加していた組織はどんな組織か

承前。デリーで起訴された「アイリッシュのイスラム戦士」が参加していたのは en.wikipedia.org/wiki/Jaysh_al-… 旧称リワ・アル・イスラム。イスラミック・フロントの一部、つまりFSA側。2013年12月の「アドラの虐殺」に関与と en.wikipedia.org/wiki/Adra_mass…

1 2