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「ぬりかべ」は妖怪じゃない!?京極夏彦さんと考える妖怪

妖怪とはそもそも何なのか、考えるために作ったまとめ。主に京極夏彦さんの講演会の内容からまとめています。

更新日: 2014年11月24日

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この記事は私がまとめました

黎明石さん

「妖怪」というと・・・?

ろくろ首や、ぬらりひょんなどを想像しますよね?

京極さんいわく・・・

巷説百物語、姑獲鳥の夏、魍魎の匣などで有名な作家・京極夏彦氏

妖怪という単語自体は古くからあったものですが、決して「塗り壁」や「一反木綿」「砂かけばばあ」を指し示す言葉ではありませんでした。

私たちが知っている「妖怪」の概念は、昭和40年代に水木しげるさんなどの作品を通じて定着したものです。

わからないものを分かるようにするために誕生した「妖怪」

わからなければ「わかりません」と言えばいい。わかっているはずだと信じ込むから「不思議」になる。

わからないと、不安になる。そうした不安とうまく添い遂げるための装置が「妖怪」であり、「怪談」なんです。

妖怪は「ポジティブに生きるための装置」

妖怪は恐怖ではなく、恐怖を無効化して共存していくための装置です。

しかし、ものとして存在はしません。触れることも見ることもできません。「いるのだけれど目に見えない」んですね。それをキャラクター化したのが妖怪です。

「ぬりかべ」を例に妖怪を考える

最初に「ヌリカベ」が採集されたのは柳田國男の「妖怪談義」

京極夏彦さんは柳田派の思考を積極的に取り入れています

妖怪談義には、夜道を歩いていると前方が壁になって前に進めなくなるという怪異が記載されています。

これが「ヌリカベ」の原点ですね

そこには「ヌリカベ」というモノについては一切記載されていません。
その怪現象を「塗り壁といって怖れられている」と紹介されているだけです。

水木サンがそれを読み、「ヌリカベ」というあのキャラクターを作られたわけです。

妖怪概念の3つの意味領域

出来事としての妖怪(体験;現象−妖怪)
超自然的存在としての妖怪(命名;存在−妖怪)
造形化された妖怪(造形;造形−妖怪)

妖怪学の第一人者、小松和彦氏による

例えば、「家がガタガタなりだす」という不思議な現象があり(体験)、それが「家鳴り」と命名され、小鬼が家を揺すっているような絵に表され(造形)、「妖怪」というものが完成するわけです。

まとめ

妖怪というのは本来「現象」の名前であって、「怪物」ではない。
キャラクター(怪物)として表現されるようになったのは昭和以降。
現代では、そのキャラクターが妖怪として広く認識されている。

つまり・・・

「現象」に対しては『妖怪のせいなのね!』というのはあながち間違いではない・・・。

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