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サンシャイン水族館×早川いくを へんないきもの展 ~ナマモノ~

ベストセラー「へんないきもの」の著者・早川いくをとのコラボによる春の特別展。独特な語り口による解説で、まるで一冊の本を読んでいるかのように生き物たちを紹介する、池袋、サンシャイン水族館で行われた展示のまとめ。

更新日: 2014年11月24日

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この記事は私がまとめました

sealioniaさん

ベストセラー「へんないきもの」の著者、早川いくを氏の監修による特別展を開催します。
早川氏の独特な語り口による解説で、まるで一冊の本を読んでいるかのように生き物たちをご紹介!

生物多様性、という言葉があります。

奇妙な生物がこんなにも多くの人の興味を惹くのも、

この多様性が驚異的なのだからでしょう。

生物多様性が多くの人に理解され、多種多様な生物が

皆さんのよく知るところとなり、「へんないきもの」

の価値が低下する事が、私の望みでもあります。

何とカッコいい事を私は言うのだろう。

自分で自分の言葉に惚れ惚れしてしましました。

そういう訳で、「へんないきもの展」、どうぞ

オオサンショウウオ

【 麗しの狩人たち 】

モンハナシャコ

「モンハナシャコはパンチを繰り出してカニなどの獲物を狩る。
その威力はすさまじく、22口径の銃弾に匹敵するというからもはや凶器だ。
シャコのくせに無駄に強すぎである。
体内にある特殊な「バネ」がその原動力だが、至近距離で大砲をぶっ放されるようなもの、狩られるカニさんは気の毒すぎてもはや言葉もない。」

「パンチを繰り出す」というモンハナシャコの戦い方は、実に男らしいともいえる。
しかし自然界では紳士の決闘など何の意味もない。
美しい海、などというが、水面下は罠、闇討ち、目くらまし、すべてが許される無法地帯だ。
そんな海の底で、ひたすら騙しの技を磨いてきた者がいる。
カエルアンコウといういい加減な名前の魚である。」

イロカエルアンコウ

「カエルアンコウは魚のくせに釣りをする。
カメレオンのように体色を変化させ、岩や珊瑚に化けると、額の「釣り竿」に装着された疑似餌を巧みに振って魚を誘惑する。
「餌かな?」そう思った魚は、次の瞬間にはカエルアンコウの胃の中だ。
稲妻の素早さである。
相手が自分より大きくても全く躊躇せずひと呑みするあたりがカエルアンコウの男気といえようが、そもそもやり方が詐欺なのでちっとも清清しくない。
しかしどんな手を使っても自然界では勝てば官軍、負けは死を意味する。」

「カエルアンコウの手口は巧妙だが、しかし中にはもっと危険なやり方で獲物をとる連中もいる。
次はその中から際立って不愉快なトリオ、「世界三大奇虫」と呼ばれる陰気な三人組をご紹介しよう。」

サソリモドキ

「サソリモドキは夜陰に乗じて狩りをする。
昆虫、ヤスデ、ミミズ、大きいものになるとネズミまで襲い、その強大な鋏で引きちぎる。
こんなのがうっかり台所にでも出た日には、ご家庭の主婦は絶叫し、殺虫剤を乱射しそうだが、そんな事をしたらとんでもない反撃を食らう。
サソリモドキは尾から酢酸を噴射するのだ。
触れれば皮膚は火傷様の炎症を起こし、目に入れば角膜炎を起こす。
その匂いは酢を強烈にしたような劇臭だ。
姿形も習性も不快指数120%、さらに危険性もあるのだ。
しかしこんな生物をわざわざ購入して愛玩するマニアもいるというのだから世の中はわからない。
そしてそういうマニアはえてして社会性を逸脱していたりするのである。」

ウデムシ

「「おい、なんだよそれは!?」

「ウデムシっすー」

「そんなもの会社にもってくるなよ!」

「かっこいいんスよねー」

「聞いてないわよ! わ、壁を這い回ってるぞ、天井にも貼り付いてる!」

「洞窟に棲んでるんで、上も下も自由自在です」

「自慢げに言うな!早くしまえ!触覚が長いやつって俺だめなんだよ!」

「課長、あれは触覚じゃなくて歩脚、感覚器官のある脚なんです。これで獲物を探知して、この鎌みたいな触肢で捕まえるんです」

「うるさいよ!げ、ゴキブリ捕まえて喰ってる!」

「ハンターですからねー」

「あっ!女子社員が全員倒れて泡を吹いてるぞ!おい何とかしろ!」

「女子の介抱なんてウデが鳴るなあ、アハハ」

「お前もうクビ!!」」

ヒヨケムシ

「感じで書くと「日避虫」。
もののあはれを催すような名だが実は獰猛な肉食生物、昆虫類はもちろん、自分より大きなトカゲ、げっ歯類、鳥までを襲って喰い殺す。
しかもただ喰うのではない。
その巨大な鋏角で獲物の肉を文字通り八つ裂きにし、消化酵素と混ぜあわせてミンチにしてからゆっくりとすするのだ。
想像するだけでこみあげてくる。
お願いだからそういう事は胃の中でやって下さい。
ヒヨケムシは、さまざまな物を喰う。
だが悪食は人間も同じだ。
いや、人間ほど様々な生き物を喰う動物もいない。
食欲だけでなく好奇心も旺盛だからだ。
わざわざ池袋くんだりまでこんな気色の悪い生き物を見に来てしまうのも、好奇心という名の業のなせる業である。」

ガンギエイ干物

「こんにちは。
ガンギエイと申します。
エイの仲間です。
水族館の展示なのに干物ですみません。
食べるときは、水に戻してしょうゆとみりんで味付けしてくださいね。
三杯酢もいけますよ。
私の姿が宇宙人みたいだってんで最近話題らしいですが、確かにこんなのが夜道に立ってたら警察呼んじゃいますよね。
しかし捕まえて干物にしといて宇宙人もないもんだ。
人間は食文化とか称して何でもかんでも捕まえて喰っちまうんだから全くタチが悪い。
一種類のものしか喰わない、奥ゆかしい生物を見習ってほしいものです。
フリソデエビさんなんてアレしか喰わないんですよ。
よく喰いますね、あんな不味そうなの・・・。」

コモンカスベ

「こんにちは。
私はコモンカスベと申します。
ご覧の通り、普通のエイでございます。
何で私が「へんないきもの展」にいるかと申しますと、「干物にすると珍しいガンギエイ、の仲間」という位置づけだそうです。
無理にこじつけたみたいですみません。
それにしてもガンギエイさんも言われてるように、本当に人間は見境なく生き物を捕まえて食べますな。
あたしみたいな食欲そそらなさそうなのでも、わざわざエイヒレとかにしちゃうんですからね。
でも、最近はあたしに放射能が蓄積してる、なんて言われちゃってねぇ・・・。
これで人間が敬遠してくれたらいいんですが、でも放射能はいやだし、痛し痒しってのはこの事ですかね。
あれ、魚ってかゆくなるんですかね。」

カワテブクロ

「ヒトデの一種である。
あれに似ている、これに似ている、と世間ではいろいろと話題のようだがここで詳しく触れるわけにはいかない。
こんなヒトデのぬいぐるみがあったら楽しそうだね!と当たり障りのないコメントで逃げておく。」

フリソデエビ

「小粋な水玉小紋に優美な振り袖、珊瑚小町とでも言いたくなるような美しいフリソデエビは、その可憐な姿とは裏腹の、ヒト殺しならぬヒトデ殺しだ。
フリソデエビはヒトデを見つけると、振り袖そっくりの鋏を揺らし、しなをつくるようにそっと近づく。
そして自分より遥かに大きなヒトデを小器用にひっくり返すと、悪女がかんざしで男を刺すように、槍のような胸脚でグサリとひと突き。
苦悶にのたうつヒトデを押さえ込み、鋏でその肉を切り取りつつ喰っていく。
人では生きながら喰われる地獄を見ることになるが、フリソデエビには同情も容赦もない。
何日か後にはヒトデはすっかりフリソデエビの胃に消えてしまう。
まごうことなきヒトデナシだ。」

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